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2016/9/13 22:00

【ここだけ1999年】Pメール/パルディオ/MOZIOーーPHS戦国時代前夜の大手3社の端末レビュー

過去の懐かし製品を紹介する「ここだけシリーズ」が満を持して復活。今回は、1999年にDDIポケットのエッジが登場したことで、競争が激化したPHSを扱っていきます。

 

1997年末を境に加入者減を続けていたPHSですが、1999年頃にはデータ通信には欠かせない存在にまで定着。NTTドコモに続いてDDIポケットが64Kbpsの高速通信に対応したことで、一気に注目を浴びるようになりました。ここでは、当時台頭していた大手3社のPHS端末を、1999年当時の目線で商品を解説していきます。

 

■DDI POCKET

新サービス「エッジ」をスタート

DDIポケットが7月末から新しくスタートした「エッジ」サービスは、従来のハンドオーバー機能をいっそう充実させて64Kbpsの高速通信に対応した。PIAFS2.1規格の「ベストエフォート」方式は、ISDN並みのスピードで、切れにくいのが特長だ。端末のハンドオーバーをアップさせる「ツインウェーブ機能」は、通話中に別の基地局をサーチしておき、約コンマ1秒程度の瞬時に切り替えるもので、高速移動中でも切れにくい。移動中は、常に質の良い電波を探しておくため、ハンドオーバーもスムーズで、通話品質も向上している。対応端末はまだ少ないが、これから増えていく可能性が高い。いよいよPHSと携帯の差が縮まってきたわけだ。

 

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DDI POCKET

PASCAL(三洋電機製)

文字ズーム機能を搭載

メールをチェックするときに、文字の大きさを4段階で大きく表示できるので、メールの確認がしやすい。低解像度のディスプレイにも美しく表示できる機能だ。

 

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DDI POCKET

ル・モテ(パナソニック製)

48文字を表示する大型液晶

最大で48文字を表示する大型のディスプレイを搭載し、長文メールも読みやすい。バックライトは2色から選べる。前面のマルチファンクションボタンの操作も簡単だ

 

<メール受信画面>

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DDIポケットのPメールDXは、通話料金だけでEメールが使えるサービス。約1000文字のメッセージが送受信できる。

 

 

■NTT DoCoMo

パルディオEメールに対応

NTTドコモは、今春からPIAFS64規格に対応し、64Kbpsの高速通信を山手線圏内等でスタートした。従来の32K通信の2回線を1つに束ねることで64Kの速度を実現。ISDN並みのスピードでアクセスできる。90秒10円と通信料金も安く、32Kと64Kどちらでも、まったく同じ料金で利用できる。パルディオEメールは、プロバイダーとの契約なしでEメールが使えるサービスで、メールセンターを経由して送受信するしくみ。最大で1500文字の送受信が可能なので、PHSでもメールのやりとりが快適にできる。メールを送信してから受信するまでのタイムラグができてしまうが、1メール7円で送信できる安さなら使っていても安心だ。

 

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NTT DoCoMo

パルディオ621S(シャープ製)

フラップ付きシルバーモデル

おもしろ時計は、待受け表示中にキャラクターが1時間ごとに変化する楽しい機能。「サーチ」ボタンを2秒間押すと、つながりやすいアンテナを自動的に探し出してくれる。

 

NTT DoCoMo

パルディオ622S(シャープ製)

フラップなしモデル

4方向カーソルキーがついて長文の作成やイラストの作成が簡単。電話番号検索とメールアドレス検索機能も使える。色はパールホワイトと、ラベンダーブルーの2色。

 

<メール送信画面>

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Eメールセンターを経由してからメールを送受信するので、受信までに時間がかかる。テストでは20から30分の差があった

 

 

■ASTEL

欲しい情報を入手する文字サービス

MOZIOサービスとは、サーバーに登録されている情報を検索して欲しい情報を取り出すサービスのこと。基本料金が不要でデータ通信料金だけで入手できる。コンテンツの内容は、ニュース、天気予報、終電案内、チャットなど生活からビジネスまで役立つサービス情報が18種ある。

 

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ASTEL

AP-32(パナソニック製)

メール作成に快適

ハンドオーバーが従来の1/4以下のスーパースムーズを搭載。キャラクター機能も選べる。

 

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ASTEL

AJ-32(JRC製)

スーパースムーズEX

8桁×6行の大型液晶が特長。ハンドオーバーが従来の1/50のスーパースムーズEXを搭載している。

 

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ASTEL

AT-31(東芝製)

光で着信を知らせる

アステル端末同士でメロディ付きメールが読める「Mメール」と、「Aメール」が使えるモデル。

 

64Kの高速通信対応& 低価格なEメール

PHSは、軽さと端末、通話料金の安さで加入者を伸ばしていたが、携帯電話と料金の低価格化と、PHSの通信環境の不便さから、97年末を境に減少の一途をたどり、98年末の加入者は700万人に低迷している。一方で、1人あたりの通信時間と発着回数は上昇しているという。つまり、賢いユーザーたちは携帯電話で通話をし、PHSでデータ通信をするといった使い分けをしているわけだ。

 

今春からスタートしたNTTドコモの64K通信に続き、7月にはDDIポケットが64K通信の「エッジ」を開始してデータ通信競争が激化している。また、PHS端末単位でインターネットメールを送受信できる機種も出ている。DDIポケットの「PメールDX」と、NTTドコモの「パルディオEメール」は、端末でEメールをやり取りできるサービスで、仕組みはどちらもほぼ同じ。ユーザーはセンター宛にメールを送ることで相手とメッセージをやり取りするが、ユーザーがセンターを意識する必要はない。DDIポケットでは、PメールDXを利用した文字電話サービスも実施している。

 

一方で、東京通信ネットワークの「アステル」は、PIAFSを利用して文字情報を送受信する情報サービス「MOZIO」とアステル端末同士のメールサービスをおこなっているが、現時点ではEメールの送受信はできない。