アウトドア
2021/10/28 17:00

デイキャンプに不安のある初心者が「水陸両用エアークッションテント」を使ってみたいと思った理由とは?

昨年、プライベートで2か所ほどキャンプ場に行った筆者。泊まりはしませんでしたが、「キャンプ楽しそうだし、まずは日帰りデイキャンプから始めてみようかな」と思い、今春に1人用テントを購入……したものの、ペーパードライバーなのでキャンプ場まで足を運びにくかったりで、結局未だデイキャンプデビューは果たせぬままです。

 

日帰りのデイキャンプで、テントやタープなどを用意して、組み立てたり片付けたりするのは時間も手間もかかりそうだなぁ。のんびりしに来たはずなのに、逆にけっこう疲れそう……などと思っていたところ、簡単に設置できそうなエアーテントを発見!

 

Green Fundingで10月6日までクラウドファンディングが開催されていて、今回一般発売された「水陸両用エアークッションテント」(以下エアークッションテント)なら、空気を入れるだけで使えるから、組み立てや片付けがラクだし、サンシェードも付いているからタープ代わりにもなるし、ハンモックのように大自然にゴロ寝できるのでは!?

水陸両用エアークッションテント

 

しかも、大掛かりなセッティング作業もなさそうだから、広い公園などに持って行って展開すれば、手軽にキャンプ気分が味わえるかも!

 

実売価格は1万2800円。1人用のテントは大体1万円前後(筆者調べ)で購入できるので、価格的には1人用テントとそれほど変わりないですね。

 

 

「水陸両用エアークッションテント」とは?

では、改めてエアークッションテントについてご紹介。同製品は大型エアークッションにサンシェードが付いた、これまでにありそうでなかったタイプの“フワフワ感が楽しめるサンシェードテント”です。サンシェード部分は取り外しも可能なので、通常のエアークッションとしても利用できます。

↑サンシェードなしの状態。ティアドロップ型がキュートなデザイン

 

サンシェードなしで使う場合は、エアークッション部分に空気を入れるだけ。簡単にすぐ展開できそうですが、この手の製品、なかなか空気が入らず苦労することがあります。どのくらい簡単に組み立てられるのかは気になるところ。

 

その前にセット一式を確認。エアークッション、サンシェードとその骨組みになるポール4本、ペグ1本、リペアシール2枚、そしてマニュアルが、ショルダーポーチに入っています。

↑右からエアークッション、ポール、サンシェード、ペグ、ショルダーポーチ、リペアシール

 

ショルダーポーチはコンパクトで、一式入った状態でも思ったより軽く、背負っていてもそれほど“大荷物”になっている感じはしませんでした。

↑ショルダーポーチ。幅は大体12インチレコードくらいで、高さはそれより数cmあります

 

実際に組み立ててみたので、ギャラリーでご覧ください!(画像をタップすると詳細が表示されます)

 

一般的なテントを組み立てるよりはだいぶ簡単でしたが、撮影日は風がそれほど吹いていない日だったので、風を入れるのがけっこう疲れました(笑)。所要時間は、エアークッションだけなら約3分、シェードの組み立てと取り付けに大体8~10分程度でした。もっと力のあるガタイがいい成人男性だと、一気にヴァッと空気を入れることができそうです。

 

エアーテントを使ってみた感想は後述しますが、片付けも簡単なのだろうか? ゆっくりくつろぎすぎて「帰りたくない」という気持ちが倍増すると、片付けがさらに面倒に感じてしまうもの。これが面倒に感じると次第に使わなくなってしまうので、実際のところはどうなのか、試してみました。こちらもギャラリーでご覧ください。

 

サンシェードの解体も一般的なテントのようですが、サイズが一般的なテントより小さいので、その分少しラクに感じました。ただ、エアークッションから空気を抜くが少し大変だったかも。しかし、逆に考えると、それだけ空気が抜けにくいということでもあるので、使用中に空気を入れ直す手間がないのは良いと思います。率直に言って、こういう作業は“慣れ”だと思うので、何回か使っているうちにコツが身に付くはず。ちなみに片付けの所要時間も、サンシェード解体~すべてショルダーポーチにしまい込むまで、約10分程度でした。

↑ちゃんと空気を抜き切らないと、小さくたためません

 

 

気になる使い心地は?

今回は会社のビルの屋上に設置して、休日のベランピングやテラスなどを想定した使い方を試してみました!

 

まず、このエアークッションテント、大人が1人寝られればいいかな……程度の大きさと思っていましたが、想像以上の大きさ! 身長160cm以上の筆者が大の字になっても余裕すぎる広々スペース!

↑サイズは約D180×W165×H140cm

 

ひとたび腰を掛けると、ずもももも……と、吸い込まれるようにカラダが沈んでいきます! 座っても寝転がっても、重力に沿ってぴったりエアークッションテントがフィットする、ハンモックにも似たような不思議なフワフワ感を味わえます。グッと沈み込みような感覚が、たまらなく気持ち良い! 晴れていれば、サンシェードが優秀な日除けになって、適度な明るさのある、最高のお昼寝スポットになります!

↑撮影じゃなければそのまま寝たかった

 

窪んでいる部分がメッシュになっているので、寝汗で背中がベタベタにならないでしょう。

↑メッシュ部分

 

フワフワな寝心地と、ビビッドなカラーリングで、日常と非日常が入り混じるおうちキャンプのアクセントとして使えますが、室内に置くにはけっこう広いスペースが必要かもしれません。ちなみにカラバリは今回使用したスカイブルーのほか、グリーン、オレンジ、ブルー、パープルの全5色です。

↑体型を問わずすっぽりとフィット

 

こんなアイテム、デイキャンプだけで使うのはもったいない! これさえあれば、広い公園の芝生など、どこでもまったりくつろげる……いやいや、くつろくだけでなく、屋外ワーケーションにも使えるのでは!? サンシェードもあるから、PCに日光が当たらず画面も見やすそうだし!?

 

というわけで、使ってみたのですが……

↑下に膝上テーブルがあればよかったのかも

 

フワフワ感が逆に仇となり、ちょっとしたPC操作さえも安定しません。エアーベッドひとつでワーケーションというのは少々キビシいかもしれませんが、膝上テーブルなど、ワーケーション用アイテムがあれば、多少改善はできると思います。

 

また、個人的にはうつ伏せの体勢になってPCやスマホをいじったり、ゲームをしたりするのも、あまりおすすめできません。そう、これは日常を捨てて、ひたすらぐーたらリラックスするデジタルデトックス装置といえるでしょう!

↑とにかく身動きがとりにくい

 

ワーケーションに使えるかどうかはおいといて、キャンプ以外にも、どこにでも持っていきたいなぁと思えるのは事実です。例えば今は秋ですが、夏なら海水浴場(ビーチサイド)に展開して、潮風薫る中でフワフワなお昼寝という「至高の悦楽」も味わえそうです。

 

これもシーズンオフ気味ですが、野外フェス、特にキャンプサイトのあるフェスに持ち込んで、だら~っとお酒を飲みながら音楽に浸るのも、素晴らしい贅沢といえるでしょう。来年こそはフェスでお酒が飲めるような平和な世の中に戻ってほしいなぁ。

※キャンプサイトの料金や持ち込みのルールはフェスによって異なるので、各フェスの公式サイトなどでご確認ください。

 

 

ひとりで使うだけじゃない! みんなでフワフワ感を楽しもう

耐荷重は300kgで、意外と丈夫なんです! 某物置のCMのように100人は乗れませんが、大体、大人が4~5人乗っても大丈夫といえるでしょう。

↑編集部員からの原稿チェック中の編集長・山田と、その横でゴロ寝中の編集部員・浦和

 

広々とした面積を活かして、デイキャンプ以外でも、みんなでフワフワ感をシェアできます。もちろんファミリーキャンプなど、家族のだんらんにもオススメ! イベント会場にある、子どもにも人気の「エアードーム」のような乗り心地なので、子どもたちも超ハイテンションで遊ぶと思います。

 

サンシェードにはカーテン付きメッシュウィンドウもあるので、複数人で使うときは、サンシェード内の風通しを調整すると、夏でも熱がこもらず蒸し暑い状態を回避できるでしょう。

↑メッシュウィンドウで解放感UP

 

内側にはほかにも、飲み物などの小物を入れられるメッシュポケットも付いています。

↑スマホだけでなく、7インチくらいの小型タブレットなら入るかも?

 

ちなみにサンシェードの角度は固定されており、開く角度を変えたり、完全に閉じたりすることはできません。一度組み立てたサンシェードは、5か所のバックルを外したり付けたりするだけなので、付け外しは非常に簡単です。

↑サンシェードは組立済ならば、バックルの付け外しだけでOK

 

また、撮影中に気づいたことですが、エアークッションテントは空気を入れた状態でも軽くてスイスイ移動しやすい反面、強めの風などで飛ばされることがあります。必要に応じて完成後に、付属しているペグを地面に挿して固定することもできます。前出のように、子どもをエアークッションテントで遊ばせるときには、事故防止のためにペグで固定しておくことをおすすめします。

↑ペグは1本だけなので、風に流されなくても、向きが変わってしまう可能性もある

 

もし、使用中に穴が開いてしまっても、応急シールが2枚入っているので、一時的に漏れを防ぐことができます。シールは直径約6cmなので、大きな傷には使えません。

↑リペアシールとマニュアル

 

そして、ちょっとした補足ですが、“水陸両用”と名前にあるように、高い防水性で、水に浮かべることもできます。ナイトプールに浮かべてSNS映えショットも期待できますよ。

※長時間の水上使用は控えてください。

 

さて、ここまで説明したエアークッションテントですが、タープとハンモックの2in1のような、サンシェードテント的使い方ができることを考えると、良コスパに感じました。コンパクトにまとめられて荷物も減らせるので、荷物少な目で行きたい“公共交通キャンプ勢”にはドンズバなアイテムだと思います。個人的にはやっぱり野外フェスで使ってみたいなぁ!

 

 

写真/我妻慶一

 

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