GW前に抑えておきたい! 最新モバイルバッテリー事情&選び方

ink_pen 2026/4/27
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GW前に抑えておきたい! 最新モバイルバッテリー事情&選び方
小川秀樹
おがわひでき
小川秀樹

編集プロダクションで編集・ライターとしてのキャリアをスタート。ビジネス、旅行、スマホ関連、著名人インタビュー記事などを幅広く制作してきました。趣味は国内外の旅行。特に東南アジアの文化を好み、タイとミャンマーには3年間の在住経験があります。

なにかとスマホを使うことが多い旅行先で、モバイルバッテリーは欠かせない存在です。一方で発火事故が後を絶たず、航空機内での持ち込みや使用ルールの変更も行われるなど、モバイルバッテリーを取り巻く状況は日々変化しています。

そこで本記事では、楽しい連休を台無しにしないために知っておきたい機内の新ルールを解説するとともに、最新技術で安全性を高めたモバイルバッテリーを紹介します。

旅行前に要チェック! モバイルバッテリー機内持ち込みルールが変更

ゴールデンウィークを控えた2026年4月24日から、モバイルバッテリーの機内持ち込みに新たなルールが適用されます。従来の「預入(受託)手荷物には入れない」「収納棚に入れない」「ショートを防ぐ対策をする」などのルールに加え、以下3つが追加されました。

・持ち込みのモバイルバッテリーは2個まで(160Wh以下に限る)
・機内でモバイルバッテリーへの充電をしない
・機内でモバイルバッテリーから他の電子機器への充電をしない

このうち少しわかりにくいのが「Wh(ワットアワー)」です。これは「ワット時定格量」と呼ばれるもので、バッテリーに蓄えられる電気の総量の単位です。

モバイルバッテリーのスペック表には容量を示す単位として「mAh(ミリアンペアアワー)」がよく使われますが、航空ルールでは「Wh」が基準となります。

スペック表を見ると「Wh」を見つけることができますが、見つからない場合は以下の計算式で算出することができます。

ワット時定格量(Wh)=定格容量(mAh)×定格電圧(V)÷1000

このうち、Vは平均して「3.7V」程度と考えれば良いでしょう。これを最も普及している10,000mAhのバッテリーに当てはめると、結果は約37Wh。20,000mAhの大容量モデルでも約74Whとなります。

つまり、一般的なモバイルバッテリーで制限の160Whを超えるものはほとんどありません。ポータブル電源のような特殊なサイズでない限り、「容量オーバーで持ち込めない」という事態はまず起こらないと考えてよいでしょう。

むしろ、今回のルール変更で注意すべきは容量よりも「個数」と「使い方」です。「一人2個まで」という制限が厳格化されたこと、そして「機内での使用(充電・給電)が禁止」されたこと。この2点をしっかり押さえておくことが、スムーズな旅の秘訣となります。

なお、カメラやノートPCの予備バッテリーも個数制限に引っかかるケースがあるので、ガジェットを複数持ち歩く人は、国土交通省の「モバイルバッテリーの機内持込みの新たなルールについて ~4月24日から新たなルールを適用します~」から詳細をチェックしてください。

また、航空会社によってはより厳しいルールを設定していることもあるので、あわせて確認することをおすすめします。

安全性を高めたモバイルバッテリーが次々登場

今回のルール変更の背景には、モバイルバッテリーによる発火事故の増加があります。こうした状況を受けてメーカー側の対策も進んでおり、新技術を用いた安全性の高い製品が次々と登場しています。

モバイルバッテリーの安全性を高める新技術について解説する前に、「なぜ従来のモバイルバッテリーが発火事故に繋がるのか」をおさらいしておきましょう。

↑リチウムイオンバッテリーの内部イメージ。

2026年現在、もっとも多く流通している一般的なモバイルバッテリーは「リチウムイオンバッテリー」と呼ばれるものです。この電池の内部には正極と負極があり、充電と放電の過程でリチウムイオンが両極を行き来しています。

この際、イオンが通る道となるのが「液体電解質」と呼ばれる可燃性の液体です。

両極の間には「セパレーター」という仕切りがありますが、衝撃などによりこの仕切りが破れてショートが起きると、内部で熱が発生します。それにより液体電解質が発火して激しく燃え上がる、というのが主なリチウムイオンバッテリーの発火原因です。

もちろんリチウムイオンバッテリーすべてが危険というわけではありませんが、構造上のリクスに加え、粗悪な製品を使うことや、落下の衝撃、著しい高温などが発火の可能性を高めてしまいます。

これに対して、各メーカーは以下のような新技術のモバイルバッテリーを投入し、安全性の向上を図っています。

・全固体モバイルバッテリー
イオンの通り道となる電解質を液体から固体に変更したものです。固体電解質は難燃性のため安全性が向上していますが、重量があることや高額であること、製品の選択肢が少ないなどのデメリットもあります。

・半固体(準固体)モバイルバッテリー
ゲル状の電解質を採用したバッテリーです。液体と固体のいいところどりをした製品で、液体よりは燃えにくく、固体よりは重量が軽くて価格も控えめなどのメリットがあります。なお、メーカーによって半固体や準固体など呼び方が異なります。

・リン酸鉄モバイルバッテリー
こちらは電解質ではなく「正極」をリン酸鉄という素材に変更したものです。この素材は万が一内部でショートが起きても燃え広がりにくいのが特徴。また、充放電を繰り返しても劣化しにくく、長持ちしやすいというメリットも挙げられます。

・ナトリウムイオンモバイルバッテリー
リチウムの代わりに、塩の主成分であるナトリウムをイオンの運び屋にした次世代電池です。最大の特徴は温度変化に強いこと。氷点下から酷暑まであらゆる環境で動作可能です。また、内部で発熱が起きても熱暴走がしにくい構造であることも強みです。

GWに持ち歩きたい容量別おすすめモバイルバッテリー

これまで解説してきたことを踏まえて、GWに持ち歩きたいモバイルバッテリーを容量別にピックアップしました。

<小型(5000mAhクラス):一般的なスマホ1回充電程度>

・ラスタバナナ リン酸鉄リチウム電池モバイルバッテリー

↑充電コード(USB-A to Type-C)が1本付属する。入力と出力でType-Cポートが分かれている珍しい設計。
項目スペック
バッテリータイプリン酸鉄リチウムイオンバッテリー
容量5000mAh(16Wh)
最大出力最大10W
ポート構成USB-Cポート×2 ( 出力×1、入力×1 ) 、 USB-Aポート×2
サイズ / 重量約120g / 約W92.5×H63.8×D13.7mm

スマホケースなどで有名なラスタバナナの製品で、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーが採用されています。

通常よりも安全性が高い製品ながら、価格は2,790円と手頃なことも魅力。また、一般的なリチウムイオンバッテリー(5000mAhクラス)と同等の約120gと軽量であることも特徴と言えます。

一方で最大出力が最大10Wと、最近のモバイルバッテリーにしてはかなり控えめなことは要注意。急速充電を求める人には不向きですが、最大出力が低い分、より安全性は高まっているという利点も存在します。

・UGREEN Built-In USB-Cコネクター モバイルバッテリー 5000mAh 22.5W

↑小型軽量かつケーブルレス。さらにスマホスタンド機能も持つ便利な一台。
項目スペック
バッテリータイプリチウムイオンバッテリー
容量5000mAh(18Wh)
最大出力最大22.5W
ポート構成内蔵USB-Cコネクター、 USB-Cポート(入出力兼用)
サイズ / 重量約112g / 約W79×H38×D26mm

USB Type-Cコネクター内蔵のモバイルバッテリーです。スマホをケーブルレスで充電できることに加え、別途入出力兼用のType-Cポートもあるので、スマホとワイヤレスイヤホンなどの同時充電も可能です。

112gと小型軽量、最大22.5Wの急速充電にも対応しており、性能面では非常に優秀な一台といえます。

一方、通常のリチウムイオンバッテリーなので、衝撃や熱に対する一層の注意が必要であることは覚えておきましょう。

<中型(10,000mAhクラス):一般的なスマホ約2回充電程度>
・エレコム ナトリウムイオン電池モバイルバッテリー DE-C55L-9000

↑ブラックに加えてライトグレーもラインナップ。サイズは大きくずっしりとした重さ。
項目スペック
バッテリータイプナトリウムイオンバッテリー
容量9,000mAh(27.0Wh)
最大出力最大45W(USB PD対応)
ポート構成USB-C×1(入出力兼用)、 USB-A×1
サイズ / 重量約W87×H31×D106mm / 約350g

世界初となるナトリウムイオンバッテリーを採用した、エレコムの意欲作です。

特筆すべきはマイナス35度から50度までという動作温度範囲。一般的なバッテリーが動作しないような極寒の地でもスマホを充電できるため、冬のレジャーなどに最適です。他にも、発火リスクが低いことや約5,000回のサイクル寿命、環境負荷が少ないことなど、多くのメリットを有する一台です。

同サイズのリチウムイオンモバイルバッテリーと比較すると一回り大きく、重量は約350gと重いことがデメリット。また実売価格が約7,000円とやや高額なこともチェックポイントです。

・MOTTERU 準固体モバイルバッテリー 10,000mAh MOT-MBSS10002

↑ストラップ付きのUSB-Cケーブルが付属。電池残量表示のディスプレイも便利だ。
項目スペック
バッテリータイプ準固体リチウムイオンポリマー電池
容量10,000mAh(38.5Wh)
最大出力最大30W(USB PD対応)
ポート構成USB-C×1(入出力兼用)、 USB-A×1
サイズ / 重量約W69×D19×H120mm / 約208g

安全性の高い次世代バッテリーは重くて大きいというイメージがありますが、本製品は10,000mAhの容量を備えた準固体バッテリーながら、重量は約208gと通常のリチウムイオンモデルと遜色ない軽さを実現しています。

最大30WのPD出力に対応しているため、スマホへの急速充電はもちろん、ノートPCへの給電にも対応できる頼もしいスペック。動作温度はマイナス20度から60度とタフなことも魅力です。

実売価格は約8,000円で、10,000mAhクラスのリチウムイオンバッテリーと比較すると高額ではありますが、重さやスペック、安全性などのバランスを考えると有力な選択肢と言えるでしょう。

<大型(20,000mAh〜クラス):スマホ約4〜5回、タブレットやPC充電にも>
・BigBlue 全固体モバイルバッテリー20000(PF20)

↑内蔵された2本のUSB-Cケーブルは、未使用時には背面に収納できる。
項目スペック
バッテリータイプリチウムイオン全固体バッテリー
容量20,000mAh(74Wh)
最大出力最大20W(USB PD対応)
ポート構成内蔵USB-Cケーブル×2、 USB-Cポート×1、 USB-A×1
サイズ / 重量約W69×H148×D30mm / 約390g

業界初となる全固体電池を採用した20,000mAhの大容量モバイルバッテリーです。最大の特徴は極めて高い安全性。電解液を固体に置き換えることで、リチウムイオンバッテリーが持つ発火や膨張のリスクを抑え込んでいます。

動作温度はマイナス20度~50度で温度変化にも強い作り。また、自己放電率1%未満のため、備蓄にも最適です。

一方で出力は最大20Wと、最新モバイルバッテリーのスペックと比較すると若干控えめなので、ノートPCの充電に使う場合は低速となることに要注意。また、価格が公式ショップで約1万円と高額であることと、約390gという重量はチェックしたいポイントです。

・Anker Power Bank (25000mAh, Built-In & 巻取り式USB-Cケーブル)

↑巻取り式の内蔵ケーブルは、使いたい長さだけ引き出せるためコンパクトに充電できる。
項目スペック
バッテリータイプリチウムイオンバッテリー
容量25,000mAh(約90Wh)
最大出力単一ポート最大100W / 合計最大165W
ポート構成巻取り式内蔵USB-Cケーブル、 USB-Cポート×1、 USB-A×1
サイズ / 重量約W54×H158×D49mm / 約595g

今回のラインナップの中で最大容量・最大出力となるAnkerの大容量モデルです。

最大の特徴は単ポートで100W、合計で最大165Wという圧倒的な給電能力。ノートPCの充電も、本機なら純正アダプターと同等以上のスピードで行えます。また、25,000mAh(約90Wh)という大容量により、MacBook Airなら1回以上のフル充電が可能です。

約595gという重さや、公式ショップで約15,000円という価格、さらにリチウムイオンバッテリーであるため衝撃や温度に一層注意する必要はありますが、それを差し引いてもなお、この圧倒的なパワーと容量は魅力と言えるでしょう。

モバイルバッテリーに「万人向けの一台」なし。用途に合わせた選択を

ここまで、モバイルバッテリーの新ルールの解説に加え、最新技術が搭載されたモバイルバッテリーを紹介してきました。

改めて製品を見てみるとわかるのは、「万人向けの一台」は存在しないということ。

例えば、安全性が大きく向上している全固体モバイルバッテリーも、現時点では従来のリチウムイオンバッテリーと比較して「高額」「重い」「低出力」などのデメリットがあるため、コストを抑えたい人やノートPCへの充電を多用する人などには不向きです。

「どんなデバイスに充電するか」「どのくらいの温度で使うか」や、「コスト」「重さ」などの条件を明確にしたうえで、GWのパートナーになる最適な一台を選んでみてください。

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