平均家賃は1か月3000ドル(約43万円※)なんてざら。全米でもトップクラスに家賃が高いことで知られるのが、サンフランシスコです。一般的な学生にとって、そんな街で暮らしていくことはかなり厳しいもの。
※1ドル=約144.7円で換算(2023年6月30日現在)
サンフランシスコにある大学院に進学したものの、家賃の節約のために、およそ600km離れたロサンゼルスから「飛行機で学校に通う」という荒技を使った一人の学生がいます。
ロサンゼルスのTV局、KTLAのインタビューに答えたのは、ビルと名乗るロサンゼルス在住の男性。ロサンゼルスは、地域にもよりますが、サンフランシスコに比べると家賃は低く、ビルも比較的余裕のある生活を送っているそうです。
しかし、サンフランシスコからクルマで30分ほどの場所にあるカリフォルニア大学バークレー校の工学修士課程に合格したことで、彼の生活は一変しました。
一般的には、進学先の学校の近くに引っ越すことを考えるはずですが、彼はサンフランシスコ周辺の家賃が高額であることと、大学院を卒業した後は再びロサンゼルスに戻る予定であることから、飛行機で通学することに決めたのです。
学校に通うビルの朝はこのようなスケジュールでした。
- 午前3時:起床
- 午前6時:ロサンゼルス国際空港発
- 午前8時30分:サンフランシスコ着、BART(鉄道)に乗車
- 午前10時:授業開始
ロサンゼルスの自宅に帰るのは夜中の12時近くになるそう。
片道4~5時間ほどかかる、無謀とも思えるこの方法。クラスメートや教授たちは、「きっと1週間で諦めるだろう」と思っていたそうですが、彼はこの方法で1年間、通学しきったのです。
ただし、気になるのが飛行機通学でかかる費用。ビルは詳細に費用をメモしており、それによると1年間の通学でかかった費用の合計は5592.66ドル(約81万円)。合計238回飛行機に乗り、9万2089マイルを飛行したそうです。
ビルが支払っていたロサンゼルスの家賃がいくらかは明らかにされていません。仮に1か月1500ドルを支払い、サンフランシスコでは3000ドルの家賃がかかるとした場合、サンフランシスコに引っ越すと、家賃だけで年間1万8000ドル(約260万円)も多く払うことになります。ビルがかかった通学費用と比べると、確かに“節約”になっていると言えるようです。
インタビューで「同じことをもう一度やる?」と聞かれたら、「Yes」と答えたビル。「人生のなかでも、おそらく最もクレイジーなことの一つだったと思う」と答えています。
【主な参考記事】
KTLA. California grad student commutes to class by plane to save on rent. June 29 2023