意外と知らない「電費」の仕組み。km/kWhとWh/km、どっちが大きければいい?

ink_pen 2026/4/9
  • X
  • Facebook
  • LINE
意外と知らない「電費」の仕組み。km/kWhとWh/km、どっちが大きければいい?
GetNavi編集部
げっとなびへんしゅうぶ
GetNavi編集部

1999年創刊。「新しくていいモノ」を吟味して取り上げる月刊の新製品情報誌。生活家電とIT・デジタルガジェットを中心に、モビリティ・雑貨日用品・グルメ・お酒まで、モノ好きの「欲しい!」に結論を出す、がコンセプト。

キーワードからEVの現在、そしてこれからを見通す「EV事典」。今回は内燃機関車の燃費に当たる「電費」について。聞き慣れない言葉かもしれないが、2種類あるEVの電費のほか、国際的な測定基準でもあるWLTCや、ドライブ時の充電器の選び方についても解説する。

数字が大きいほど良い?EVならではの独自の数値

電費とは、EVがどのくらいの効率で走れるかを示す指標のこと。いわゆる内燃機関を搭載するクルマの燃費に相当する。その定義や測定方法は政府や自動車業界で決められており、日本では国際基準に基づいたWLTCモード法が採用されている。測定方法は市街地や郊外、高速を想定した規定のテストコースなどを走り、消費された電力量などで計測する。

またEVには2つの電費があるのも理解しておきたい。ひとつは1kWhの電力で走行できる距離を示す単位。これはkm/kWhで表され、1kWhで何km走行できるかというエンジン車の燃費に近い数値。これはその値が大きいほど電費が良いことになる。

km/kWhは1kWhで走れる距離を表し、数値が大きいほど電費が良い。Wh/kmは1km走行するために必要な電力量で、数値が小さいほど効率が良い。電費は内燃機関車同様季節や走り方で変わる。

もうひとつは1km走るのに必要な電力量を表す数値。単位はWh/km。こちらは数値が小さいほど電費が良い、というもの。一般的には後者の方を電費としており、カタログなどにはこちらが記載されている。このWh/kmは交流電力量消費率のことで、実際の電費は内燃機関車同様の満タン法ならぬ満充電法で計算ができる。満充電の状態で走行を始め、次の充電までに何km走ったかを計算すれば良い。例えば最初の満充電から100km走って、次の充電時に10kWh(10000Wh)かかったならば、10000÷100=100で100Wh/kmが電費となる。

電費を左右するのは天候や気温、走行時に使う装備など。そして意外なのがバッテリー容量で、EVのバッテリー容量は一充電走行距離に直結する。容量の大きいバッテリーを積むクルマは、航続距離こそ長いものの車重が重くなるため、短距離では電費が悪くなることもある。

上記の電費表はアウディQ6 e-tronのもの。内燃機関車と違いアクセルのオンオフがある市街地の方が電費が良く、定速巡航がしやすい郊外や高速道路では伸びが大きくないのがEVの特徴だ。

充電場所をうまく選べば充電時間は短縮できる

実際にEVを使うことになると、電費同様に気になるのが充電だろう。特に出先での充電は充電器のパフォーマンス、クルマのバッテリー容量や温度といった状態にも左右されるが、充電のため一定時間のストップを余儀なくされる。つまり充電時間は避けて通れないEVのウィークポイントになってしまうことになる。

しかし最近では、高速道路をはじめとして各商業施設に高出力な急速、超急速の充電器が増え始めている。例えば150kWh規格のものならば理論上30分で75kWhの充電が可能。実際には前出のように様々な条件で左右されるが、75kWhのバッテリー容量のクルマが150kWh規格の充電器を使うことで、机上の計算では約30分でフル充電が可能だ。

このような高出力の充電サービスをメリットとして訴求するブランドもある。テスラのスーパーチャージャー、フォルクスワーゲンやアウディ、ポルシェ(レクサスも加入予定)が展開するプレミアム充電サービスのPCAなどがそれで、独自の充電網を築いている。高出力の急速充電器を使えば、外出先での充電時間というEVの泣きどころは過去のものになっていくのかもしれない。

↑最近増えている高出力の超急速充電器。ネットで探せば意外に多く見つかるはず。長距離を走る場合は事前に充電器の設置場所を調べておくことで、充電時間ロスも最小限になる。

長距離走行から普段使いまで注目はこの3モデル!

総容量100kWhのバッテリーで569kmの航続距離を実現

アウディ
Q6 e-tron
839万円〜1359万円

EV専用プラットフォーム採用のミドルクラスSUV。駆動方式は後輪駆動とブランドイメージのAWDが選べる。ベースグレードでも一充電走行距離569kmの実用性も魅力。クーペスタイルのスポーツバックもある。

SPEC【Advanced】 ●全長×全幅×全高:4770×1940×1695mm●車両重量:2200kg●パワーユニット:電気モーター×1●システム最高出力:185kW●最大トルク:450Nm●一充電走行距離:569km(WLTCモード)

↑フロントガラスに道路標識やアシスタントシステムの情報、ナビなどを表示するARヘッドアップディスプレイはオプション。ナビ使用時は行き先の映像や矢印が動いてサポートする。
↑大きく湾曲したデザインが特徴的なパノラマディスプレイ。センターには14.5インチサイズのものを採用。充電中などにゲームを楽しめるアプリの搭載がユニークだ。

満充電での航続距離は746kmまでに伸長

トヨタ
bz4X
480万円〜600万円

トヨタがグローバルで展開するEVの第1弾モデルとして2022年にデビュー。SUBARUのソルテラと兄弟車でもある。2025年のアップデートで2WDの一充電走行距離が746kmと伸びた(4WDは687km)。

SPEC【Z・2WD】 ●全長×全幅×全高:4690×1860×1650mm●車両重量:1880kg●パワーユニット:電気モーター×1●最高出力:167kW●最大トルク:169Nm●一充電走行距離:746km(WLTCモード)

↑前席はもちろん、後席まで開放感ある大型のパノラマムーンルーフ。電動サンシェード付きで、直射日光から乗員を守ってくれる。
↑運転の楽しさをより高めてくれる、回生ブレーキ調整機能付きのパドルスイッチを装備。減速度は4段階で意に沿った減速が可能。

仕事にも趣味にも気軽に使えるバンタイプのEV

ホンダ
N-VAN e:
269万9400円〜291万9400円

軽商用車、N-VANのEVモデル。シンプルな商用車として割り切り、航続距離もあえての245kmに。その分充電は短時間で済むのがポイント。またN-VANで好評だった低床の広い室内はEVでも健在だ。

SPEC【e: L4】 ●全長×全幅×全高:3395×1475×1960mm●車両重量:1130kg●パワーユニット:電気モーター×1●最高出力:47kW●最大トルク:162Nm●一充電走行距離:245km(WLTCモード)

↑N-VANは4人乗りのみのモデルだったが、N-VAN e:は4人、2人、1人乗りといった個性的なモデルを展開する。内装も異なる。
↑車体中央のBピラーを省いたピラーレス構造。開口部が大きく、長尺物の積み下ろしが容易になっている。MTBなどの積載にも便利だ。

※「GetNavi」2026年2-3月合併号に掲載された記事を再編集したものです。
※価格などの表示内容は掲載時点のものです。在庫切れなどによって変更の可能性もありますので、詳細は商品ページを確認してください。

Related Articles

関連記事

もっと知りたい!に応える記事
Special Tie-up

注目記事

作り手のモノ語りをGetNavi流で