矢吹奈子「IZ*ONE以来だったので懐かしく感じつつ、でもひとりだとこんなに大変なんだと実感」

ink_pen 2026/10/3
  • X
  • Facebook
  • LINE
矢吹奈子「IZ*ONE以来だったので懐かしく感じつつ、でもひとりだとこんなに大変なんだと実感」
GetNavi web編集部
げっとなびうぇぶへんしゅうぶ
GetNavi web編集部

モノ好きの「買いもの」をナビゲートするウェブメディア。生活家電、AV家電、デジタルガジェットなど、最新の電化製品情報を幅広く網羅するほか、モビリティ・ヘルスケア・日用品・機能性アパレル・食品など、暮らしや家時間を快適にするちょっと“贅沢”なモノをピックアップ。読者の「欲しい」に対する「買う」「買わない」の選択を、強力にサポートします。

9月25日公開の韓国発のアニメーション映画「縁の手紙」で矢吹奈子さんが主人公・ソリの声を担当している。今作では日本語主題歌の歌唱と訳詞にも挑戦している矢吹さん。IZ*ONEのメンバーとして韓国で活動したことで韓国語も堪能になった矢吹さんならではの興味深いアフレコエピソードをお話してくれた。

矢吹奈子●やぶき・なこ…2001年6月18日生まれ。東京都出身。子役時代を経て、2013年にHKT48でデビュー。2018年からは日韓合同グループIZ*ONEのメンバーとして世界的に活躍。2023年のHKT48卒業後は俳優に転身。主な出演作にドラマ『御上先生』『サレタ側の復讐~同盟を結んだ妻たち~』『ターミネーターと恋しちゃったら』、ドラマ&映画『君がトクベツ』などがある。公式HP/Instagram/X

【矢吹奈子さん撮り下ろし写真】

やりたかった声優の仕事。韓国のアニメ映画で実現に縁を感じた

――「縁の手紙」は韓国発のアニメーション映画です。吹替版の主人公・ソリの声を担当することが決まったときの心境はいかがでしたか?

 

矢吹 韓国でグループ活動をしていたこともあるので、もともとやりたいと思っていた声優のお仕事を韓国のアニメーション映画で挑戦することができて、縁を感じました。 

 

――初めての声のお仕事ということで、前もって準備はされたのでしょうか?

 

矢吹 アフレコ収録の1か月ぐらい前に一度練習に行きました。アップと引きの画では、演じるキャラクターの声の大きさが結構変わることを聞いて、まずはその距離感を教えてもらうところから始まりました。その上で相手に声を掛ける場面では、ちゃんと相手に届く大きさでしゃべるといった、基礎的なことを学んでから収録に入りました。

 

――実際に声だけのお芝居をやってみてどうでしたか?

 

矢吹 難しいと思いました。映像は表情ありきのお芝居をしているので、自分の声だけに集中していると、声からは感情が見えないなって感じるんです。その声に感情をのせるお芝居に意外と体力を使いました。

 

――韓国語のオリジナル版をご覧になってからアフレコしたと思いますが、矢吹さんは韓国語を理解できるのでセリフも入ってきやすかったのでは?

 

矢吹 アフレコの前に韓国語のオリジナル版を観て、収録でも韓国語を聞きながらアフレコしました。言葉の意味がわかるので、収録中に聞いている韓国語のセリフに日本語で返しても違和感がなくて、私にとってはやりやすかったです。

 

――韓国語と日本語では単語の長さが違うので、オリジナルのセリフの尺に合わせるのが難しくなかったですか?

 

矢吹 韓国語は「私」も「あなた」も一文字なので、確かにその難しさはありました。でも吹替版の脚本でそこは調節してくださっていたので、やりやすかったです。それでも何回か録り直した部分もあり、そこは映像を見ながら「ここで1回区切ろうか」みたいな感じで音響監督さんと話し合いながら進めていくことができて助かりました。

 

――ソリの声に関しては、音響監督や監督さんから「こうしてほしい」といったリクエストはありましたか?

 

矢吹 最初に音響監督さんに「『ソリを矢吹奈子ちゃんがやっていたの?』って、最後に思ってもらえるのが一番良い」と言われました。吹替版の声優が私だと気づかれないのが一番いいのかな、声を作って変えた方がいいのかなと思ったんですね。なので、練習のときにちょっと鼻に掛けた普段より高めの声を出したりしましたが、音響監督さんに「素の方がいい」と言われて(笑)。声を作ろうとし過ぎるのも違うんだなと思いました。作り過ぎると感情も見えづらくなるので、最初は声を変えよう、作ろうと思ったけど、そのイメージを取っ払って、感情を出せるようにと意識してソリを演じました。

 

――声の表現は吐息や息づかいなど、声にならない声を出すのが難しいとも聞きますが。

 

矢吹 私はまず、アニメのアフレコ台本を見るのが初めてで……。

 

――そういえば、吐息や息づかいって台本上はどう表現されているのですか?

 

矢吹「ん……」とか「あ……」とか(笑)。台本にそれがいっぱい並んでいるところは、声色を変えてやらなきゃいけないのかな、難しいなって思いました。実は私のアフレコの前に、ドンスン役の小野賢章さんの収録を見せてもらいました。私が見学したシーンの小野さんは息多めで走るシーンを演じていらっしゃって。それを見て「なんで動いてないのに本当に走っているような声が出せるの!?」って、すごく不思議に思いました。でもたまに映像のお芝居と同じように動くときがあって。それを見て動きながら収録してもいいんだと知り、ソリが走るシーンは、足の音が鳴らないぐらいに足踏みしながら収録しました。

 

――小野さんの収録はそのシーンだけをご覧になったのですか?

 

矢吹 楽しくて全部見ちゃいました(笑)。とても新鮮でした。以前からアフレコ現場の映像を見るのが好きでしたが、実際に見ると「わ〜、息遣いは台本通りじゃなくてもいいんだ!」と思うこともありました。秒数が書いてあるけど、映像に合わせて息を入れたり、韓国語のオリジナル版ではなかったところにも息を入れるんだって気づいたり、勉強になりました。

 

――では役柄についてお聞かせください。声を担当したソリというキャラはどんな女の子だと思いましたか?

 

矢吹 ソリは友だちをかばったことでいじめの標的になり、田舎に引っ越して不安を抱えながら新しい学校に通い始めます。そして机の中に入っていた手紙を見つけて、次々と新しい発見をして友だちもできるんです。そのときのワクワクしている感じは自分に似ているなと思いました。私は新しい環境に行くとすごく楽しくなるので。でもソリの「自分が正しいと思ったことをしっかり伝えたい」という意欲は、私にはない強さだと思いました。そんな感じで時に客観視しながら、ソリって本当に素敵な子だなと思って、彼女に寄り添うような気持ちで演じていた部分はありました。

 

――ソリの役柄やお芝居に関して、監督をはじめ制作側の皆さんとはどんな話をされましたか?

 

矢吹 最初は不安を抱えて新しい学校に来るけれど、手紙を見つけながらどんどん明るくなっていく部分は、声に出して表現できるようにということで頑張りました。

 

――ソリたちの友情についてはどう感じました?

 

矢吹 手紙で繋がっていく縁があるって素敵だなって思いました。今はSNSの時代で、既読スルーという言葉もあるじゃないですか。すぐに返事しないことを今はマイナスに捉えがちだけど、手紙は読んだ後に書いた人のことを考える時間があるのも素敵だよなって。返事を待っている時間もワクワクするし、SNSじゃなくて手紙だからこそ、どこか温かい部分があるなって感じられました。

ファンの皆さんからの手紙で力づけられて、それが勇気となって頑張れる!

――矢吹さんは手紙にまつわる思い出はありますか?

 

矢吹 私はファンレターをいただくので、その思い出があります。もちろんケータイで見ることができる反響やメッセージもうれしいです。ただ直筆で書かれた手紙からは感情がより伝わってくる気がして。お手紙をいただくのはうれしくてファイリングしています。

 

――確かに直筆の手紙は、文章や文字の感じから書いた人の人となりがわかる気がします。

 

矢吹 そうですよね(笑)。「うわ、達筆!」とか「急いで書いてくれたのかな、かわいい!」ってなったりします。

 

――小さい子の手紙とかかわいいですもんね。

 

矢吹 そう、本当にかわいいです。“と”が逆だったりして。まだ“と”が書けないんだって微笑ましく思ったりして(笑)。書いた人の感情が伝わってくるので手紙は好きですね。

 

――ファンレターは全部とってあるのですか?

 

矢吹 とってあります! ただファイリングを始めたのが2年ぐらい前で。その前にいただいたファンレターは取り出して読み返して、「これいつのだ?」って仕分けをして、だいだい時系列で分けました。

 

――すごい! どんなファンレターをもらうとうれしいですか?

 

矢吹 どんな手紙もうれしいです。でも「おかげで頑張れています」みたいな文章は本当に強い力があります。私もファンの皆さんからいただく手紙によって力づけられて、それが勇気になって頑張れているんです。逆にそういうお手紙をいただくと、私も皆さんの力になれていることが伝わるので、本当に少しだけど恩返しができているのかなって感じられるから。なので、ファンの方からのお手紙は毎回とてもうれしいです。

 

――逆に矢吹さんが書いた手紙の思い出はありますか?

 

矢吹 韓国で活動していた頃、家族にクリスマスカードを書きました。ずっと一緒に住んでいたから、改まってプレゼントや手紙を渡したことがなくて。私が韓国に行って家族と離ればなれになり、手紙を渡したいと思った記憶があります。母がとても喜んでくれました。

 

――吹替版の主題歌「Your Letter – Japanese Ver.」も歌っていらっしゃいます。それも“初”ですよね。

 

矢吹 主題歌を歌うのは初めてです。初めて自分が歌う主題歌を聴いたときは、これが劇場の大きいスクリーンで流れるんだと思うとすごく不思議な気持ちになりました。韓国版では、やはりソリの声を担当したAKMUのイ・スヒョンさんが歌っていらして、その歌声がとても素敵なんです。日本語吹替版では、スヒョンさんとはまた違う私の声で主題歌が流れる思うと不思議だけどうれしいです。

 

――どんな曲ですか?

 

矢吹「Your Letter – Japanese Ver.」は、映画の約2時間の物語をぎゅっと詰め込んだような曲になっていると思います。だから曲もひとつの作品だなって。

 

――レコーディングはいかがでした?

 

矢吹 韓国でレコーディングしました。IZ*ONE以来だったので懐かしく感じたりしつつ、ひとりで1曲を歌うは初めてだったで、こんなに大変なんだと驚きました。グループ活動をしていた頃はパート割りがあったのですが、ひとりで1曲全てを歌うと、同じサビでも歌い方が違ったりして、私も「ここ裏声にしていいですか」と聞きながらレコーディングしていきました。

 

――どんなディレクションがあったのでしょうか。

 

矢吹 韓国は作曲家の方がディレクションするんですね。今回は歌詞を日本語にしたときに、日本語だとちょっと文字数が増えるので、そういう部分をどうするか話し合ったりしました。韓国のディレクションをしてくださる方は、日本語をわからずに聞いているから、「この音をなくしたい」って希望を出してくることもあって。その要望を聞いて、日本語だとどうしたらいいか考えながら、ときに歌詞を少し変えたりして歌っていきました。

 

――そういうディスカッションも矢吹さんが韓国語がわかるから成り立つものですよね。

 

矢吹 そうですね。その場ではじっくり訳詞を作る時間がないから、お互い韓国語でポンポン言い合えるし、スムーズに進めることができたと思います。

 

――もともと韓国語の歌詞だった曲を日本語で歌うのは難しいのでしょうか?

 

矢吹 歌うことよりも訳詞の方が難しかったです。

 

――今回は他アーティストの訳詞に初挑戦していらっしゃいます。

 

矢吹 日本語に直訳すると元の韓国語よりもすごく長くなって、そのまま歌詞にすると曲からはみ出る部分が多くなります。「Your Letter」は、せっかく「縁の手紙」という作品の2時間弱の物語が詰まった曲になっているのに、日本語にしたことでたくさんの言葉が抜け落ちてしまったらイヤだなって思いました。なので、作中に出て来る細かいワードを歌詞にちりばめながら、大事な部分を絶対になくさないように考えていくのが難しかったです。

 

――声優、主題歌と初挑戦が多い作品となりましたが、韓国で活動していた時期があるからこその縁で繋がった作品とも言えるかもしれないですね。

 

矢吹 そう思います。韓国でのレコーディング前日に、IZ*ONEのメンバー7人ぐらいで集まることができて、韓国のアニメーション映画に携わることになったと報告しました。みんな「楽しみ! 奈子の声はこの主題歌に合いそうだね」と言ってくれてうれしかったです。

 

(C)2025 LOTTE ENTERTAINMENT & STUDIO LICO & STUDIO N All Rights Reserved.

縁の手紙

9月25日より新宿バルト9ほか全国公開中

(STAFF&CAST)
監督:キム・ヨンファン
原作:チョ・ヒョナ『縁の手紙』(LINEマンガ)
日本語吹替版主題歌:矢吹奈子「Your Letter-Japanese Ver.」

声の出演:矢吹奈子、小野賢章、梅田修一朗ほか

(STORY)
友人をかばったことでいじめの標的となり、田舎の学校へ転校することになったソリ(矢吹)。ある日、机の中から不思議な手紙を見つける。そこには、新しい学校で過ごすためのヒントとともに、「続きを探してみて」とメッセージが。その言葉に導かれて出会った同級生のドンスン(小野)とともに手紙の続きを探すことに。

【映画「縁の手紙」よりシーン写真】

(C)2025 LOTTE ENTERTAINMENT & STUDIO LICO & STUDIO N All Rights Reserved.

 

撮影/映美 取材・文/佐久間裕子 ヘアメイク/舩戸美咲 スタイリスト/山科美花 衣装協力/vivid market、Mai’a madestore


Related Articles

関連記事

もっと知りたい!に応える記事
Special Tie-up

注目記事

作り手のモノ語りをGetNavi流で