伸び盛りのハイセンスが「RGB Mini LED」搭載高級テレビを発表。これが新世代の高画質

ink_pen 2026/5/15
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伸び盛りのハイセンスが「RGB Mini LED」搭載高級テレビを発表。これが新世代の高画質
山本 敦
やまもとあつし
山本 敦

オーディオ・ビジュアル誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。ハイレゾに音楽配信、スマホなどポータブルオーディオの最先端を徹底探求。海外の展示会取材やメーカー開発者へのインタビューなども数多くこなす。

中国に本社を置く総合家電メーカーのハイセンスが、次世代の映像体験を追求したスマートテレビ「UXSシリーズ」を発表しました。

ハイセンスのテレビは、これまではどちらかと言えば価格が手頃でコストパフォーマンスが高いイメージが先行してきました。新たに登場したUXSシリーズは、画質・音質・機能のすべてにおいて同社の本気度がうかがえる、力のこもったフラッグシップモデルです。液晶テレビの高画質化技術である「RGB Mini LED」が搭載されたのも大きな特徴と言えます。

新世代の「RGB Mini LED」、どんな技術?


↑100V型の大型モデルもラインナップに加わった、ハイセンスの液晶テレビのフラッグシップ「UXSシリーズ」。

UXSシリーズのラインナップと市場想定売価、モデルごとに違う発売日は以下の通りです。

・RGB100UXS(100V型):オープン価格(市場想定売価198万円前後)/5月25日発売

・RGB85UXS(85V型):オープン価格(市場想定売価132万円前後)/5月25日発売

・RGB75UXS(75V型):オープン価格(市場想定売価59.4万円前後)/6月15日発売

・RGB65UXS(65V型):オープン価格(市場想定売価48.4万円前後)/6月15日発売

従来からハイセンスが展開してきた液晶テレビの上位モデルは、白色LEDを光源とするMini LEDバックライトを搭載していました。

UXSシリーズの大きな特徴は、新たにバックライトとして採用されたRGB Mini LEDの技術です。色の3原色、赤(R)・緑(G)・青(B)ごとに独立したMini LEDを敷き詰めて、明滅と色を緻密に制御することで、従来の白色LED光源のMini LEDバックライトよりも色再現性を大幅に高められます。

ディスプレイデバイスの色出力を測る指標には、国際電気通信連合(ITU)が定めた広色域映像規格のひとつであるBT.2020があります。ハイセンスの従来のMini LEDはBT.2020の色域を最大75%までカバーしていましたが、新しいRGB MiniLEDは、カバー率が100%に到達しています。

↑RGBのMiniLEDを独立配置。正確な色再現を特徴としています。
↑UXSシリーズが搭載するRGB MiniLEDバックライトは、HDR映像を再現する際にBT.2020の色域を100%カバーします。

RGB MiniLEDがもたらすもうひとつのメリットは、バックライトの発光効率を高めることです。

従来の方式では白色LEDバックライトが光を放ち、3色の液晶フィルターの層を照らして映像を作っていました。緑の映像を作る際には、緑色の液晶フィルター以外は光が透過させないという仕組みです。この方式では、せっかくバックライトが光を放っても、不要な色の光が弾かれるぶんだけエネルギーロスが発生します。RGB MiniLEDでは、緑色を再現したいときには緑色のバックライトだけを発光させるため、エネルギーロスを小さくできます。ひいてはテレビの省エネ性能改善にも貢献するわけです。

↑発光に無駄がないこともRGB MiniLEDバックライトの特徴です。

RGM Mini LEDバックライトの明滅を緻密にコントロールするためには、従来の白色LEDバックライト方式よりもさらに多くのデータ処理を同時に、平行しながら行う必要があることから、スマートな映像エンジンが必要になります。ハイセンスはUXSシリーズのため、独自に「Hi-View AIエンジン RGB」を開発しました。

このエンジンにはテレビの画づくり全般を行うAIチップのほかに、RGBバックライトの制御をより正確に細かく行うための専用AIチップが併載されています。この新開発の「ダブルAIエンジン」が、映像ソースの明暗とグラデーション、さらには色彩を忠実に再現するための中核的な役割を果たしています。

↑RGBバックライトの精密なコントロールに専念するAIチップを搭載しています。

UXSの4モデルは環境光の反射を抑える「黒曜石パネル」を採用しています。視野角も広く、少し斜めの角度からパネルをのぞき込んでも映像の色彩をキープします。

サウンドにも大きなこだわり。「Devialet」と共同開発したシステムを採用

ハイセンスが開催した記者会見の会場で、100V型と75V型のUXSシリーズを視聴しました。映像の暗部が深く引き締まり、鮮やかな色合いが引き立ちます。独自の映像処理回路である「Hi-View AIエンジン RGB」により、ノイズが巧みに抑えられるので、画面サイズの大きさを持て余すように映像が荒削りになることがありません。被写体の輪郭が鮮明で、立体感に富んでいます。平坦部に見られがちな映像のざわつきもよく抑えられています。

↑75V型のUXSシリーズも視聴しました。色合いの鮮やかさが目立ちます。

UXSシリーズはベゼルを徹底的にスリムにして、テーブルトップスタンドも主張を抑えたデザインを採用しています。まるで映像だけが宙に浮いているような視覚感が味わえます。リビングのインテリアにも自然になじむ、落ち着いたシンプルなデザインです。

UXSシリーズの大型モデルである100V型と85V型には、フランスのオーディオブランドである「Devialet(デビアレ)」とハイセンスが共同で開発したサウンドシステムをビルトインしています。

↑フランスのオーディオブランド、DEVIALETとサウンドシステムの開発とチューニングの協業を行っています。

2007年にパリで創立されたDEVIALETは、独自の高音質技術を載せたヘッドホン・イヤホン、サウンドバーなど様々な製品を、日本国内でも展開しています。独特なデザインを特徴とする「ファントム」は同社の代表的なHiFiクラスのスピーカーです。

テレビの背面には、このファントムのウーファー構造をリファレンスにしたという低音再生用のウーファーが左右に3基ずつ、合計6基あります。フレームの上部にも、ユニットを上に向けて配置したトップスピーカー、サイドスピーカー、下向きのスピーカーとセンターチャンネル専用スピーカーを設けており、贅沢なマルチスピーカー構成としました。

↑フレームのトップには上向きにスピーカーユニットを配置。ドルビーアトモス音源の立体感を高めます。
↑パワフルなウーファーユニットを背面に配置。

説明会ではサウンドのデモンストレーションも行っていたものの、とても短時間だったうえ、オーディオを聴くための環境が整っていなかったので、実力の評価には不向きな機会でした。あらためて試せることを期待したいと思います。

なお65V型/75V型のUXSシリーズには主にハイセンスが設計して、DEVIALETがサウンドのチューニングを監修したサウンドシステムが搭載されています。

RGB Mini LEDを搭載する弟妹機の発売も予告

ハイセンスジャパン株式会社 副社長の山本一人氏は、日本国内におけるハイセンスブランドのテレビが着実にシェアを伸ばしつつあることを、発表会の壇上で強調しました。日本に進出した当初はオンライン販売を中心に展開してきましたが、現在は家電量販店などオフライン(店頭)のシェアが20%弱にまで拡大しているそうです。台数ベースでは国内第3位のポジションにまで登り詰めた格好です。

ハイセンスは、3大会連続でサッカー・ワールドカップの公式スポンサーを務めている企業のひとつ。国内では2023年から日本のプロ野球チーム「横浜DeNAベイスターズ」のスポンサーに就任しており、それぞれの効果がブランドの認知拡大を加速させています。

↑Mini LEDバックライトを搭載するハイエンドの「U8S」シリーズと、エントリーの「U7S」シリーズも順次2026年のラインナップに追加。ますます厚みを増しています。

5月には同ブランド史上最高画質のUXSシリーズが店頭に並びますが、さらに8月には、UXSシリーズの高画質化技術を継承しつつ、機能をコンパクトに抑えて手頃な価格設定を実現した、RGB Mini LED搭載液晶テレビの弟妹シリーズの追加も予告されています。2026年以降は、ハイセンスというブランド名にそこかしこで遭遇する機会が増えそうです。

ちなみに5月25日に発売されるUXSシリーズと、Mini LEDのハイエンドモデルであるU8Sシリーズには、ハイセンス独自のAIプラットフォームである「VIDAA(ヴィダー)」のさらに強化されたバージョンが搭載されます。

↑生成AIエージェントをテレビに搭載。ボイス操作に対応します。

新しいVIDAAには、Open AIのGPTモデルをベースにした生成AIエージェントが組み込まれます。ボイスチャット機能も搭載され、例えば視聴中の映画のストーリーを要約してもらったり、スポーツの試合観戦時に選手の詳しい情報を聞いたりといったことが可能になります。テレビの音量調整や入力切り替えなどの基本操作も、リモコンを使わずに音声だけで行えます。音声入力操作を始める際のウェイクワードは「ヘイ、ヴィダー」です。

ハイセンスのスマートテレビのプラットフォームも、独自開発による「VIDAA OS(ヴィダー OS)」です。中国ではホームネットワークにつながる家電との様々な連携機能を実現していますが、日本国内ではインターネット動画配信サービスのアプリのほか、どのような機能が使えるようになるのか楽しみです。

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