グルメ
2018/8/9 6:00

パンのおいしい香りは「パンの耳」から出ていた!――『パンの科学』

トーストの化学反応

パンは時間の経過とともに、含有水分の蒸発、デンプンの老化、グルテンの硬化などによって硬くなり、パサパサ、ボソボソとした食感になり、食べづらくなります。

(『パンの科学』から引用)

 

トーストを科学的に述べるならば、再加熱による新たな化学反応です。本書『パンの科学』では、トーストの始まりから終わりまでを、わかりやすく解説しています。

 

【トーストの4段階変化】
加熱。芯温60〜70℃。デンプンが再度アルファ化する。

グルテンが軟化。クラムがやわからくなる。

表面温度150〜160℃。メイラード反応。香気が生じる。

表面温度190〜220℃。キャラメル化。ほどよい焦げ目。

カリッ サクッ ( ゚Д゚) ウマー

 

ところで、食パンは「山型」と「角型」のどちらが好きですか? 違いを説明できますか? 本書『パンの科学』には、「パンの焼成方法」にまつわる解説もあります。「直焼き」「プレート焼き」「型焼き」の3種類があって、食パンは「型焼き」によって焼成されたものです。型の違いによって、クラストの色や香り、クラムの食感までが変わることを理解できます。

 

 

ブルーバックスの製パン入門書

本書『パンの科学』の著者・吉野精一さんは、製パンの専門家です。およそ20年間にわたって辻製菓専門学校で製パンを教えています。「パンのうんちく」だけにとどまらず、詳細な化学式などもまじえて、一歩踏み込んだ「製パンの入門書」に仕上がっています。


【もくじ】
第1章 パンの基礎知識
第2章 パンの科学史
第3章 パンの材料を科学する
・四つの主役
小麦粉/イースト/塩/水
・四つの脇役
糖類/油脂/卵/乳製品
第4章 パン製法の科学
第5章 パン作りのメカニズム
第6章 パンの「美味しさ」を生む科学
第7章 パンのよもやま話
第8章 種類豊かな欧米のパン

(『パンの科学』から引用)

 

自家製パンに興味がある、ベーカリーショップで脱サラ・起業したい、将来はパン職人になりたい中学生や高校生など。ポケットサイズで手ごろな価格の入門書です。お試しください。

 

【書籍紹介】

パンの科学 しあわせな香りと食感の秘密

著者:吉野精一
発行:講談社

ふっくら、もちもち、パリパリ……パンといってもさまざまな食感、形状のものがありますが、そのパンの特徴を活かして美味しく焼くには、科学の力が欠かせません。生地をこね、寝かせ、叩き、形を整えて焼く、どの工程にも、科学的に重要な意味があります。また、焼き上がったパンをより美味しく食べるにも、科学の知識がポイントに! 本書はパンを食べるのが好きな人のための、よりパンを美味しく食べるための1冊です。

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