家電
扇風機・サーキュレーター
2017/6/24 17:00

家電コーディネーターに聞いた「扇風機の選び方」と最新注目モデル7選

今年もまた梅雨入りして、真夏はもうすぐ。気温が一気に上がると同時に、梅雨時特有のジメジメした湿気が気になる時期になりました。冷房をつけるほどではないけれど、まとわりつく蒸し暑さを吹き飛ばしたい。そんなときに活躍するのが、扇風機です。

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明治時代からほとんど形を変えることなく、一家に一台は必ず用意されているこの扇風機、すでに家電として完成しており今後進化はないと思われていたものが、2010年以降に突如大きく進化し話題を集め、いまだ人気の家電になっています。では、最新の扇風機はどうなっているのか、どのようなモデルを選んだらいいのか。ロボット掃除機や除湿機の選び方を教えてくれた家電コーディネーター・戸井田園子さんに、再び聞きました。

 

風がやさしいDCモーター搭載が絶対条件

「2010年に、家電ベンチャーのバルミューダが発表した『グリーンファン』は画期的でした。羽根を設計し直し、モーターにDCモーターを採用することで、体への当たりがやさしい風を超低消費電力で作り出せるようになったんです。東日本大震災から節電が重要視されたこともあり、当初はその消費電力が少ないことに関心が集まりましたが、いま注目されているのは細かく運転を制御できるDCモーターならではの“風の質”。大手家電メーカーも次々に新モデルを発表していて選択肢も豊富ですし、“高級扇風機”といいながらも値段が下がってきているので、今扇風機を選ぶなら、このDCモーターを使ったモデルであることが大前提ですね」(戸井田さん・以下同)

 

このDCモーターを使ったモデルも、用途によって大きくふたつに分けられるといいます。

 

「ひとつは、扇風機の風に当たって涼みたい場合。もうひとつは、エアコンの風を部屋じゅうに効果的に拡散するためのサーキュレーターとして年間を通して使う場合です。前者は体に向けて風を当てるので、体が“面”で届いた風に包まれるような、より上質な風であることが重要。後者なら、真上を向くなど自動首振りの角度が広く、部屋中に風を拡散できるモデルを選ぶといいですね」

 

そんな中でも特に、大手家電メーカーのモデルはより高機能化が進んでおり、使い勝手に死角がないものが多いとか。

 

「大手メーカーほど、どんな人にも使いやすいようさまざまな機能を積んで作り込んできています。首振りの角度が自在、タイマーを入り・切りの両方設定できる、風量の段階が多いか無段階、就寝時にうれしい静音モードがある、リモコンが使いやすい、などなど。日常での使いやすさをチェックしつつ、その中でも個性を見極めて選びましょう」

 

このように便利な扇風機ですが、注意点がひとつだけ。

 

「扇風機の風を涼しく感じる原理は、風が当たると肌表面から気化熱を奪われることによるもの。基本的に、羽根を回転させることで部屋の空気を送り出す仕組みで、8月など室温が体温を超えるような時期には熱い空気を送ることになるので逆効果です。気温が35℃を超えるような猛暑日は、扇風機ではなくエアコンやクーラーを使いましょう」

 

最後に、高機能・高性能な上に個性が際立つ、いまオススメの最新モデルを目的別に7点挙げてもらいました。

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風の質にこだわりたいなら……

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バルミューダ
The GreenFan
実売価格3万8580円

●本体サイズ=W330×H871/497×D320mm ●本体重量=約4.1kg ●消費電力=1.5〜20W ●動作音=最小13dB ●風量調節=4段階 ●タイマー=入:なし、切:1・2・3・4時間 ●自動首振り=左右各最大75度

2010年に登場し、DCモーターを搭載した高級扇風機として大ヒット。扇風機の風の心地よさと省エネ性が注目されるきっかけを作り、現在の高級扇風機ブームの火付け役となった。最大の美点は、独自設計によって二重構造にした羽根が生み出す、真っ直ぐ届くパワフルさがありながらやさしい風。機能は必要最小限に抑えられているものの、長時間扇風機に当たっていられる風の質では、一日の長がある。

 

部屋中に涼風を行き渡らせたいなら……

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シャープ
プラズマクラスター扇風機 コードレス3Dファン PJ-G2DBG-C
実売価格2万6000円

●本体サイズ=W270×H670/550×D270mm ●本体重量=約3.2kg ●消費電力=2.2〜14.5W ●風量調節=8段階●タイマー=入切:1・2・4・6時間 ●自動首振り=左右約90度、上下:上約40・90度/下約90度

アホウドリとアマツバメの翼形状を応用した“ハイブリッド・ネイチャーウイング”を採用し、風の直進性を高めると同時に風量を従来モデルの1.5倍に。上下左右に自動で首を振る“3Dターン”によって、部屋の空気を効率良く循環する。コードレスなので、居場所に合わせて部屋のどこへでも移動し運転できる。また室温を検知する温度センサーを搭載し、熱中症の危険が高まるとランプと音で知らせてくれる機能も安心だ。

 

静かに長時間運転させたいなら……

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三菱電機
DCモーター扇風機 SEASONS(シーズンズ) R30J-DU
実売価格2万6170円

●本体サイズ=W370×H1020/580×D370mm ●本体重量=5.8kg ●消費電力=最大15W ●動作音=約12dB〜30dB ●風量調節=5段階 ●タイマー=入:なし、切:1・2・4時間 ●自動首振り=左右50・90・180度、上下 上90度下10度・上40度下10度、3D立体首振り

3D立体首振り機能を搭載し、真上にも向けられるなど風の向きを自由自在に設定でき、扇風機とサーキュレーター両方の用途に対応するモデル。航空機などの低騒音化対策にも応用されている、風上側へなめらかに湾曲した“ウィングレット”形状の7枚羽根で、木の葉がふれあう音より静かとされる約12dBまで運転音を低減した。夜寝室で運転させたい場合や在宅で仕事をしている人に特におすすめだ。

 

置いて恥ずかしくないデザインを求めるなら……

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パナソニック
プレミアムリビング扇 RINTO(リント) F—CWP3000
実売価格 10万7010円

●本体サイズ=W380×H1136×D380mm ●本体重量=5.6kg ●消費電力=最大19W ●風量調節=8段階 ●タイマー=入:なし、切:1・2・4時間 ●自動首振り=左右60・75・90度

支柱部分に世界三大銘木に数えられる高級木材のウォールナットを採用するほか、透き通ったべっ甲色の羽根、なめらかな円錐形状の背面、磁器を思わせるつややかな台座、表面からネジやビスが見えないつくりなど、360度どこから見ても美しい造形を追求した。生み出す風も、パナソニックが四半世紀以上にわたって研究を重ねてきた、“1/f ゆらぎ”の自然に近い風で心地よい。

 

組み立てが面倒なら……

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日立
扇風機 ハイポジション扇 らくらく扇 HEF-DC5000
実売価格1万9505円

●本体サイズ=W371×H1100/810×D360mm ●本体重量=約5.2kg ●消費電力=2〜21W ●動作音=約12dB〜30dB ●風量調節=8段階 ●タイマー=入切:1・2・3・4・5・6・7・8・9時間 ●自動首振り=左右約45・70・90度

組み立て不要で、買ってすぐ使える手軽さがうれしい。温度センサーが搭載されており、室温に合わせて自動で風量を切り替えるほか、台座の操作パネルは、視認性の高いグリーンのLED表示とタッチキーを採用しており操作しやすいなど、家族に高齢者がいる場合にも重宝する。首振りは手動で左右180度、真上にも向けられるため、サーキュレーターとしても。便利な機能をトータルで搭載したオールマイティなモデルだ。

 

夏だけでなく冬も1台で済ませたいなら……

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ダイソン
Pure Hot + Cool Linkファンヒーター
実売価格6万7775円

●本体サイズ=W222×H632×D222mm ●本体重量=4.01kg ●消費電力=5〜44W(涼風モード時) ●風量調節=10段階 ●タイマー=入切:専用アプリから設定 ●自動首振り=左右90度

“羽根のない扇風機”でおなじみのダイソンの扇風機に、温風機能と空気清浄機能を追加し、1年を通して部屋の空気を快適な状態にキープしてくれる1台3役のモデル。羽根がないので怪我の心配がなく、子どもがいる家庭でも安心。空気清浄機能はPM0.1クラスの超微細なアレルゲンも除去できる性能をもつほか、専用アプリからWi-Fi経由で運転をコントロールしたり、空気の状態を確認したりできるのも便利だ。

 

自分専用の2台目として選ぶなら……

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ドウシシャ
カモメファン Fシリーズ 01
実売価格2万3630円

●本体サイズ=W365×H620/555×D320mm ●本体重量=2kg ●消費電力=1.5〜10W ●風量調節=無段階 ●タイマー=入切:1・2・4時間 ●自動首振り=左右30・60・90度、上下100度

船舶用プロペラメーカー、ナカシマプロペラと共同開発した羽根は、カモメの羽にヒントを得た生態模倣。軟らかい素材を採用したことも相まって、音と振動を抑えながら、やさしい風をまっすぐ届ける。三脚のようなスタンドタイプのため狭い場所でも置きやすく、書斎など自室での使用にも向いている。また脚部は折り畳めるので収納しやすく、ホコリもたまりにくい。左右だけでなく上下にも自動で首振りし、真上も向くのでサーキュレーターとしても重宝する。

 

コジマ電機
http://www.kojima.net/
※価格は2017年6月19日時点の参考価格(税込)です。

 

Profile:戸井田 園子

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大手プレハブメーカーのインテリア研究所でインテリアコーディネートを担当したのち、商品企画部へ。その際に習得した、商品の性能・デザイン・価格などを総合的に比較して優劣を見極めるテクニックを活かし、インテリア&家電コーディネーターとして独立。情報ポータルサイト「All About」のガイドをはじめ、テレビ・新聞・雑誌など各メディアで活躍している。

 

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