デジタル
2017/2/26 15:11

さらば銀座ソニービル! 解体前の最後の思い出に行っておきたい「It’s a Sony展 Part2」が開催中

1966年から半世紀にわたって銀座のシンボルとして親しまれてきた「ソニービル」。創業70周年を迎えたソニーが新たな時代への挑戦を象徴する取り組みとして、建て替えに向けた新たな変化を遂げることとなった。それに先だってソニービルが歩んだ50年の歴史、および今後の進化を紹介するカウントダウンイベントとして開催されているのが「It’s a Sony展」だ。

↑銀座・数寄屋橋の一角で半世紀にわたって「SONY」を発進してきたソニービル
↑銀座・数寄屋橋の一角で半世紀にわたって「SONY」を発進してきたソニービル

 

昨年11月12日からはその第一弾として、「歴史」をテーマとするPart-1を開催。初代ウォークマンやトリニトロンカラーTV、エンターテインメントロボット「AIBO」といった、ソニーの歴史を一望できる貴重な製品を一堂に集めた展覧会が開かれた。ソニーファンに限らず、多くの人が会場を訪れた。その数は最終日2月12日までの73日間に実に約75万人を数え、大盛況のうちに展覧会は終了した。

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↑It’s a Sony展 Part-1の様子(現在は終了しています)

 

そして、2月22日からは「未来」をテーマとしたPart-2の展示がスタートする。それは2018年夏に「銀座ソニーパーク」へと生まれ変わるが、そのコンセプトをいち早く見ることができるもの。これまで常に斬新なアイデアでユーザーを魅了し続けてきたソニーはどんな未来を描くのか見せてくれるのだろうか。

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そのコンセプトとは「街に開かれた施設」を体現した“都会の真ん中のパーク”だ。会場に踏み入れると1階から4階までのフロアすべてに人工芝がつながるように敷き詰められている。ソニービルはフロアとフロアが連続する独自の“花びら構造”と呼ばれるユニークな建築様式を採用していたが、まさにそのメリットが実感できる構成となっているのだ。

↑フロアが連続していることを表現するために人口芝でフロアを繋いでいる。壁面のウォールアートは120mにも及ぶ
↑フロアが連続していることを表現するために人口芝でフロアを繋いでいる。壁面のウォールアートは120mにも及ぶ

 

壁面に描かれている大規模なウォールアートもこの構造を意識したもので、2階から4階まの壁面に連続してデザインされている。その長さは120mにも及ぶ。中でも見逃せないのが、このウォールアートの所々で演出されているプロジェクションマッピングだ。ウォールアート自体はモノクロなのだが、ここに色が入ることで描かれた街並みや人が活き活きと動き出す。そこには街から伝わる温もりが感じられる新たな世界観が見えてくるというわけだ。

↑ウォールアートの一角ではシール式の緑の葉を貼り、名前を記入できるコーナーも用意した
↑ウォールアートの一角ではシール式の緑の葉を貼り、名前を記入できるコーナーも用意した

 

また、このウォールアートの中には「SONY」のロゴマークか隠されており、そばに描かれているキーワードを完成させるとオリジナルステッカーがもらえる。作品は延々と続く絵巻物のようなものであるため、探すのに一苦労しそうだが、会場を訪れたらぜひ試してみることをオススメする。

↑120mの壁面をマジックで描いたウォールアートはイラストレーター黒地秀行さんの手によるもの
↑120mの壁面をマジックで描いたウォールアートはイラストレーター黒地秀行さんの手によるもの

 

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また、フロアでは大道芸人による楽しいパフォーマンスも展開される。取材した日もパントマイムをベースとした演技が披露され、見てるだけで楽しくなるような、大人から子供までが楽しめる内容となっていた。ユーモアあふれる街が訪れる人に潤いを与える。パフォーマンスからはそんなコンセプトも見えてきた。

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会場には面白い仕掛けもあった。それは階段に沿って4階から2階まで連なる、約35メートルの“パークの木琴”だ。一番上の4階から木の玉を転がすとその玉が木琴を叩いて楽曲を奏でる。曲名はルイ・アームストロングの「What A Wonderful World」。やや不安定な音階を踏みながらメロディーラインが聞こえてくる。面白いのはフロアがつながっているせいか、どこにいてもその音色が聞こえてくること。これもソニービルだからこそ実現できた“音が出るオブジェ”なのだ。

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↑ルイ・アームストロングの「What a Wonderful World」を奏でる“パークの木琴””。木が創り出す音色に癒される

 

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さらに期間中はオーディションイベント「旅する面接ちゃん」も予定する。開催日時は2月25日(土)と3月18日(土)12時~17時の日程で書類審査なしで行われる。主催はソニー・ミュージックエンタテインメント。10代でモデル、シンガー、タレントなどになりたい人であれば誰でも参加できる。希望者はHPから事前にTwitterアカウントと年齢を入力してエントリーすればいい。

↑書類審査なし! 誰でも参加できるオーディション「旅する面接ちゃん」
↑書類審査なし! 誰でも参加できるオーディション「旅する面接ちゃん」

 

↑ソニービルに使われていた外壁ルーバーは希望者に頒布される予定。オブジェとして使えるよう細部を処理して渡される。販売時期や価格は未定
↑ソニービルに使われていた外壁ルーバーは希望者に頒布される予定。オブジェとして使えるよう細部を処理して渡される。販売時期や価格は未定

 

↑ガチャガチャで全20種類が販売されたストラップはPart-1で売り切れたが、復活も予定されているという。1個500円
↑ガチャガチャで全20種類が販売されたストラップはPart-1で売り切れたが、復活も予定されているという。1個500円

 

そのほか、「DAVID BOWIE is ~プレミアム・トークショー~」と題して、David Bowieと時代を共にした、4名のクリエイター(2月26日/鋤田正義、3月5日/山本寛斎、3月11日/ミック・ロック、3月19日/高橋靖子)を迎えてデヴィッド・ボウイのクリエイティブの本質に迫るトークショーを開催(入場券:5000円)。さらに、”かわいくて、すごい” 個性的な楽器で編成された実力派アジアンビューティーインストバンド「杏仁ショーケストラ」がパフォーマンスライブを開催する(開催日:2月26日(日)、3月12日(日)、3月26日(日)/観覧無料)。

 

本イベントを見終えると、改めてソニービルが持っていた斬新さに驚かされる。ソニービルがずっと銀座の顔として愛されてきたのも頷ける話だ。そして、半世紀にわたってソニーの歴史を世に発進し続けてきたソニービルは、“立て替え”という一つの節目を迎える。建て替え前の最後のチャンスとして、ソニービルが刻む新たな「歴史」と「未来」を感じてみてはいかがだろうか。

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↑新たに誕生するソニーパークはオープンスペースとして開放される予定

 

「It’s a Sony展」Part-2
開催期間:2017年2月22日(水)~3月31日(金)
開催時間:11:00~19:00※変更となる可能性あり
開催場所:ソニービル(東京都中央区銀座5-3-1)
入場料:無料