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2023/3/27 21:30

我が子に依存しすぎていませんか? 正しい母娘関係の距離感とは?『娘が理解できません』

母と娘の関係は、身近な同性であるからこそ難しいものがあります。ついつい過干渉になり、娘の人生を制限してしまう母親もいるとのこと。どのように関われば、程よい距離を保つことができるのでしょうか。

 

娘のことはなんでもわかる!?

娘が理解できません』(岩井俊憲・著/小学館クリエイティブ・刊)は、とても意味深なタイトルです。そこには、娘のことをすべて理解できて当然、と思い込んでいる母親がいることが示唆されているように感じるからです。

 

筆者の周りにも、娘の就職先から結婚相手のことまで細かく口を出す母親がいます。そして、娘さんが母親の考えるベストな選択をしないと激怒することもあります。なかには結婚を反対され続けてアラフォーになってしまった娘さんもいて、深刻なケースもあると感じています。

 

娘には娘の人生がある

筆者にも美大生の娘がいます。子どものころから絵が上手だったので、母親としては画家になってくれたらうれしいなと考えていましたが、本人は広告系のデザインを大学で学ぶことを選択しました。その時は正直言って少しもったいなく感じましたが、進路を変えさせようとは全く思いませんでした。

 

私が娘の年齢だったころ、親に進路を反対され続け、願書提出当日まで手続きをしてもらえませんでした。その時の悲しさや不安は相当なものだったので、娘の進路に反対する気になれなかったのです。そんなことをしたらどれほど辛い思いをするかわかっていますから。

 

人生の主人公は誰?

当時私がよく聴いていたのは、さだまさしさんの『主人公』という曲でした。自分の人生では自分が主人公だと教えてくれる素晴らしい歌です。心底その通りだと思いましたし、たった一度の人生なのだから親の意見に左右されずに自分のやりたいように生きてみよう、と勇気をもらいました。

 

『娘が理解できません』によると、これと同じことがアドラー心理学にもあり、「自分が自分の人生の主人公として生きる」という自己決定論というのだそうです。子どもに依存しすぎず、母親が自分自身で社会とつながっていくことで、母娘の関係も安定に向かうのだとか。

 

母娘関係のスペシャリスト

本の著者・岩井俊憲さんは20万人以上に講演やカウンセリングで関わり、アドラー心理学を活かして母娘関係のサポートを続けて来られた方。そのため、難しい局面が訪れた母娘の事例も豊富に載っています。

 

読んでいて気になったのは、娘の人生をコントロールしようとして圧力をかけてしまう母親たちの様子です。子育てに真剣だからこそ、他のことが見えなくなるほど集中してしまい、娘に寄りかかりすぎてしまうのは、健全だとは到底思えません。

 

娘以外の生きがいを作る

子どもはいつか離れていく存在のはず。本のQ&Aコーナーでは結婚した娘に対し「早く離婚して帰ってくればいいのに」とまで考えている母親まで出現し、その行き過ぎた考えに心配になりました。親離れされるのは確かに寂しいですが、執拗に追いすがって娘の負担を増やすべきではないはずです。

 

しかし、本の中では娘との関係を無事立て直し、良い関係を築けるようになった行動的な母親の姿も何例も出てきます。筆者の周りでも推しタレントの応援に夢中になっているような母親は元気いっぱいです。子育てを終えた後の楽しみを早くからたくさん用意しておくことが、お互いの関係を重くしないコツなのかもしれません。

 

縁あって親子となった関係なので、できればこじれず穏やかに関わっていたいもの。本書は悩める母親に温かく「完璧な親などいません」と呼びかけ、完璧でない自分もまとめて受け容れることを推奨しています。さらに、注意すべき行動や、もし関係がこじれた場合の和解方法まで丁寧に示してくれています。成人した娘がいる母親は必携かもしれません。

 

【書籍紹介】

娘が理解できません

著者:岩井俊憲
発行:小学館クリエイティブ

アドラー心理学の第一人者が贈る、娘との関係に悩む母親必読の書。なぜかうまくいかない母娘関係の処方せん。

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