乗り物
2018/1/23 20:00

カーナビもスマホ連携が当たり前に! “彩速ナビ”最上位モデル 新「TYPE Z」を体験してきた

ケンウッドは2018年の春商戦に向け、2月中旬以降に発売する新型「彩速ナビ」の新製品2モデルを東京オートサロン2018に出展した。会場では新製品を取り付けたデモカーや製品の単体展示も行い、いち早く手に触れて新製品の良さを体感できるようになっていた。

↑「東京オートサロン2018」に出展したケンウッドのブース
↑「東京オートサロン2018」に出展したケンウッドのブース

 

ケンウッドではこの新型「彩速ナビ」を発表するにあたり、「AV一体型ナビはインフォメーションという領域がより重要になって来ており、従来の画一的な情報を伝えるのではなく、運転状況に最適化した案内や情報を伝えることが欠かせない」とし、それは“AV機能”“ナビゲーション機能”“インフォメーション”“ドライビングコンディション”の4つが重なる領域として反映されるという。そのコンセプトの下で発表された新製品が、“905”のモデル名を与えられた彩速ナビの最上位モデル「TYPE Z」シリーズというわけだ。

↑ケンウッドが「東京オートサロン2018」で発表した、同社のフラッグシップモデル「TYPE Z」シリーズ
↑ケンウッドが「東京オートサロン2018」で発表した、同社のフラッグシップモデル「TYPE Z」シリーズ

 

スマホと連携する“スマート連携”がキーワード

「TYPE Z」シリーズは、7V型ワイド画面を備える200mmワイドの「MDV-Z905W」と180mmモデル「MDV-Z905」の2モデルをラインナップ。ケンウッドのフラッグシップモデルとして、DSDやFLAC/WAVに加え、新たに高音質コーデック「LDAC」にも対応することでハイレゾ音源に幅広く対応したことが最大のポイントとなる。特に「LDAC」への対応は、急速に増えているBluetoothワイヤレス接続での利用を重視し、使い勝手の良さとと高音質再生の両立を実現するものとして注目される。

↑「TYPE Z」シリーズは、スマート連携が大きなポイントでその拡張性の広さを訴えていた
↑「TYPE Z」シリーズは、スマート連携が大きなポイントでその拡張性の広さを訴えていた

 

さらにスマートフォン(スマホ)用の定額制音楽配信アプリ「SMART USEN」にも対応したのも大きなポイントだ。「SMART USEN」は、1000を超える音楽専用チャンネルで、スマホとBluetooth接続すれば聴きたい楽曲がエンドレスで流れ続けるだけでなく、ナビ画面上ではチャンネル選択やアルバムアートなども表示も可能になる。これにより、音源を持ち込まなくても、最新の楽曲からオールデイズまで気分に合わせて楽曲を再生して楽しめるわけだ。また、昨年10月に発売した「TYPE M」シリーズに続いて、「Apple CarPlay」「Android Auto」などのスマホ連携機能を採用してもいる点も見逃せない。

↑AVシステムのとしての能力の高さもアピール。「LDAC」への対応はもちろん、一般的に需要の高い「Apple CarPlay」「Android Auto」との連携も強くアピールした
↑AVシステムのとしての能力の高さもアピール。「LDAC」への対応はもちろん、一般的に需要の高い「Apple CarPlay」「Android Auto」との連携も強くアピールした

 

ナビゲーション機能も進化

新型「TYPE Z」シリーズは、ナビゲーション本来の機能としても大幅な進化を遂げた。その機能のコンセプトは、「ドライバーを真の意味でアシストしナビゲートしてくれる」(ケンウッド)ことにある。その筆頭が新開発の6軸慣性センサーだ。一般的には6軸ジャイロとも呼ばれるものだが、これを搭載したことで、GPS信号の届きにくい山岳路や立体駐車場でも正確に自車位置を割り出す、圧倒的な自車位置精度を発揮するまでになった。この機能は高精度な案内機能の実現にもつながり、これはたとえば「逆走警告」にも対応することともなった。まさに新型「TYPE Z」は社会的な問題としてクローズアップされている事象にもいち早く対応したのだ。

↑「ドライバーを真の意味でアシストしナビゲートしてくれる」ナビとして、スマホ連携で様々な情報を取り込んでくれる
↑「ドライバーを真の意味でアシストしナビゲートしてくれる」ナビとして、スマホ連携で様々な情報を取り込んでくれる

 

↑ルートガイドで表示されるINFOウインドウの一例。天気情報や目的地と現在地の位置関係を感覚的に把握できるGUIも表示。写真は180mmサイズの「MDV-Z905」
↑ルートガイドで表示されるINFOウインドウの一例。天気情報や目的地と現在地の位置関係を感覚的に把握できるGUIも表示。写真は180mmサイズの「MDV-Z905」

 

そして、もう一つのアシストがドライブレコーダーやETC2.0との連携だ。ケンウッドではこれを「スマート連携」と表現する。実はドライブレコーダーの需要は、“あおり運転”の抑止力としても効果が大きいと昨年あたりから急速に高まっており、その機能強化を進めたのがこの機能だ。注目は前後2つのドライブレコーダーを同時に扱える「ダブル録画機能」で、カーナビ画面には前後どちらかの映像を切り替えて表示することが可能。さらに、リア用の「ナビ連携型ドライブレコーダー」は、後方視界が見えにくい場合はルームミラー代わりになる「バーチャルルームミラー機能」も装備する。ETC2.0とのリンクでは圏央道利用時に割引にも対応した。

↑「TYPE Z」シリーズでは前後二つのドライブレコーダーを接続し、自在に切り替えて表示することができる
↑「TYPE Z」シリーズでは前後二つのドライブレコーダーを接続し、自在に切り替えて表示することができる

 

また、会場ではハイレゾ再生に対応しながら手頃な価格帯を実現したカスタムフィットスピーカー「USシリーズ」との組み合わせも介。音の入口から出口までハイレゾの醍醐味を存分に味わえる強力なラインナップをじっくりと体感することができた。

↑視聴位置やスピーカー位置などを、より本格的で精密な音質調整を可能にする「プロモードEQ」搭載
↑視聴位置やスピーカー位置などを、より本格的で精密な音質調整を可能にする「プロモードEQ」搭載

 

これとは別に「Google Assistant」によるデモも行われた。これは車載機に「Google Home」の機能を持たせることで実現するもので、車内から登録した自宅などのエアコンや照明のON/OFFをはじめ、鍵などのLOCK/UNLOCKを可能にするものだ。実はGoogle Assistantによるコントロールは、CES2018に出展したケンウッドのブースでも披露されており、市販ナビでの展開としてケンウッドが先鞭を付けた格好となった。

↑Google Homeをコントロールする専用アプリ「Google Assistant」を車載で利用するデモも披露された
↑Google Homeをコントロールする専用アプリ「Google Assistant」を車載で利用するデモも披露された

 

多数の先端機能を搭載する新「TYPE Z」は、まさにフラッグシップの名にふさわしいモデルになっているといえる。