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2016/12/22 18:01

ポータブルオーディオの次のトレンドは? 「ポタフェス2016冬 in 東京/秋葉原」レポート

先週末の12/17(土)、18(日)の2日間にわたり、東京・秋葉原で開催された「ポタフェス2016冬 in 東京/秋葉原」。専門ショップとして名高いe☆イヤホンが主催しているポータブルオーディオフェスティバル(=ポタフェス)です。

 

同様のイベントにフジヤエービックが主催する「ヘッドホン祭」がありますが、エンジニアリングを前面に出してくる最新プロダクトの発表に注目が集まる「ヘッドホン祭」と比較して、「ポタフェス」はマスをターゲットとした低価格製品の展示も多くなっています。それだけにディープなオーディオマニアの横に、KAWAIIイヤホンを求めてくる女の子が並ぶなど、来場者のバリエーションも豊かなんですね。「ヘッドホン祭」と「ポタフェス」、この2つのイベントは、2017年のポータブルオーディオ市場を占うのに欠かせない場といえるでしょう。

 

さて今期の「ポタフェス2016冬 in 東京/秋葉原」ではどんなアイテムが展示されたのでしょうか。いくつかピックアップしてみました。

 

ステンレス版の「AK380 SS」とマットカラーな「AK70」

アステル&ケルンの「AK380」といえば、最高級ポータブルプレーヤーとして好事家垂涎のマトとなっている機体です。実勢価格は35万円!? という高額機ですが、音質の良さと正確さはプロのミュージシャン&レコーディングエンジニアのお墨付き。ハイレゾ音源だけではありません。CDをリッピングしたデータを聴いても「なにこの音!こんなに細かな音が入っていたの!?」と、もれなく驚ける解像度を誇ります。

 

同ブランドを取り扱うアユートのブースには、その「AK380」をベースに、外装をステンレススチールに変更した「AK380 SS」が展示されていました。どうですか! この輝き!

↑AK380 SS
↑AK380 SS

 

AK380のバリエーションモデルには、限定生産された「AK380 Copper」もありました。響きのいい銅を外装素材として用いたモデルで、AK380の解像度を持ちながら低域に粘りをもたらすウォームなトーンが魅力の1機でしたが、「AK380 SS」の音は違います。リスニング用途では「AK380」が頂点かな、と思えたシャープネスをさらに高めてきたのです! よりモニタートーンに近づけながらも音楽のワクワク感を残したライブな音作り。高級ポータブルプレーヤー市場を牽引するアステル&ケルンのバランス感覚に1本とられました。

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↑AK380 SSは、プレーヤーと専用アンプ、専用ケースの3点がセットになった限定モデル

 

同ブランドのボトムエンドモデル「AK70」の新カラバリモデルも展示されていました。メタリックなトワイライトローズとつや消しマットなミラージュホワイトの2色。世界的にマットトーンが注目を集めている現在(女の子のリップグロスもマットカラーが人気!)、このミラージュホワイトは人気が出そう。

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↑AK70(ミラージュホワイト)

 

MONITORシリーズを受け継ぐパイオニアのハイエンド機になるか

パイオニアブースで見かけたのは、現在開発中だという密閉型ヘッドホンの大型モデル。黒/銀のカラーリング、剛性の高いヘッドバンドアームに分厚いイヤーパッド。エクステリアデザインは、同ブランドの最上位機種「SE-MASTER1」を彷彿とさせるものです。

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開放型の頂点が「SE-MASTER1」なら、こちらは密閉型の頂点を目指すとのこと。そういえばパイオニアにはMONITOR-10/SE-MONITOR 10Rといった密閉型の名機がありましたが、その系譜を継ぐものとなるのでしょうか。名称はもしかして「SE-MONITOR1」?

 

スマホユーザーに刺さった格安良音Bluetoothイヤホン「E25BT」

好きな音楽を快適に聴きたい。というライトユーザーから熱視線を寄せられているのがJBLの「E25BT」です。

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↑JBL「E25BT」

 

高音質コーデックには対応していませんが、省電力機能が充実したBluetooth 4.1はサポート。最大約8時間の連続ワイヤレス再生が可能です。また充電端子・バッテリーなどを含むユニットにはクリップが備わり、シャツの襟などに固定することができます。

 

というか、この6000円くらいまでのBluetoothイヤホン全体の売れ行きが絶好調なんですよね。海外のヘッドホン/イヤホン市場においてBluetooth分野はもっとも熱いところ。この流れ、日本にもやってきそうな勢いです。

 

性能を追求したらアクセサリーのような美しさに「FI-BA-SS」

ステンレス削り出しの高剛性筐体に、スーパーコンピューター「京」用のケーブル開発した潤工社製の高純度OFCシルバーコートケーブル。音質を追求した結果、他モデルにはない工芸品としての美しさを手に入れたのがFinalの「FI-BA-SS」です。

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↑Final「FI-BA-SS」

 

女性陣から耳元を飾るアイテムとしても注目されているイヤホンだけに、ケーブルやコネクタを含めた美意識の追求も大事。ハイブランドの腕時計みたいに、所有欲を強く満たす作りが重要になってくるのではないでしょうか。

 

おもちゃメーカーだからこその塗装へのこだわり「THP-01 feat. kz (livetune)」

変形するヘッドホンとして有名になった、toon WORKSHOP「THP-01」の最新バリエーションモデルも展示されていました。カラーリングを手がけたのは初音ミク、ClariSの楽曲、アニソンなどを多く手がける音楽プロデューサー・kz (livetune)。イコライザーをイメージしたデザインですね。

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↑toon WORKSHOP「THP-01 feat. kz (livetune)」

 

同機は外装パーツの付け替えが可能なのもポイント。またオリジナル塗装用に外装セットがオプション販売されていますし、3Dプリンタ出力用のデータも提供されています。toon WORKSHOPの運営母体はフィギュア/おもちゃメーカーとして名高いグッドスマイルカンパニーで、変形寄稿は元変形プラモデルを設計していた原型師を起用したとのこと。この遊び心あるモデルは同ブランドでなければ作れなかったでしょう。

 

その他の注目ブース

↑オーディオテクニカブースには巨大なヘッドホン型のアーチが
↑オーディオテクニカブースには巨大なヘッドホン型のアーチ

 

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↑オーディオテクニカブースには、ゲットナビ1月号に掲載されたe☆イヤホンスタッフのセレクトによる同社のおすすめモデルも展示

 

↑今回初出展したボーズのブースは常に人だかりが
↑今回ポタフェス初出展したボーズのブースは試聴希望者が列を作るほどの盛り上がり

 

↑エレコムブースは
↑エレコムブースはイヤホンやBluetoothスピーカーなど多数の新商品が展示され注目を集めていました

 

また、製品の展示以外にもライブイベントなどが行われ、会場は終始盛り上がりをみせていました。最新のヘッドホンやイヤホン、ポータブルオーディオプレーヤーなどに興味のある方は、次回のポタフェスにもぜひ足を運んでみて下さい。