家電
2019/1/11 18:30

アイリスオーヤマのドラム式洗濯機、「乾燥機能がない」って? 悔しいけど、実物を見たら「ナシもアリ」だと感じてしまった

アイリスオーヤマは、2009年に家電事業に参入して以来、「なるほど家電」をモットーに、思わずうなずくプラスワン機能を持つ製品や、お買い得感の高い製品を発売して業界の風雲児となっています。そんな同社は、2017年のルームエアコンに続く大型家電として、2018年の12月、ついに同社初のドラム式洗濯機を投入しました。それが洗濯容量7.5kgの「ドラム式洗濯機 HD71」(14万8000円・税抜)です。

↑ドラム式洗濯機 HD71 ●サイズ/質量:W595×D672×H860mm/約66kg ●定格容量:洗濯7.5kg ●運転音:洗濯時約41dB/脱水時約48dB

 

いったいどんな「なるほど」が用意されているのか…と思いきや、「ドラム式洗濯機なのに、乾燥機能がない」とのこと。思わず「ええっ!?」と耳を疑いました。なぜなら、ドラム式の大きなウリといえば、衣類が固まりにくく、風で舞わせながら効率的に乾燥できること。それを省略した製品とは一体……。というわけで、この冬、アイリスオーヤマが東京支社を浜松町に移転したこともあり、新社屋の見学を兼ねて、実物を見てきました!

 

幅595mmのコンパクトなサイズに注目

まず、HD71は本体のコンパクトさに注目。排水ホースを後ろから出すタイプで、総外形寸法における横幅は595mm。幅と奥行きが595×595mm以上の防水パンに設置可能となっています。

 

本機に限らず、ドラム式洗濯機は、洗濯機の前にあまりスペースがない環境だと、きちんと扉が開けるか注意が必要です。扉の径は470mmで、開いたときに洗濯機の奥から1112mmのところまで届きます。また、ラインアップは左開きのみなので、洗濯機のすぐ右に壁が来るレイアウトには向いていません。

↑扉を開けたHD71

 

「温水洗浄」で汚れを抑え、「部屋干しコース」で衣類が乾く時間を短縮

HD71には、「なるほど」と感じる機能があります。それが「温水洗浄」機能。専用の温水ヒーターを搭載し、洗い温度を常温、20、30、40、60℃から選んで温水で洗濯できます。60℃の温水には除菌効果もあり、洗剤の洗浄効果を最大限まで引き出して、汚れもニオイの原因菌もすっきり洗い落とします。

 

また、40℃の温水につけ置き30分を加えることで、繊維の奥に染み込んで酸化した皮脂汚れ(黄ばみ)も溶かして落とすことが可能。白いシャツの襟元や袖口が黄ばんだり、黒ずんだりする、あの不快な汚れが気にならなくなるわけですね。

 

すすぎを50℃と40℃から選ぶ「部屋干しコース」も搭載。最後のすすぎが温水なので、衣類が温かいまま仕上がるため、乾燥するまでの時間が通常の約3分の2に短縮されます。早く乾くということは、部屋干し臭も出づらくなるということ。これはいいことづくめですね!

↑本体前面上部にダイヤルと操作パネルが用意されています

 

操作はダイヤルでコースを選択し、好みの調整もカンタン

操作は上部のダイヤルとボタンで操作します。まずはダイヤルで「標準」「大物(布団・毛布)」「手洗い」「羽毛(ダウン)」といった14コースのなかから選択。右のパネルの「洗い時間」「すすぎ回数」などのボタンにタッチして、洗う時間だけ長くしたり、すすぎ回数を増やしたりといった調整も可能です。同じ設定を使うことが多い場合は「おこのみ設定」に登録し、ボタン一発で呼び出すこともできます。

↑操作パネルは左側と下の一列がボタンになっています。下の一列のボタンで「洗い時間」「すすぎ回数」「洗い温度」「脱水時間」など、コースのカスタマイズも自由自在

 

「乾燥機能ナシもアリ」と気づかせてくれるモデル

こうして実際に製品を見てみると、ドラム式といえど「乾燥機能なしでもいいんじゃないか」と思うようになりました。ドラム式洗濯機を使っていても、乾燥時間が長すぎて(うるさくて)、あるいは電気代が思ったよりも高くて、結局乾燥機能を使わなくなった方もいると聞きます。それならば、高い節水性や「洗濯機の上」が使えるなど、タテ型にはないメリットがあるわけだから、乾燥機能を省くのもアリなんじゃないかと。加えて、本機の「温水洗浄」とコンパクトさ、15万円を切る価格を考えると、十分な価値があると思うのです。そこを気づかせてくれるあたり、さすがは「なるほど家電」と謳うだけのことはありますね。

 

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