グルメ
ラーメン
2016/5/5 10:00

【ラーメンレビュー】サニーデイ・サービスの田中 貴が何度でも再訪したいと語る“ジワジワ系”ラーメンとは?

ラーメン好きミュージシャン田中 貴さんが、気になるラーメン店を訪問するコラム。今回は、スープ、麺、具の絶妙なバランスが楽しめる東京・荒川区の「麺処 富士松」にお邪魔しました!

 

あとから感動がジワジワ来る時間差攻撃ラーメン!

本当においしいラーメンってどんなラーメンなのか。ラーメンブログや、クチコミ投稿サイトでは、インパクトのある味や珍しい食材を使ったものなどの評価が高くなる傾向にある。食べ歩きを趣味とする人たちは、休日を利用して1日で数杯のラーメンを食べ、常に新店を追い求めているため、一度行った店に再訪することは少ない。そういう人たちが大絶賛しない店こそ、本当に愛されるラーメンなのでは、と思うことがある。

 

一般的に淡麗系といわれる澄んだスープのラーメンはアッサリだと思われているが、実は過多とも言えるほどの凝縮された旨みと、多めに入った香味油、再仕込み醤油などの濃厚な風味といった〝強い〟味わいがポイントになっている。初めて富士松の醤油らーめんを食べたとき、それらと真逆のアプローチに思わず唸った。鶏、香味野菜、節類の素材感が楽しめるスープをはじめ、麺、具材どれもが強く主張することはなく見事なバランスで支え合う。三河屋製麺だが、流行りの低加水の歯応えある麺じゃないのもセンスを感じる。

 

↑塩らーめん(780円)。醤油と塩で風味の異なる小麦を使った麺を 合わせる。インパクトのある表面的な味わ いではなく、奥深さに感動させられる一杯。
↑細麺を使った塩らーめん(780円)。醤油と塩で風味の異なる小麦を使った麺を合わせる。インパクトのある表面的な味わいではなく、奥深さに感動させられる一杯

 

さらにこのラーメンが面白いのは、翌日くらいに「また食べたい感」がジワジワと押し寄せてくるところ。塩を食べに再訪したら、メンマの味付けの絶妙さなどの細かなこだわりが感じられた。何度か食べることによってより深まる味わい。こういう店こそ近所に欲しい。

↑藤松店主は神奈川の「中村屋」出身だが味はオリジナル。派手さはな い堅実な湯切りにも好感が持てる
↑藤松店主は神奈川の「中村屋」出身だが味はオリジナル。派手さはない堅実な湯切りにも好感が持てる

 

20160504-s5-(2)

麺処 富士松

住所:東京都荒川区西尾久7-19-6 ベルメゾンヤスダ 104
営業時間:11:00~15:00、18:00~21:00
定休日:水曜日