ファッション
ホン・モノ・ケイカク
2016/9/17 10:45

イチローのグラブを手がける匠が語る。「最初は1つも受け取ってもらえませんでした」

MLB3000本安打など数々の偉大な打者記録を打ち立てたイチロー選手は、守備の名手としても知られています。07年から同選手のグラブを手がけるミズノの岸本耕作さんが、使用する皮革選びから型付けなどの仕上げまで一貫して手がけ、本物に限りなく近いクオリティを実現したのが「ICHIRO “MODEL 2016” プレミアムレプリカグラブdirected by Kousaku Kishimoto」。9月24日から51個限定で発売されます。

 

本記事では岸本さんにイチロー選手との秘話などを紹介していきます。

 

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ミズノが誇る〝匠〟がこだわり抜いた逸品

「初めてイチロー選手にグラブを渡したとき、持参した6個すべて受け取ってもらえませんでした。手にはめた瞬間に『これは使えません』と、ハッキリ言われましたね」ミズノ テクニクスのグラブマイスター岸本耕作さんは、2007年当時シアトル・マリナーズに所属していたイチロー選手との出会いを振り返ります。

↑ミズノ テクニクスのグラブマイスター岸本耕作さん。イチローをはじめ多くのプロ用グラブを手がける。
↑ミズノ テクニクスのグラブマイスター岸本耕作さん。イチローをはじめ多くのプロ用グラブを手がける。

 

それまで同選手のグラブを手がけていた名匠・坪田信義さんが引退。後任を務めることになった岸本さんには、大きなプレッシャーがかかっていたはず。それだけにショックも大きかったに違いないものの、イチロー選手の常人離れした用具へのこだわりを示すエピソードともいえます。

↑ミズノ テクニクス波賀工場(兵庫県宍粟市)の外観。ここではプロ用を含めたハイエンドのオーダーグラブを製造している。
↑ミズノ テクニクス波賀工場(兵庫県宍粟市)の外観。ここではプロ用を含めたハイエンドのオーダーグラブを製造している。

 

「自分がヘコんで済むならいいですが、それではイチロー選手が使うグラブがなくなってしまいますからね。必死でした」と岸本さん。イチロー選手がグラブで最もこだわっているのは、手にはめたときのフィーリング。これを共有するために、何度も打ち合わせを重ねたのだそう。

 

適度に柔らかくて軽量。それでいて、ある程度の「しっかり感」を備えること。文字にすると簡単だが、実際は限りなく繊細な仕事です。

岸本さん専用の工房。革の裁断から縫製、仕上げまで、すべての工程をここで行っている
↑岸本さん専用の工房。革の裁断から縫製、仕上げまで、すべての工程をここで行っている

 

「革製品は“生き物”ですから、同じ職人が同じ製法で作っても、仕上がりに少しは違いが出てしまうもの。だからこそ、イチロー選手のグラブは素材選びから徹底してこだわり、裁断や縫製、仕上げまでひとりで手がけています。『これなら使ってもらえる』と思えたモノだけを選んで持っていきます」

 

イチローモデル担当として10年目を迎えた今年は、3つのグラブをキャンプ地に持ち込みました。そのうち、イチロー選手に受け取ってもらえたのはひとつだったのだとか。

 

↑仕上げの様子。オイルを付けてもむことで型をなじませる。
↑仕上げの様子。オイルを付けてもむことで型をなじませる。

 

「いまでもそんな感じです。まだまだ必死ですよ」 少しはにかむように相好を崩しながら、岸本さんは言います。その伝説的グラブマイスターが、イチローモデルとまったく同じ工程で作り上げたグラブが、数量限定で9月24日から一般販売! 素材選びから仕上げまで、超一流のこだわりが詰まった逸品を、このチャンスに必ず“キャッチ”したいものですね。

 

イチロー選手のグラブへのこだわりとは?

ここではイチロー選手自身のグラブへの「こだわり」もご紹介します。

1.革を極限まで薄くすることで軽量化して操作性を追求

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ハンドリング性を高めるため、極限まで軽量化しています。一般的なグラブに使う革は2㎜弱ですが、本モデルはもっと薄いものを使用。当然耐久性は落ちるため、ひと月に1回ほどで交換するのだとか。

 

2.ヒモはやや緩めに絞めて開きが良くなるように

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グラブがよく開くよう、ヒモはやや緩めに絞めるのがイチロー流。ただ、MLB打者の強い打球にも押されずに捕球できるよう、日本でプレーしていたころに比べると少しキツめにしているそう。

 

3.フィーリングを変えないためヒモは結ばないままにする

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パッと見でもユニークなのは、通常は結ぶグラブのヒモをそのままにしている点。何度もヒモを結び直すと、手にはめたときのフィーリングがそのたびに変わってしまうためだという。

 

 

ミズノ『ICHIRO “MODEL 2016” プレミアムレプリカグラブdirected by Kousaku Kishimoto
(19万4400円)は、イチロー選手の背番号にちなんで数量51個限定で販売されます。9月24日の正午より、ECサイト「ホン・モノ・ケイカク」にて予約販売がスタート。

 

【URL】
ホン・モノ・ケイカク http://hon-mono-keikaku.com/item/?p=4043

 

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