期間延長が決定したマイナポイント事業の後押しもあり、急速な普及が予想されるマイナンバーカード。今回は、現状の活用方法と今後の展望、そして取得方法を解説しよう。マイナンバーカードで生活がどのように便利になるのか。その実力を知れば、ポイントに関係なく取得したくなるはずだ。
※本記事は「GetNavi」 2021年2月号に掲載された記事を再編集したものです
第1回 マイナポイント事業の目的とは?
第3回 マイナポイントの申し込み方法
第4回 おトクな決済サービス9選
手続きのオンライン化のほか今年3月には健康保険証に!
マイナンバーカードは、個人番号(マイナンバー)が記載された公的身分証明書だ。カードに埋め込まれたICチップには、公的個人認証に基づいた電子証明書が記録され、ICカードリーダライタで読み取ることで本人認証が可能。コンビニなどのマルチコピー機から住民票の写しや戸籍証明書など、様々な証明書を取得することができる。
また、各種行政手続きも簡単に。例えば、マイナンバーカードの読み取りに対応したスマホやICカードリーダライタがあれば、オンラインで確定申告(e-Tax)ができるほか、マイナポータルを通じて子育てや介護をはじめとする行政手続きが可能。市区町村の窓口に赴く手間や時間を削減できる。
さらに、2021年3月からは健康保険証としての役割も担う。転職や引っ越しをしても健康保険証として利用できるほか、確定申告での医療費控除が簡単になるというメリットも。将来的には、海外在住者のインターネット投票への活用や、運転免許証との一体化も検討されている。普段の生活を便利にするためだけでも、取得する目的になり得るだろう。
【マイナンバーカードがあればできること】
マイナポータルでの行政手続き
マイナポータルでは、子育てや介護を中心とした行政手続きの検索やオンライン申請、就労証明書の作成、個人情報の参照、法人設立のための申請書類の作成などが行える。今後も利用可能な手続きを増やしていく予定だ。
コンビニでの証明書の発行
コンビニやドラッグストアなどに設置されているマルチコピー機でマイナンバーカードを読み取ることで、公的証明書を取得できる。発行可能な書類は地方公共団体ごとに異なる。
健康保険証としての利用
2021年3月から、医療機関や薬局の窓口では、カードリーダーにマイナンバーカードを提示することで、健康保険証として利用可能に。マイナポータルで申し込み受付中。
地方公共団体によってはこんな活用事例も!
【東京都・豊島区】図書館利用カードとして活用
2018年4月から、マイナンバーカードを図書館利用カードとして利用可能になった。カードリーダーへのタッチで貸し出しが完了する。
【富山県・南砺市】個人にあった育児情報の配信
回数が多く、受けたかどうかの管理が煩雑な予防接種や乳幼児健診。その案内や記録など、個人に合った子育て情報をスマホで確認できる。
マイナンバーカードの取得方法
マイナンバーカードの取得手続きは簡単。申請方法には、郵便、スマホ、PC、街なかの証明用写真機の4種類がある。
申請に必要な書類
まずは手元に、通知カードに付いた個人番号カード交付申請書があるか確認しよう。ある場合はスマホ申請がオススメだ。もしない場合は郵便申請もできる(※)。
※2020年11月末から、マイナンバーカード未取得者を対象に「QRコード付き個人番号カード交付申請書」を順次送付中
【その1】郵便で申請する
申請書をダウンロードし、必要事項の記入や顔写真を貼り付けて郵送。通知カードと一緒に届いた交付申請書でも良い。
手順①
申請書は「マイナンバーカード総合サイト」の「リンク・ダウンロード」のコーナーからダウンロードできる。切手不要の送付用の宛名や、自分で組み立てる封筒も入手可能だ。
手順②
氏名や住所などの必要事項を記入し、指定された規格の写真を貼り付けて郵送する。プリンタがない場合には、市区町村窓口でも申請書を発行できる。その際、申請書ID記載の申請書を発行すれば、スマホ申請が可能になる。
【その2】スマホで申請する
スマホなら5分程度でマイナンバーカード申請が完了。顔写真もスマホで撮影できるため手軽だ。
手順①
個人番号カード交付申請書のQRコードをスマホのカメラで読み取って、申請サイトにアクセス。利用規約を確認し、チェックボックスにチェックを入れ「確認」ボタンを押す。
手順②
申請書IDの欄を確認し、交付申請書に記載された申請書IDと同じかどうかチェック。メールアドレスを登録すると、そのアドレス宛てに申請手続きの案内メールが送信される。
手順③
案内メールに記載された申請者専用サイトにアクセスし、マイナンバーカードにプリントする顔写真をスマホで撮影する。顔全体を枠内に収め、無背景・正面向きで撮影しよう。
手順④
生年月日、電子証明書の発行希望の有無、氏名の点字表記の希望の有無を選択する。なお、マイナポイントを受け取るためには、電子証明書は必須なので必ず希望する。
【その3】PCで申請する
PCの場合も申請用サイトを経由するため、手順はスマホとほぼ同じ。写真は端末内に取り込んでおこう。
手順① 申請書を手元に用意する。
手順② マイナンバーカード総合サイトの申請書ページで、申請書ID(申請書に記載)とメールアドレスを入力する。
手順③ 案内メールに記載されている申請者専用サイトにアクセスし、顔写真を登録する。
手順④ 生年月日を入力し、電子証明書発行・氏名の点字表記の希望有無を選んだら申請完了。
【その4】証明用写真機で申請する
街なかの証明用写真機の一部でもマイナンバーカードの申請が可能。顔写真をキレイに撮りたい人に◎。
手順① 個人番号カード交付申請書のQRコードをバーコードリーダーにかざし、情報を読み取らせる。
手順② 証明用写真機で顔写真を撮影する。撮影した写真と申請内容を確認して情報を送信すれば完了だ。
~対応する証明用写真機~
DNP フォトイメージングジャパン/日本オート・フォート/富士フイルム/三吉工業/プラザクリエイト
ちなみにマイナンバーカードの発行には概ね1か月かかり、受け取りには予約が必須。余裕をもって取得するのが得策だ。次回は、いよいよマイナポイントの申請方法を紹介していく。
●QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です
文/星 政明 イラスト/勝間田しげる