グルメ
2018/1/17 10:50

衝撃的に美味しい中国少数民族料理と、人気中華店の直伝メニューを両方食べられる 注目店、代々木上原「マツシマ」!

300日食べ歩きライター藤井存希の、美味しかったらUP 【GNW編】 第4回 「マツシマ」

 

ご飯にヨーグルトかけたことあります? しかも、その組み合わせの妙に取り憑かれ、すぐリピートしに予約してしまうなんて……。今回はそんな面白くて美味しい中華、いや、美味しくて面白い中華「マツシマ」をご紹介します。

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代々木上原の駅近くですが、〝通〟しか入ろうと思わないであろうビルの地下。ナンバーロック剥き出しの怪しげな扉の先に現れるのは、予想外に家庭的なお店(普通に押せば開く扉なんですけどね…)。

 

「マツシマ」は、グルメな方ならご存知、六本木・赤坂・銀座の3店舗を構える中華の人気店「黒猫夜」で料理長を務めた松島由隆シェフが、2016年3月にオープンしたお店です。

 

「黒猫夜」のスペシャリテである黒酢豚や鴨舌も食べられるだけでなく、松島シェフが元々研究していた「中国少数民族料理」を一つの柱に掲げています。「黒猫夜」からファンだった私からしたら、2倍うれしいメニュー構成。お初の方には、ぜひ必食のメニューを知ってもらいたい!と思って、お節介ながらプレゼンさせて頂きます!

 

中国少数民族とは、中国国民の9割以上を占める「漢民族」以外の「トン族」や「ペー族」など55の少数民族のこと。

 

また、中国の南方地方・江南地方……などの珍しい紹興酒が多彩にラインナップされていることも「マツシマ」の魅力です。癖のないタイプから、喉ごしのよいタイプまで、メニューには味の説明もきちんとあるので、紹興酒の新しい発見ができるはず。

 

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12月のとある日のお通し。

真鯖の烏龍茶スモーク。スモークとはいえ、旨い脂は隠しきれない! 周りに残るわずかなゼラチン質にも烏龍茶風味を感じて、余韻に浸ります。ちなみに、10月の前回は、秋刀魚のスモークでした。ピーナッツの海苔まぶし和え、大根の貝柱煮込みは定番です。

 

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台湾野菜・水蓮菜(すいれんさい)のにんにく塩炒め 1200円

日本ではなかなか見かけない水蓮菜は、パスタのように細長いので、トングが付いてきた(笑)! 一見、空芯菜みたいですが、実際は結構太く、噛むごとに弾けるような食感がたまらないのです。

 

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鴨の舌の香り炒め 1200円

こちらは「黒猫夜」時代からのスペシャリテの“ひとつ”。細い部分が喉側で、身がついてるほうが舌部分。お店の方曰く「このお皿で6羽分です」とのこと(‼️)。というわけで、茶色い部分(身)がなくなるくらいまで剥がし取るように食べましょう。こんな厳ついシルエットですが、わずかな身は柔らかく、深みのあるスパイスによってクセもないため、とても食べやすい。お隣の女性二人組のお客さんたちも「尖ったとこまで美味しい!」と騒いでました(笑)。

 

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(デジャブじゃないですよ!)

これから食べる人にちょっと遠慮して、残骸は奥にボカして撮りましたが、こんな感じの骨が残ります…。

 

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牡蠣のオムレツ 台湾風 1500円

玉子にもきちんと牡蠣エキスが流れているのを感じるオムレツに悶絶……。台湾の屋台で食べる「牡蠣オムレツ」は、安っぽい脂っぽさが好きだけれど、これはまったく別物です! 小ぶりの牡蠣をたくさん使ってるのは同じでしたが、この味を知ってしまったら、もう台湾の屋台には戻れないかも……(豆板醤が添えられているので、アクセントにして食べますが、味も変化するので、半分くらいまでは、そのままで食べて欲しいです)。

 

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黒酢の酢豚 1400円(花巻 200円)

こちらも、松島シェフのスペシャリテ。黒い塊にしか見えないけど……「黒いほど美味しい」はもう定説です! 最近の美味しい中華って、絶対に黒酢酢豚なんですよね(逆に言うと、美味しい中華を見つけるポイントは、黒酢酢豚があるかどうか? で判断したりも!)。

 

というわけで、酢豚の甘さについても伺いました。こちらでは、黒酢に少量のザラメだけで、野菜を3日ほど煮込んで甘さを引き出していく手法だそう。表面カリカリですが、ナイフを入れると中身トロトロ、蒸し豚のような白い部分が美しく顔を出します。感激したのは、口の中にいれるとトロトロが最初、噛むと細かいサクサクという食感まで感じる、すべてにおいて層の厚い酢豚です。

 

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さて、やってきました! 用意されたヨーグルト!

 

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新疆ウイグル自治区 羊のごはん“ポロ” 1200円

ハスの葉で蒸されたおこわ? のような色をしたご飯は、「新疆=しんきょう」と読む、中国の西端にある地域の郷土ごはんだそう。3〜4口はそのまま食べ、発芽大豆やレーズンなどの食感も楽しみながら。

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そのままでも、もちろん美味しいのですが、次に(オススメは、けっこう早めに)レンゲ一杯分のヨーグルトをかけて(かける目安は「とろけるチーズ大」くらい。思い切ってかけてみて!)。まさに、ヨーグルトが口の中で、チーズのような味に変化するのです。ハマってしまったら最後。ヨーグルトを大量にかけずにいられなくなり、せいろの隅にこびりついたお米を突き出します。

 

 

「マツシマ」のメニュー構成は、アラカルト以外に、コース料理が2種。上記で紹介した鴨の舌や黒酢豚など人気メニューがラインナップする5000円のコースと、未体験の少数民族料理で固められた6500円コースがあります。

 

松島シェフは「黒猫夜」時代からあらゆる民族の料理を研究していたので、時々、隠れメニューとして披露されていました。そして現在も定期的に現地へ足を運び、新たな少数民族料理を習得しているのだとか。

 

ちなみに前回わたしは、「雲南・貴州・広西チワン族自治区のお料理を中心のおまかせ」コースを頼み、トン族やミヤオ族、ペー族など様々な民族料理をいただきました。その際、先ほど紹介した「新疆ウイグル自治区 羊のごはん“ポロ”」を食べて感激し、「ゲットナビの記事にしよう!」と突き動かされたのですが、「まずは松島シェフのスペシャリテを食べてもらってから、少数民族料理を極めて欲しい!」と考えが巡り、近々に2回目の訪問。

今回のアラカルトメニューの掲載となりました。

 

最後は、怪しいビルの入り口に書かれた黒板で、“再見”!!

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【shop data】

マツシマ/Matsushima

住所:東京都渋谷区上原1-35-6 第16菊地ビル B1F

交通:小田急小田原線代々木上原駅南口 徒歩2分

営業時間:18:00~L.O.22:30

定休日:水曜日、他に不定休あり

 

【URL】

マツシマ https://tabelog.com/tokyo/A1318/A131811/13195689/