こがずに乗れる“ママチャリ型”特定小型原付「MOPERO 4U」試乗! ユーザーの声を反映した納得の完成度

ink_pen 2026/3/30
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こがずに乗れる“ママチャリ型”特定小型原付「MOPERO 4U」試乗! ユーザーの声を反映した納得の完成度
会田 肇
あいだはじめ
会田 肇

カーライフアドバイザー。カーナビやドライブレコーダーなど身近な車載ITグッズのレポートを行う他、最近はその発展系であるインフォテイメント系の執筆も増えている。海外で開かれるモーターショーや家電ショーにも足を運び、グローバルな視点でのレポートに役立てている。日本自動車ジャーナリスト協会会員。

電動キックボードなど電動モビリティを提供するSWALLOW(スワロー)は3月13日、ペダルをこがずに進む「特定小型原動機付自転車」の新製品「MOPERO 4U(モペロ フォーユー)」の発表記者会見を開催。翌14日より予約販売を開始しました。

↑3月14日より予約販売を開始した「MOPERO 4U」。カラーは「サンドベージュ」。

ユーザーの声を反映させて生まれた“ママチャリ型”特定小型原付

MOPERO 4Uは、同社のヒットモデル「MOPERO mini cargo」に続くMOPEROシリーズのラインナップ拡充モデルで、同社初の“ママチャリ型”となります。キャッチフレーズは“漕がないママチャリ”。4Uの開発にあたって見逃せないのは、mini cargoで届いた多くのユーザーの声を反映させていることです。

mini cargoがヒットした理由のひとつに、フレーム中央部に用意した布製の大型収納ポケットの採用があります。元々は買い物した品物を収納するために用意されたものですが、ユーザーからはペットを乗せて走行するにも都合が良いとする声も寄せられていました。

↑試乗に使ったMOPERO 4Uプロトタイプ。大型のフロントバスケットが存在感をアピール。
↑正四角形に近いナンバープレートが特定小型原付であることを示す。緑色のランプが連続点灯時は車道モード、点滅時は歩道モードになる。
↑既発売のMOPERO mini cargo。4Uではここで得たユーザーの声も反映されている。

こうした使い勝手の良さが評価される一方で、一部ユーザーからはまたぎにくさを指摘する声も出ていました。それは車体の形状の都合上、足を後ろから回して乗る必要があったからです。また、自転車から乗り換えを希望する人からは、「バイクの経験がないと乗りこなしが難しい」といった声も聞かれたそうです。

↑スカートを履いていてもまたぎやすい“ママチャリ型”とした。

4Uはこうした声を踏まえ、より多くの利用者に受け入れられる形状として、足を高く上げずに乗り降りができる“V字型フレーム”を採用。ママチャリのような乗りやすさを生み出すことになりました。

横浜市の支援制度の活用で、よりユーザーベネフィットの高い製品開発につながる

また、この日の発表では横浜市の「戦略的な実証実験支援」制度を活用して本製品の開発が進められたことも紹介されました。

↑横浜市の「戦略的な実証実験支援」制度を活用して実証試験。ここで得られた結果は開発に活かされた。

「市の道路予定地を使い、公道に近い状況下でカーブや急坂での検証を実施する」というもので、これによって実際の走行体験を通した多くのフィードバックにつながったそうです。特になかなかヒアリングしにくかった65歳以上のアクティブシニア層の意見も聴取でき、この結果、よりユーザーベネフィットの高い製品開発につながったというわけです。

では、その実証を通して導き出された主な改良点を見てみましょう。

ひとつはスロットルを親指で押すスタイルに変更したことです。当初はオートバイのようにグリップを回転させて発進~走行する予定だったそうですが、これが不慣れな人にとっては誤発進につながりやすいとの指摘があったといいます。

↑アクセル用スロットルはオートバイで使われる回転式ではなく、親指で押すタイプに変更された。

2つ目はフットレストの位置をより前方に移動させたことです。これによって、自転車の踏み出し位置と同様の自然な姿勢での乗車を実現しました。3つ目は乗降性を向上させるために16インチタイヤを採用し、合わせてフレーム高の最適化を図ったことで、より幅広い年齢層に受け入れられる形状としました。この結果として4Uは“ママチャリ型”となったのです。

↑当初はフレーム側にあった足置きペダル位置は、より自然なスタイルになる前方へと移動された。

幅広い用途と高い安全性を生み出す大型フロントバスケットの採用

そして個人的にも高く評価しているのが4つ目の、大型フロントバスケットの採用です。当初は自転車にも使われるサイズを考えていたとのことですが、試乗に参加した人から、買い物だけでなくペットを乗せられるように大型化してほしいとの要望があり、この要望にしっかり応えることとなりました。さらにこのバスケット全体を覆うカバーが用意できれば、ヘルメットを収納するにも都合が良いのではないかと思います。

↑大型化されたフロントバスケット。車体フレームに装着されていることがわかる。

大型バスケットの良いところはこれだけにとどまりません。実はこのバスケット、車体フレーム側に取り付けられているのです。

自転車のフロントバスケットはハンドル側に装着されていることがほとんどです。そのため、バスケットに少し重い物を乗せればハンドルを取られやすくなり、場合によってはまっすぐ走るのが困難な状況も想定されます。しかし、4Uではバスケットをフレーム側に装着したため、こういった心配は無用です。これは安全上、大きなメリットとなるでしょう。

SWALLOWによれば、自社だけのテストではこうした利用者の声を反映するのは難しかったと言います。この実証実験を踏まえ、4Uはより完成度の高いモデルへと進化できたというわけです。

500Wハイパワーモーターによるトルクフルな走りを体験

さて、記者会見終了後は、会場付近の公道で4Uプロトタイプを試乗することができました。

シートに座ると、自然なポジションで乗れることがまず気に入りました。ママチャリ型である4Uは上体を起こして乗車するため、足の位置は少し前方にあった方が楽に座れます。ここは横浜市との実証試験の効果がはっきりと現れているようでした。

↑自然なスタイルで乗車できるよう“ママチャリ型”としたMOPERO 4U。

4UではMOPERO mini cargoと同様、駆動系に48V・500Wハイパワーモーターとプラネタリギアを組み合わせ、これによるトルクフルな走りがポイントです。試乗した結果は予想通り! スタート時から力強い加速を見せ、すぐに最高速度(カタログ値は19.5km/h)の領域に達します。これは直進性にも貢献しているのは間違いなく、走行中の不安はほとんど感じることはありませんでした。

↑500Wモーターによるトルクフルなパワーで坂道でも余裕で走行できるスペック。
↑500Wハイパワーモーターとプラネタリギアを組み合わせ、トルクフルな走りを発揮したパワーユニット。
↑速度計やバッテリー残量を表示できるディスプレイでは、車道モードと歩行モードの切り替えもできる。

また、4Uは歩道での走行もできる“特例”モデルですが、そのときの最高速度は法律上6km/hに抑えられます。ここで心配になるのが、そのときのトルクです。一部の車種では速度だけでなくトルクまで抑えることがあり、これだと坂道など負荷のかかるような場所では思うように前へ進むことができなくなってしまいます。が、4Uは十分なトルクを発揮できるそうで、ここでも合格点が与えられます。

あいにく周辺は平坦路ばかりで、4Uの登坂能力を試すことはできませんでしたが、ここで体験した走りから推察すれば、坂道でもかなり期待が持てそうです。

トルクの出方を切り替える“パパモード・ママモード”搭載

ただ、これだけトルクフルな走りを見せるとなれば、電動で走るモビリティに不慣れな人にとっては逆に不安要素となることもあるでしょう。だからこそ、スロットルは親指で操作する方式を採用したのですが、4Uではもうひとつ、初心者向けの対策が施される予定です。それが“パパモード・ママモード”です。

これは、ママモードにすることで、トルクの出方を緩やかにする機能です。つまり、4Uでは、力強い発進を期待したいならパパモードを選び、緩やかな発進をしたいならママモードに切り替えて走行できるのです。試乗車はプロトタイプであったため未搭載でしたが、製品版ではこの機能が追加されるとのことでした。

↑メイン電源はディスプレイ部を専用カードでタッチすることでON/OFFできる。ただし、車輪のロックはしないため、車両移動はできてしまう。
↑車輪のロック機構はオプションとなる予定。盗難防止の観点からも装備した方がよさそうだ。

用意された車体カラーは「サンドベージュ」「パールホワイト」「ライトオリーブ」「マットブラック」の4色。いずれも車両価格は189,000円(税込)で、6月頃から納車が始まるスケジュールで進められているとのこと。なお、事前予約による割引制度も用意されており、お得に買いたいのであればこのチャンスを利用することをおすすめします。

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