新型「日産リーフ」は新世代EVの完成形! 試乗でわかった「扱いやすさ」と「上質さ」

ink_pen 2026/5/26
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新型「日産リーフ」は新世代EVの完成形! 試乗でわかった「扱いやすさ」と「上質さ」
会田 肇
あいだはじめ
会田 肇

カーライフアドバイザー。カーナビやドライブレコーダーなど身近な車載ITグッズのレポートを行う他、最近はその発展系であるインフォテイメント系の執筆も増えている。海外で開かれるモーターショーや家電ショーにも足を運び、グローバルな視点でのレポートに役立てている。日本自動車ジャーナリスト協会会員。

8年ぶりのフルモデルチェンジを受けた日産の電気自動車「リーフ」。新型はEVらしい静かで滑らかな走りに加え、日常での使いやすさや上質感をさらに高めたモデルへと進化しました。

今回試乗したのは、大容量78kWhバッテリーを搭載する上級グレード「B7G(2WD)」。WLTCモードでの航続距離は670kmを誇り、プロパイロット2.0も装備した、ほぼフル装備仕様です。実際に乗って感じた新型リーフの実力をレポートします。

↑今回試乗した日産・新型「リーフ」のグレードは、大容量78kWhバッテリーを搭載する最上位の「B7G(2WD)」。

空力を意識したデザインは上質で都会的

新型リーフを見てまず感じたのは、空力性能を重視した滑らかなフォルムの美しさです。上級EV「アリア」を思わせる雰囲気もあり、従来型よりも洗練された印象を受けます。

クロスオーバーEVを名乗っていますが、実際には都会的な5ドアハッチバックという印象が強く、日本の街並みにも自然に溶け込みそうです。派手さよりも、“長く付き合えるデザイン”に仕上がっている点が好印象でした。

ボディサイズは全長4360mmと従来型より120mm短縮。しかし、設計アーキテクチャとしてEV専用プラットフォーム「CMF-EV」を採用し、車両の空間効率を高めることによって、ホイールベースは2690mmを確保しており、室内空間の広さもしっかり維持されています。

↑ボディサイズは全長4360×全幅1810×全高1565mmと先代よりもコンパクトになったが、ホイールベースはほぼ同等の2690mmを実現している。
↑各ドアのアウターハンドルは電動収納式となっている。
↑日産の読み方をテールランプの形状で表現(左側だと右から読む)。これはGグレードの専用装備となる。
↑全車メーカーオプションとなるプロパイロット2.0装備車には2つのシャークフィンアンテナが備わる。右側はインテリジェントミラー用カメラ。

インテリアは“量産EVの基準”を引き上げた

車内に乗り込むと、水平基調のダッシュボードと大型ディスプレイが目を引きます。シンプルながら先進的で、なおかつ高品質さも充分伝えるものとなっていました。

↑ダッシュボードは2つの大画面スクリーンを備えた、日産車共通のデザインで、ファブリックや合皮を多用した質の高いものとなっている。
↑Googleを搭載した12.3インチの大型デュアルディスプレイ「NissanConnectインフォテインメントシステム」を標準採用。Googleマップのリアルタイム交通情報、Googleアシスタントによる音声操作、Google Playからのアプリ追加も可能となっている。Googleアカウントによるスマホとの連携にも対応している。

ファブリックや合皮素材の使い方にも工夫があり、量産EVとしてはワンランク上の上質感があります。シートには、本革のような触感を持つ高品質素材を採用。さらに、ドアミラー連動のメモリー付きパワーシートまで備わり、満足度はかなり高めです。

↑表皮にはナッパーレザー並みの手触り感を実現したテーラーフィット合皮を採用。フロントシートのヘッドレストにはBOSE製スピーカーが備わる。
↑後席はヘッド周りが少々きつめだが、大人2人がゆったり座れる空間はある。

試乗車の内装色はホワイトだったこともあり、車内が明るく見える一方で汚れは少し気になるところ。個人的にはブラック内装のほうが扱いやすそうに感じました。

↑アームレスト付近にはワイヤレス充電器を備えていた。使い勝手はいいが、ゴミがたまりそうなつくりが気になった。

室内の広さは十分で、大人4人でも快適に移動できるレベルです。ただし、後席のヘッドクリアランスにはやや余裕が少なく感じました。その一方で、後席にはリクライニング機構を装備。長距離移動では快適性向上に役立ちそうです。試乗車には後席シートヒーターやヒーターダクトも備わっていましたが、こちらはバッテリーヒーターとのセットオプションとのこと。

↑後席用ベンチレーターは「X」「G」に標準で装備されるが、後席用シートヒーターやヒーターダクトのほか、バッテリーヒーターはセットオプションとなる。
↑荷室容量として最大420リットル(VDA方式)を確保し、同クラスのコンパクトハッチバックとして十分な広さ。バックドアにはパワー機構が備わっていた。

また、注目のオプションとして「調光パノラミックガラスルーフ」も用意されています。遮熱機能付きの特殊ガラスを採用しており、真夏でもシェードなしで高い遮熱効果が得られるそうです。

街中では扱いやすく、走りは驚くほどスムーズ

運転席に座ると、着座位置はやや高め。ただ、そのぶん視界は良好で、取り回しのしやすさにもつながっています。最小回転半径は5.3mと小さく、狭い住宅街でも扱いやすさを感じました。

アクセルを踏んだ瞬間の加速感は、まさにEVならでは。軽く踏むだけでトルクが立ち上がり、街中では非常にストレスフリーです。特に発進から中速域までの加速が気持ちよく、市街地や都市高速では扱いやすさが際立ちます。さらに、床下にバッテリーを搭載することで重心が低く、ステアリング操作に対して素直に曲がってくれる感覚も魅力。BEVらしい走る楽しさをしっかり味わえました。

試乗車は19インチタイヤ装着車だったためか、市街地では路面の凹凸をやや強めに拾う印象がありました。ただ、後日18インチ仕様にも試乗したところ、乗り心地はかなりしなやかに変化。ショックの伝わり方も穏やかで、快適性は大きく向上していました。乗り心地重視なら18インチ、見た目やスポーティさ重視なら19インチという選び方になりそうです。

↑タイヤはDUNLOP「e.SPORT MAXX」の235/45R19を履いていた。

高速道路では静粛性と安定感が際立つ

高速道路では、街中で感じた硬さはほとんど気になりません。むしろ直進安定性の高さが印象的で、軽くステアリングに手を添えるだけでスムーズに走ってくれます。

静粛性も非常に高く、モーター音やロードノイズはかなり抑え込まれています。それでいて355N・mの大トルクによる力強い加速は健在。どの速度域からでも余裕のある加速を見せてくれました。まさに“静かだけれど頼れるクルマ”という表現がぴったりです。

↑市街地では路面の凹凸を拾いがちだが、高速道路では優れた直進性を示し、プロパイロット2.0の併用で快適に走行することができた。
↑駆動用モーターは最高出力218PS、最大トルク355N・mを発揮。なお新型リーフにも4WDの設定はない。

「e-Pedal」とプロパイロット2.0の完成度が高い

アクセルペダルで発進や加速はもちろん、減速や停止操作もできる「e-Pedal」はさらに自然な制御へ進化。減速の違和感が少なく、かなり扱いやすくなっていました。

また、今回試したプロパイロット2.0の完成度も非常に高く感じます。渋滞時の追従や車線維持はスムーズで、高速道路での疲労軽減効果はかなり大きそうです。条件付きではあるものの、最大130km/hまでのハンズオフ走行にも対応。長距離移動が多い人には大きな魅力になるでしょう。

↑プロパイロット2.0を使い、高速道路で車線移動を作動している状態。先行に遅いクルマを見つけると車線移動を促し、ステアリング上のスイッチを押すと車線移動が自動的に行われる。
↑ハンズオフを利用するにはドライバーが前方を視認していることが求められ、ステアリング上の赤外線センサーで監視されている。
↑プロパイロット2.0の操作パネルはステアリング左側に用意されている。

航続距離670kmという数値は、最新EVの中で突出しているわけではありません。しかし、日本国内での使い方を考えれば十分以上の実力です。実際の使用環境でも500km前後の航続距離が期待できそうで、通勤や買い物中心ならひんぱんな充電は不要。ロングドライブでも、関東近郊の観光地程度なら余裕を持って往復できそうです。

急速充電インフラとの相性も含め、“無理なく使えるEV”という立ち位置はしっかり受け継がれていました。

尖った性能よりも「完成度」で勝負するEV

新型リーフは、刺激的なキャラクターよりも、安心感や完成度を重視したEVです。初めてEVに乗る人はもちろん、ガソリン車から違和感なく乗り換えたい人にも非常に向いていると感じました。静かで快適な移動性能は大きな魅力であり、日常使いからロングドライブまで幅広く対応してくれます。

価格は、プロパイロット2.0などのオプションを加えると総額700万円近くになる可能性があります。しかし、その価格に見合うだけの完成度と先進性を備えた一台であることは間違いありません。

写真/松川 忍

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