2016年に発売され、革新的なデザインと圧倒的な風量・風圧で世間の話題をさらったダイソンのドライヤー「Dyson Supersonic(ダイソン スーパーソニック)ヘアードライヤー」。その新モデルが5月10日に発売されました。新モデルはなんと、日本人のために改良されたとのこと。いったいどのように進化したのか、5月9日に開催された発表会で改良ポイントをチェックしてきました。
ダイソンの技術を駆使し、速乾性と髪への優しさを兼ね備えたドライヤー
新モデルを紹介する前に、従来モデルから受け継ぐ特徴についておさらいしましょう。まず印象的なのが、そのデザイン。羽根のない扇風機「Dyson Air Multiplier」の技術を応用しただけあって、扇風機同様ヘッドが空洞になっています。このAir Multiplierは周りの空気を巻き込み、風量を3倍に増幅することで、高圧かつ高速な気流が速乾性を実現します。
この高速気流を生み出しているのが、小型の「ダイソン デジタルモーター V9(DDM V9)」。毎分11万回転する性能を備えながら非常にコンパクトなため、ヘッドではなくハンドル部への内蔵が可能に。そのため一般的なヘアードライヤーに比べて重心バランスが取りやすく、長時間使っても疲れにくいと評価されています。
さらに便利なのが、送風温度をコントロールする「インテリジェント・ヒートコントロール」機能。毎秒20回、風が当たっている場所の温度を測定し、熱くなりすぎないよう熱をコントロールします。つまり、髪へのダメージを抑えつつ、短時間で乾かすことができるというわけです。
最高温度引き上げと風量軽減で、スタイリング性がさらにアップ
では新モデルはどのように進化したのでしょうか。新製品発表会では、ダイソンの研究デザイン開発 パーソナルケア グローバルカテゴリーディレクターとしてヘアードライヤーの開発に携わるトム・クロフォード氏が登壇。新モデルの改良点について次のように語りました。
「髪は、その種類によってストレスの受け方が違います。アジア人の髪は太くて断面が丸いため、髪が絡みにくい一方、スタイリングが難しい。そこで日本のスタイリストとともに、日本のユーザーのための改良を加えました」と語るトム・クロフォード氏。具体的には、髪のうねりやクセをまっすぐに伸ばしやすくするため、最高温度を従来の78℃から100℃まで高めました。髪の熱によるダメージが150℃以上で起こることから、温度を上げつつも、髪が過度な熱で傷みにくい範囲に収める配慮がなされています。
さらに日本人女性は、顔まわりにレイヤーを入れた人が多く、顔まわりは弱めの風でスタイリングしたいというニーズがあったとのこと。それに応えるべく、強風(風量3)はそのままに、中風(風量2)と弱風(風量1)の風量を従来モデルよりあえて弱めています。
ちなみに、100℃に温度設定できるのは、高温(温度3)+弱風(風量1)で組み合わせたときのみ。中風(風量2)と組みわせると88℃、強風(風量3)と組み合わせると78℃になるといい、髪のダメージを抑えるための細かな配慮が感じられます。
シシド・カフカさんの完璧な“カフカヘアー”を再現
当日は、歌手、ドラマー、女優、モデルと幅広く活躍するシシド・カフカさんも登場。その美しい黒髪に、会場は大きなため息に包まれました。しかしよく見ると、毛先にはふんわりウェーブが。これを、ヘアメイクアーティストの小田切ヒロさんが、新しいDyson Supersonicを使って、“スーパーストレートヘア”にするといいます。
まずは髪全体を水で湿らせた後、全体をドライ。風圧が強いため、髪をかきわけることなく、根元までしっかり乾燥させられます。次に、付属のアタッチメント「スムージングノズル」を装着してドライすれば、風圧によってテンションがかけられるため、手ぐしでもブラシを使ったようにキューティクルが整えられるそう。さらにアタッチメントを「スタイリングコンセントレーター」に付け替え、100℃の高温でツヤ出しをして、最後に冷風で引き締めて完了です。
頭皮に熱を当てることで、アンチエイジングも叶う?
発表会後は、メディカルで頭皮と髪をケアする東京・広尾の「サロン・ド・リジュー」代表、永本羚映子さんによるヘアケア講座も開催されました。永本さんによると、洗髪後の頭皮は湿度と温度が上昇するため、放置していると雑菌が増加。皮脂が酸化して”頭皮毒“と呼ばれるものが増え、頭皮のかゆみや炎症、フケの増加につながるそう。つまり、頭皮のためにも洗髪後はすぐにドライヤーで乾かす必要があるということです。
このときポイントとなるのが、ドライヤーの温度と風速。過度の熱によるダメージを防ぎ、髪の輝きを守るためには適度な温風、髪をすばやく乾かすためには、風圧のコントロールされたパワフルな風が重要だそう。つまり、Dyson Supersonicは理想的なドライヤーということになりそうですね。
さらにドライヤーの熱を頭皮に当てることは、頭皮のアンチエイジングになるとのこと。永本さんによると、女性ホルモン・エストロゲンは、40代から50代の更年期に激減しますが、これらの変化が毛量や形状にも影響してくるそう。しかし40℃前後のドライヤーの熱を頭皮にあてると、ヒートショックプロテインが誘発され、毛髪を生成する毛母細胞を保護してくれるといいます。そのためにも、「適度な温度と十分な風量が維持できるドライヤーが重要」とのことでした。
会場では、頭皮と毛髪のチェックを行ってくれるとのことで、エイジングが気になる筆者も恐る恐るチャレンジしてみました。
エイジングに加え、髪を洗ってすぐに髪を乾かさない生活習慣から、毛先はダメージを受け、毛の根元には酸化した皮脂がたまっているなど、頭皮と毛髪にはすでに黄色信号が。今日からドライヤーを使ったケアを心がけようと改めて決心しました。今回発表された新型Dyson Supersonicは、そうしたヘアケアの面でもぴったりな製品。何より、あのダイソンが日本のユーザー向けに改良を加えたという配慮がうれしいですね。