審査委員長たちが解説! 日本ネーミング大賞ってなんだ?

ink_pen 2026/9/30
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審査委員長たちが解説! 日本ネーミング大賞ってなんだ?
GetNavi編集部
げっとなびへんしゅうぶ
GetNavi編集部

1999年創刊。「新しくていいモノ」を吟味して取り上げる月刊の新製品情報誌。生活家電とIT・デジタルガジェットを中心に、モビリティ・雑貨日用品・グルメ・お酒まで、モノ好きの「欲しい!」に結論を出す、がコンセプト。

ネーミング大賞にまつわる疑問に、太田光さん、太田光代さんにお答えいただこう。

Q. 審査はどうやって行われますか?

光代「審査委員を務めているのはコピーライターや作家、デザイナー、大学教授、それに商標や意匠に詳しい弁理士さんなどもいらっしゃいます。人数も年々増えて、今年は総勢30名。審査方法は、まず全員が個別ですべてのネーミングに目を通し、何回かに分けて絞り込んだあと、最後にそれらを持ち寄り、一堂に会して大賞や各賞を決めていきます」

光「いろんな意見が出るから、なかなかまとまらないんですよ(苦笑)。回数を重ねるごとにアワードの認知度が上がってきたのはうれしいんだけど、その分、応募数も増えてきていて。その結果、どんどん自分たちの首をしめる形になってしまってる(笑)」

光代「審査委員の職種がバラバラだからこそ、いろんな意見が生まれるわけですからね。それぞれの視点で〝推す〟理由をうかがっていると、勉強になることがすごく多いです」

光「昨年、大賞を受賞した『職場のロリエ』では、黒川伊保子さんのプレゼンがすごかったね。『この名前に出会うために私は生まれてきた』とまでおっしゃってましたから。でも、みんなそれぐらいの熱量で自分の意見を語っていくところが、このアワードの良さでもある」

Q. 2025年大賞「職場のロリエ」の受賞理由は?

光代「『ロリエ』は花王の生理用品として以前から知られていますが、それを備品として各企業や施設の化粧室に常備していこうという取り組みが『職場のロリエ』です。このネーミングには多くの女性審査委員から支持がありました。生活するうえで必要なものがいつでも身近な場所にあるという安心感だけでなく、最近では格差社会がさらに広まり、なかなか生理用品も簡単に買えないといった人が増えてきているという話も耳にします。また、子どもを生むことにもつながる生理現象ですから、決して女性だけが抱え込む問題ではないんですよね。そうした背景も含め、男女を問わず、このネーミングを推す審査委員が多かったのも印象的でした」

Q. 2024年大賞「晴れ風」の受賞理由は?

光「きっと審査委員の誰もが、この『晴れ風』というビールのネーミングを目にした瞬間に、『これが大賞だ!』と感じたと思います。どの時代にもヒットが約束されたような素晴らしいネーミングの製品が突如現れたりしますが、『晴れ風』もそのひとつだと言えます」

光代「言葉の響きがまず素敵ですよね。それに、名前を見ただけではビールとしての特徴が分からないのに、それでも思わず飲んでみたくなる魅力がこのネーミングにはあります。また、あえて製法や味のこだわりなどを商品名に入れていないところから、〝おいしいのは大前提〟という企業の矜持が感じられます」

光「実際に発売されてすぐ話題になりましたよね。『食品ヒット大賞』や『日テレCM大賞』なども受賞されて。ぜひとも、その輝かしい受賞歴の中に我が『日本ネーミング大賞』の一文を入れていただきたいというのが、今の私の願いです(笑)」

Q. 2023年大賞「初音ミク」の受賞理由は?

光「『初音ミク』はメーカー側からの応募でした。“なぜ、今?”と思われる方もいらっしゃると思いますが、初音ミクのキャラクターは設定年齢が16歳で、アワード受賞時(2023年)が、まさに16周年だったんです。また、説明不要だと思いますが、『初音ミク』は歌詞とメロディを入力すれば、誰もが自作の楽曲を世に発表できるボーカロイドの草分け的存在。そのことで作曲家の裾野がものすごく広がりましたし、多くの著名なアーティストも輩出し、音楽業界に与えた影響は計り知れない。しかも、ソフトウェアとしての話題性だけでなく、彼女と結婚した男性が現れたりと、キャラクターとしても多くの支持を集めている。そうした偉業を改めてお伝えする意味でも、’23年の大賞に選ばせていただきました」

Q. 特設賞のレジェンド賞は?

光「日本ネーミング大賞のいいところは、どれだけ年月を重ねても色褪せないネーミングにもスポットを当てている点なんです。しかしながら、第1回の時はまだ手探りなところがあり、比較的新しい商品である『NONIO』と1950年代から続く日産の名車『スカイライン』が、同じ優秀賞として挙げられていました。つまり、そうした新旧のネーミングを同じ土俵で審査していいものかという思いがあったんです。そこで、第2回から新たに『ルーキー賞』や『レジェンド賞』を設けることになりました。一昨年の『味ぽん』もそうですが、『レジェンド賞』を受賞するアイテムはどれも、もはや商品という概念を超えて、我々の生活の一部として身近に浸透している印象がありますね」

Q. 今年の地域ソウルブランド賞は?

光代「第2回から始めたもので、毎年、全国からひとつのエリアを決めて、誰もが知る名産品などを取り上げています。たとえば福岡県が選ばれた2023年は『博多あまおう』のほか、『万能ねぎ』などが受賞しています。実は、私自身は『万能ねぎ』が博多のものだということを知らず、とても驚いたのですが、しっかり商標も取られている。そうした、多くの人にとって意外に感じる事実も含め、それぞれの地域が持つ魅力や素晴らしいネーミングを世界に広めていけたらと思っています。なお、今年度は広島県。一昨年に日本被団協(日本原水爆被害者団体協議会)がノーベル平和賞を受賞したこともあり、ますます注目を集めるこの広島県からどのようなネーミングが選ばれるのか楽しみです」

Q. 光さん、印象に残っているネーミングを教えてください!

光「俺はやっぱり言葉の響きや面白さで選ぶことが多いんです。その意味では、2022年の『地域ソウルブランド賞』に選ばれた沖縄のお菓子『ちんこすこう』がすごいインパクトでしたね。正直、俺が推さなきゃ賞を獲ることはなかったと思います(笑)。ちんすこう自体は有名すぎるお菓子ですけど、沖縄は出生率が高いから、それにちなんで〝子宝〟をコンセプトに、『ちんこすこう』と名付けたらしいんです。その発想がもう最高じゃないですか(笑)。それに、このネーミングが選ばれたことで、アワード自体の幅が広がったというか、より柔軟になった気がします。ほかの審査委員からも、『こんなに我々の間でも話題になっているのに選ばないのはおかしい』という意見も飛び出したぐらいですから(笑)」

Q. 光代さん、印象に残っているネーミングを教えてください!

光代「2024年の『サンダルバイバイ』はすごく印象に残っていますね。これは子どもたちに向けた水難事故予防のための言葉であり、川に流されたサンダルは拾おうとせず、『さようなら』をしようという注意喚起なんですね。人命に関わることなのでみんなで慎重になり、〝どういう経緯でこのネーミングになったのか?〟〝はたして、これで子どもたちに伝わるのか?〟といったこともしっかり確認した上で、吟味を重ねたのをよく覚えています」

「日本ネーミング大賞 2026」応募概要

■応募対象
2025年10月1日〜2026年9月30日の間に、日本国内で販売または提供されている「商品名」「サービス名」「社名」「ブランド名」等で、商標登録がされているもの(※20年前に発売されたロングセラー製品でも、期間内に販売されていれば対象となる)

■応募期間
2026年9月1日(火)〜10月10日(土)

■応募方法
公式ホームページのエントリーフォームより
【エントリーフォームはコチラ】

■応募費用
ネーミング1件(1部門)につき5500円

■2026年度地域フォーカスエリア
「広島県」
※地域ソウルブランド部門において、広島県の企業・団体等が商標を持つネーミングの応募費用は無料。

日本ネーミング大賞2026
https://j-naming-award.jp

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