1000円以下で買えるいま、ワインは「オーガニック」を選ぼう

ink_pen 2020/3/29
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1000円以下で買えるいま、ワインは「オーガニック」を選ぼう
中山秀明
なかやまひであき
中山秀明

GetNaviお酒・グルメアドバイザー。GetNavi内食・外食のトレンドに精通した、食情報の専門家。現場取材をモットーとし、全国各地へ赴いて、大手メーカーや大手小売りから小規模事業者まで、幅広く取材している。酒類に関する知識量の多さでは、大手ビールメーカーでも一目置かれる存在。GetNavi・GetNavi webのほかに、テレビや大手企業サイトのコメンテーターなど幅広く活躍。

SDGsへの理解や賛同が広がるなか、関連したトレンドがワイン市場に起こりつつあります。それが、オーガニックワインを選ぶムーブメント。事実、国内のワイン最大手であるメルシャンが今年、オーガニックワインのプロジェクト「わたしにイイこと、みんなにイイこと」を大々的にスタートさせました。

 

↑「オーガニックワインって何だっけ?」「なんで流行ってるの?」という人はぜひ一読を

 

本稿ではその発表会の様子とともに、改めてオーガニックワインとは何か、オーガニックワインを選ぶことが、なぜSDGsにつながるのか、といった解説とともに、商品一例も紹介していきます。

 

 

イケてる選び方=エシカル消費とは?

まずは、オーガニックワインのおさらいから。直訳の通り、オーガニック=有機のことで、無農薬・無化学肥料・無除草剤といった有機農法で栽培されるぶどうで造られたワインを指します。これは第三者の認証機関よる承認制になっていて、エチケット(ラベル)などにそのロゴなどが表記されます。

 

↑一例。EUで最も有名な有機認証機関「ユーロリーフ」、フランスのビオディナミ農法によるワインの認定団体「ビオディバン」のロゴが表記されています

 

なお、似たカテゴリーに「ビオワイン」や「ナチュラルワイン(自然派ワインとも。フランス語でヴァンナチュール)」などもありますが、これらの深掘りついてはちょっと複雑なため割愛させてください。ここではあくまで、機関の基準に則ったオーガニックワインの解説をしていきます。

 

オーガニックワインは、自然との共生レベルに応じて3種類に分類されます。レベルの小さいものが「リュット・レゾネ」。フランス語で減農薬栽培を意味し、化学薬品を使わず、科学技術の介入を最小限に抑えたワインです。

 

次は、オーガニックと同義である「ビオロジック」。化学的な添加物は一切使わず、自然由来の肥料だけで育てたぶどうで造るワインです。

 

そして究極の有機栽培農法といわれるのが「ビオディナミ」。「ビオロジック」の特徴に加え、星、太陽、月との位置関係などによって農作業の時期を決める、独特で神秘的な農法としても知られます。

 

↑メルシャンの公式サイトより

 

有機農法の目的には、土壌が農薬によって侵されていくことを防ぐという、環境保護の側面があります。これによって自然の恵みが循環し、つまりはSDGsにつながるというもの。このように、人や社会、環境に配慮したモノを選ぶことは「エシカル(倫理的、人として正しい)消費」と呼ばれ、欧州を中心に支持されています。

 

ワインでいえば、まさにオーガニックワインを選ぶことがエシカル消費。その量は世界的に増加しており、今後も拡大が見込まれています。しかもこの消費が期待されている層は、実は20~30代の若者世代。教育をきっかけにSDGsが若年層に浸透しており、エシカルでサステナブルなライフスタイルが好まれる傾向にあるとか。

 

↑世界でも拡大しており、2023年には消費本数が10億本に迫ると予想されています

 

事実、日本で最もエシカル消費に関心が高いのは50~60代ですが、次は10~20代でその次が30代というデータが出ています。「いまの若者が歳を重ねたとき、彼らはもっとワインを飲むようになっているだろう」と想定すると、将来のワイン消費はオーガニックに需要が見込まれるのです。

 

↑意外なことに、最も認知率が低いのは40代というデータが出ています

 

 

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