TikTokフォロワー数400万人を越えるMumeiさん。高校生のときにアカウントを開設すると、自由きままにアップしていたダンス動画が「かわいすぎる」「中毒性ある」とじわじわ話題を呼び、またたく間に人気インフルエンサーになった、まさにTikTokドリームの渦中にいる女の子だ。2022年には「TGC teen 2022 Tokyo」でランウェイデビューを果たし、昨年にはアーティストデビュー。そして3月には初のフォトブックの発売も決定している。巧みすぎる編集や、YouTubeのような大掛かりな企画などがひしめくTikTok界で、“圧倒的なカワイイとダンス”で王道を貫き独走しているMumeiさんに聞いた、友達のこと、中学のこと、そして、フォロワーへの愛。
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mumeiさん 公式TikTok @mumeixxx
【Mumeiさん撮り下ろし写真】
他校の生徒にも学校バレ
──高校生時代の体育祭の動画などを見て思うのですが、こんな子がいたら、学校は大騒ぎじゃないですか?
Mumei 学校の友達は普通でした。ただ友達から「他校の友達から、『そっちの学校にMumeiちゃんいるやろ』って言われた」という話をされて、その友達が「そんなに有名になったんだ!」とびっくりする、みたいなことは多かったです。
──他校の学生がMumeiさんの高校に集まることも?
Mumei そうですね。ちょっと怖いなと思ったのが、最寄り駅がバレてしまったことです。ファンの方は「応援しています」と話しかけてくれるからいいんですが、そうではないけど私の存在は知っているような人からの視線は苦手でした。はじめたきっかけが友達との遊びの延長線上だったので、「本名がバレてやばい」みたいな感覚もなかったんですよ。今思うと、もっと考えるべきだったなと感じます。
──危機感がなかった?
Mumei そう、顔を出してネットで活動するということのリスクですね。
「今の友達がいなかったら終わっていた」
──往年のアイドルたちは、友達が通学路をがっちりガードしてくれたという話をよくします。Mumeiさんもそうでしたか?
Mumei 見にきてくださる他校の方も多いので、友達が「来てるで、隠れて隠れて!」と守ってくれていましたね。一方で、同じ学校でも私のことをよく思わない人もいたと思います。悪口も言われていたと思いますが、ダイレクトに私の耳に入ってくるわけではないし、自分、メンタル強いんで。そんなの気にしていたら終わりやし、負けやし。噂されてるんやろうな、って自分でもわかりますが、前に出て活動しているので噂されるのは仕方がないと思っています。
──信頼できる友達がいるからこそ、強くなれるんでしょうか。
Mumei 身近な友達はいい子ばかりです。友達自体は少ないんですが、仲が深いですね。
──友達の支えを実感したのはどんなときですか?
Mumei 外で遊んでいるとき、自分は気づかなかった盗撮に気づいてくれて「撮られてるよ」と、壁になってくれたり。TikTokをやりすぎて勉強がおろそかになると、勉強を教えてくれたり、授業中にこっそり答えを教えてくれることもあったり。
──いいお友達ですね!
Mumei いやほんまに、マジで、今の友達がいいひんかったら終わりだと思っています。
圧倒的な表現力の一方、恥じらいも
──ご家族の中のMumeiさんはどんなキャラクターなんでしょう。YouTubeを見るととても明るくポジティブに感じますが。
Mumei 静かな方です。しゃべるの苦手やし。でも、SNSで活動をしているときは自分が楽しいと思うことなので、無意識にテンションが上って、気持ちが高くなるんです。
──抜きん出た表現力も、自然と湧き上がってくるのでしょうか。
Mumei 表現力……よく言っていただくんですか、とにかく前に出ることがうれしくて楽しくて仕方がない感じです。あとは、母が若い頃にストリートでギターを弾いて歌うアーティストだったり、親戚中みんな音楽をやっていて、それに影響されている部分もあります。
──そうだったんですね! 幼少期から根づいたものだったんですね。
Mumei ただ、やっぱり最初は恥ずかしかったんです。カメラの前で1人で表現することが。自分で見返して共感性羞恥でむずがゆくなってしまうというか。でも、見てくれるみんなが「表現力がすごい」と言ってくださるから、恥じらいをなくしていこうと意識を変えていくようになりました。
──吹っ切れたタイミングがあったんですね。
Mumei いや、実はまだ、吹っ切れてはいないです。今でも恥ずかしい気持ちはありますが、とにかく頑張っています!
野球とキックボクシングで鍛えられたメンタル
──高校生以前、中学時代のMumeiさんについてもうかがいたいんですが、野球部だったり、今と印象が全く違いますよね。
Mumei そうです。ボーイッシュ系でした。このときにメンタルが鍛えられたと思います。野球もキックボクシングも、メンタルが強くないと続けられないことなので。
──自分で「やりたい」と言ったんですか?
Mumei そうですね。自分、影響されやすくて、弟や周りの人がやっていたら、負けず嫌いな気持ちになって「自分もやる!」みたいな。でも、かわいい女の子への憧れは小学生の頃からずっとありました。“高校デビュー”という言葉があるじゃないですか、それを自分も頑張らないとな、と思ったんです。“高校=青春”で、恋愛! みたいなイメージがあって、みんなが思い描くような女の子になりたいなって。
──みんなが思い描く女の子とは、例えば?
Mumei 黒髪ロングの清楚系です。自分もそれに憧れがあって、それに寄せて高校生活を送っていました。
──アニメの主人公のような。
Mumei そうです。アニメの主人公ってほぼみんなそれですよね。そもそも中学時代はSNSは見ても使ってもいないし、LINEもしていないし、ひたすら勉強と運動だけをやっていました。それが楽しかったんです。
素顔は、県知事に恐縮する19歳
──中学時代の同級生がいまのMumeiさんを見たら、驚きますよね。
Mumei 多分驚きます。だから同窓会、行きたいんです。道端でも、ばったり会って「え!?」みたいな反応をもらったことがあって、そういう反応をしてくれたり「変わったやん!」と言われることがうれしくて。頑張ったおかげで変わることができたんだなって、うれしいんですよね。
──昨年は楽曲「堂々」や「IF」を公開し、アーティスト活動も開始しました。
Mumei ボカロPさんとコラボして作りました。自分のやり方は、「有名な人からのオファーor依頼する」のではなく、「身近な人と一緒に大きくなりたい」というスタンスなんです。なので、世間は知られていないけどステキなボカロPさんと一緒に作りました。アーティスト活動はこれからもどんんどんやっていきたいです!
──活動の幅が広がっていきますね。出身地である滋賀県のPRなど、自治体とも仕事していますよね。
Mumei そう! ひこにゃんとも会って、かわいかったです。あと迫力のあるおじさんたちがたくさんいて……大人がいっぱいいて、県知事さんが目の前にいて、ほんまに怖くてめっちゃ緊張しました。あんな大物に会えるなんて……。
「フォロワーさんの意見を聞くのが大好き」
──(笑)。最後に、今後の展望を教えてください。
Mumei YouTubeの登録者数100万人を目指しつつ、TikTokを毎日投稿して、フォロワーさんと距離を縮めていきたいです。自分、ファンのことが大好きなので、名前と顔を覚えたい!
──前編でも「フォロワーさんにとってうれしいことをやる」といった話があったように、フォロワーの存在をとても尊重されているように感じます。そういった気持ちが動画にも反映されていますか?
Mumei むしろそれが一番大きいですね。自分は、フォロワーさんの意見を聞くのが大好きなんです。「◯◯系が好き」と言われたらそれを踊るし、「△△系の服がいいな」と言われればその服でダンスをするし。海外から応援してくださる方もいるので、その人たちに向けて英語表記をしたり、世界を意識した音源を使ったり、幅広い方に理解してもらえるようにしています。
──だから「Mumei」という名前なんでしょうか? 「無名」であるからこそ何色にも染まるといいますか。
Mumei ……! それでいこう! 決めました。それいいな。どんな女の子にも変わることができるよ、っていうコンセプトだよと。
──あ、そういう由来じゃないんですね(笑)。
Mumei 違います(笑)。本名で活動したくなくて、「何にしよう。名無し……名無し……うーん、無名でいいやん!」って感じで、数分考えて適当につけたんです。それがこんなふうになるなんて、人生、なにが起こるか本当にわからないですよね。
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撮影/佐賀章広 取材・文/有山千春 構成/BuzzTok NEWS Buzz Tok NEWS公式HP https://buzz-tok.com/