グルメ
2022/8/7 12:50

米化の次は? イメージを覆すおいしさとバリエーション! お餅からスイーツ、ピザまで、 「オートミール」の進化系レシピ3

栄養価が高く、栄養補給やダイエットを目的に取り入れる人が増えているオートミール。2021年から爆発的に大ヒットし、今やスーパーでもすっかりお馴染みになりました。前回紹介した“米化”や、“オーバーナイトオーツ”は、今では一般的な食べ方に。そこで今回は、オートミールを使った“進化系レシピ”を紹介します。レシピは『カラダにやさしいオートミールの朝食とおやつ』の著者でもある、料理家の星野奈々子さんに考案していただきました。

 

オートミールはインスタントタイプが便利

今回使用するオートミールは、加工されたインスタントタイプ。オーツ麦の籾殻(もみがら)を取り除いて細かく粉砕しています。

 

「インスタントタイプは水分のなじみがよく、調理しやすいのが特徴です。他にもザクザクした食感のロールドオーツや、もう少し粗くカットしているクイックオーツなどがあります。クッキーやグラノーラなど食感を活かしたいときには、こちらもおすすめです」(料理家・星野奈々子さん、以下同)

 

この手軽なインスタントタイプのオートミールを使って、米化の次に定番となりそうな“進化系オートミールレシピ”を3点、紹介していただきましょう。

 

米化の次に来るのは“餅化”!「オートミールきなこ餅」

オートミールの米化が流行し、その後浮上したアイデアは、“餅化”! オートミールに水を加えて1分レンチンするだけでできるお餅に、きなこと黒蜜をかけていただきます。

「食感はまさにお餅です。かなりもっちりとしているので、オートミールだとはわからないかもしれませんね。生地自体には味をつけず、きな粉と黒蜜を加えましたが、醤油+海苔でいそべ餅のようにしてもいいですし、あんこを絡めてもおいしいですよ」

 

【材料(2人分)】

・オートミール……30g
・水……60ml
・てんさい糖(餅用)……小さじ1
・きなこ……大さじ4
・てんさい糖(きなこ用)……大さじ2
・黒みつ……適量

 

【作り方】

1.耐熱ボウルにオートミールと水、てんさい糖を入れ、ゴムベラで混ぜる。

オートミールが水を吸いやすいよう、全体に水分を行き渡らせるように混ぜます。

 

2.ラップをかけて電子レンジ(600W)で1分加熱する。粘りが出てくるまでゴムベラでよく混ぜ合わせる。

熱々のうちによく混ぜると、だんだんお餅のようになっていきます。

 

3.食べやすい大きさに丸め、きな粉とてんさい糖を混ぜたものをまぶす。好みで黒みつをかける。

深いお皿できな粉とてんさい糖を混ぜたら、そのなかに生地を入れ、コロコロときな粉をまとわせます。

 

続いて紹介していただくのは、オートミールを使ったやさしい甘さのスイーツ。

 

もっちりと自然な甘さの「さつまいもとオートミールのプディング」

加熱したさつまいもとオートミールを、ミキサーで混ぜて冷やし固めるデザートです。さつまいもの甘い香りと、オートミールのもちもちした食感を楽しめます。

 

「さつまいもの他に、かぼちゃで作ったり、野菜を入れずオートミールだけで作ることもできます。しっかりした食感で型からも外れやすいので、いろいろな型で作るのも楽しめそうですね」

 

【材料(プリン型2個分)】

・さつまいも……100g(正味)
・オートミール……20g
・牛乳……200ml
・てんさい糖……20g

 

【作り方】

1.さつまいもは皮をむいて1cmの輪切りにし、水にさらして水気をきる。

ミキサーにかけやすい大きさであれば、どんな形でも大丈夫です。薄く切った方が、火の通りがよいので、厚みに気をつけましょう。

 

竹串がスッと入るくらいに柔らかくなっていれば大丈夫。

 

3.ミキサーにすべての材料を入れて、なめらかになるまで撹拌する。

さつまいもの形がなくなるまでしっかり攪拌します。

 

4.生地を鍋に入れて中火にかけ、ゴムベラで混ぜながらとろみがつくまで2~3分加熱する。

水分が飛んで、生地にもったりとした重さが出てきたら火を止めます。くっつきやすいので、テフロン加工されたフライパンで行いましょう。

 

5.容器に流し入れ、粗熱がとれたらラップをかけて冷蔵庫で2時間ほど冷やし固める。

ホットケーキミックスよりもやや硬めの生地に仕上がります。

 

冷やすとかなりしっかり固まるので、デコレーションや器選びも楽しめそうですね。

 

最後はピザ。焼き加減で、ピザらしいカリカリ食感も再現しています

 

カリッともちっと生地が香ばしい「オートミールピッツァ(ビスマルク)」

オートミールで作ったもちもちの生地に、モッツァレラチーズや生ハムをのせて。端がカリカリになるように焼くと、よりピザらしさが味わえます。

 

「トッピングはなんでも、お好みのもので作ってみてください。おいしく焼くコツは、油をひいて生地を薄く伸ばしてから火をつけること。加熱をはじめるとすぐに硬くなってきてしまうので、この薄さでいいなと思ったところで点火してください。薄く焼いた方がクリスピーにはなりますが、ひっくり返すときに大変なので、ほどよいサイズにしておきましょう」

 

【材料(2人分)】

・オートミール……30g
・米粉……大さじ1
・塩……少々
・水……120ml
・ピザソース(またはケチャップ)……30g
・モッツァレラチーズ……60g
・生ハム……3枚
・温泉卵……1個
・黒こしょう……少々
・油……適量

 

【作り方】

1.耐熱ボウルにオートミールと米粉、塩、水を入れてゴムベラでよく混ぜ合わせ、ラップをかけて電子レンジ(600W)で1分加熱する。

少し水分の多い柔らかい生地ですが、加熱していくにつれて弾力が出てまとまってくるので、シャバシャバした状態でレンジに入れます。

 

2.フライパンに薄く油をのばしたら、生地を広げる。

レンチン後の生地は、もったりとしています。くっつきやすいので、油をヘラにつけながら広げていきましょう。

 

3.中火で焼き色がつくまで3分ほど焼いたら、裏返す。

崩れないようにフライ返しをしっかり差し入れて返しましょう。

 

4.返したらいったん火を止めてピザソースを塗り、ちぎったモッツァレラチーズをのせる。

どんどん焦げていってしまうので、いったん火を止めるのを忘れずに!

 

5.再び中火にかけ、ふたをしてチーズが溶けるまでさらに3分ほど焼く。

チーズが溶けたら出来上がりの頃合いです。

 

6.ちぎった生ハム、温泉卵をのせ、黒こしょうをふる。

モッツァレラチーズはピザ用チーズでも代用できます。また、米粉は小麦粉や片栗粉でもおいしくできます。

 

どれも「オートミールとは思えない!」とびっくりする味、食感なのに、少ない材料で手軽にできるレシピばかり。オートミールをそのまま食べるのにそろそろ飽きてきたら、ぜひこの進化系レシピを試してみてください。

 

【プロフィール】

料理家 / 星野奈々子

IBM JapanにてITエンジニア、マーケティングを担当し、会社員として働きながら数多くの料理学校・料理教室に通う。退社後にフードコーディネーターとして独立、現在は企業のレシピ開発を中心にレシピ本も多数出版している。近著に『カラダにやさしいオートミールの朝食とおやつ』(PARCO出版)がある。

 

『カラダにやさしいオートミールの朝食とおやつ』(PARCO出版)