1月にトヨタの「ノア/ヴォクシー」、4月にはホンダの「ステップワゴン」がフルモデルチェンジし、絶好調だ。小さい子どもの父親でもあるモータージャーナリストが両車をジャッジ。どちらのモデルに心惹かれるのか?
※こちらは「GetNavi」 2022年12月号に掲載された記事を再編集したものです
KEY TREND ≪ミニバン復権≫
家族ドライブ……その象徴であるミニバンの代表的モデルが揃ってモデルチェンジし、いずれも好調だ。世界的にSUV活況のなかでミニバンが依然人気なのは、日本特有の傾向と言える。
私がジャッジしました!
【エントリーNo.1】持ち前の強みを生かしながらすべてをアップデート
■ノア
■ヴォクシー
トヨタ
ノア/ヴォクシー
267万円〜396万円(税込)
トヨタのミドルクラスミニバンが8年ぶりにフルモデルチェンジ。広い室内空間や、より快適・便利に使える装備や進化した安全運転支援技術が人気を集めている。発売後4か月で両車合わせて約15万台を受注するほどの爆売れモデルに。
SPEC●【ノア ハイブリッドS-Z 2WD】●全長×全幅×全高:4695×1730×1895mm●車両重量:1670kg●パワーユニット:1797cc直列4気筒+モーター●最高出力:98PS(72kW)[95PS(70kW)]/5200rpm●最大トルク:14.5kg-m(142Nm)[18.9kg-m(185Nm)]/3600rpm●WLTCモード燃費:23.0km/L
●[ ]内はモーターの数値
【エントリーNo.2】デザインが激変し、見ても乗ってもやさしいクルマに
■ステップワゴン AIR
■ステップワゴン SPADA
ホンダ
ステップワゴン
299万8600円〜384万6700円(税込)
初代ステップワゴンが登場してから26年。4月にデビューした6代目は初代へのオマージュを込め、直線を生かしたクールなデザインに変化。AIRとSPADAの2ラインが用意され、外装をはじめインテリアの装備も異なっている。
SPEC●【e:HEV AIR】●全長×全幅×全高:4800×1750×1840mm●車両重量:1810kg●総排気量:1993cc●パワーユニット:直列4気筒DOHC+電気モーター●最高出力:145[184]PS/6200[5000〜6000]rpm●最大トルク:17.8[32.1]kg-m/3500[0〜2000]rpm●WLTCモード燃費:20.0km/L
●[ ]内はモーターの数値
見た目だけでなく作りもしっかり確認することが重要
人気の高いMクラスミニバンを代表する2台が今年、偶然にもほぼ同時期にモデルチェンジした。さらには日産の「セレナ」も、というウワサもあるが、まずはこの2台、色々と対照的で実に興味深い。
デザインテイストがまったく異なるのは見ての通りで、キープコンセプトのノア/ヴォクシーに対し、ステップワゴンはガラリと変わった。コワモテが好まれる時代に一石を投じるやさしい雰囲気に、共感する声も多いようだ。
一方の中身は、ステップワゴンがプラットフォームやパワートレーンをキャリーオーバーして大幅に“改良”したのに対し、ノア/ヴォクシーはTNGAの採用による“全面刷新”となる。両車ではハイブリッドの仕組みもまったく異なるが、ドライバビリティや燃費に優れる点では共通している。
ミニバンであれば車内の作りの違いも気になるところ。同じ3列シートを有する空間でも細かな装備や使い勝手は当然異なるため、それぞれ得意とする部分をチェックしてみるべきだろう。
購入検討の際は、買ってからどう使いたいのかを具体的にイメージしながら選んだほうが良い。