アウトドア
2022/6/18 11:00

ワークマンのキャンプギアが安くてスゴい! ヒットのウラガワを担当者に直撃

ワークマンは、2月からテントやタープ、シュラフなどのキャンプギアを100アイテム以上展開すると2021年に発表。十分な機能性ながら価格は相場の1/3という驚きの安さに抑え、アウトドア業界に衝撃が走りました。今回は、なぜここまで低価格で提供できるのか、そのワケを開発担当者に直撃した様子をお届けします。

※こちらは「GetNavi」 2022年3月号に掲載された記事を再編集したものです

 

この人に聞きました!

株式会社ワークマン 製品開発部第3部 マネジャー

鐵本孝樹さん

アウトドアギアの開発を担当。完成した商品の組み立てやすさ、使い心地などを公園で自ら試している。私生活でもキャンプ好き。

 

職人向けの機能性が一般ユーザーに支持される

昨年2月に開催された「第32回 マイナビ 東京ガールズコレクション 2021SS」のワークマンのステージで、モデルの土屋アンナさんが職人の作業服としてよく穿かれるパンツ“ニッカポッカ”をモードに着こなしたと注目され、さらに人気に火がついたワークマン。快進撃を続けるアパレルだけに留まらず、今年2月に発売のキャンプギアは100アイテム以上をラインナップ。

 

「キャンプギア開発のきっかけは、ペットボトルホルダー。交通誘導員や警備員など、外で働く人が真夏でも冷たさを持続させようと、凍らせたペットボトルを持っていました。そこから“いつまでも冷たい”を維持できたら喜ばれるのではと開発。当時は、真空二重構造のステンレス製ペットボトルホルダーが存在しなかったので、ウエアで培った技術を活用しました。そのため“980円”という価格を実現でき、大ヒットに」(鐵本さん)

↑2019年5月発売の初代ペットボトルホルダー

 

そして、約4.6Lの真空ハイブリッドコンテナは、ペットボトルホルダーの技術を利用したアイテムとなっています。

 

「飲み物のほか肉や魚、料理など入れるものを選ばず保冷・保温できます。外から衝撃が加えられても、最小限の被害で抑えられるデザインに刷新しました」(鐵本さん)

↑ペットボトルホルダーの技術を応用した「真空ハイブリッドコンテナ」。2500円/2022年2月発売

 

次に開発したアウトドアチェアは、建設現場用で使うイスの技術を転用。耐久性や手軽さはそのままで、野外で馴染みやすい迷彩柄のオシャレなデザインに。機能性、デザイン性、低価格で目を引き、レジャー用のイスにピッタリとあって、一般ユーザーのSNS投稿を機に爆発的なヒットを生み出しました。

↑2020年2月発売の初代チェア

 

声のあるほうに進化しユーザーの期待に応える

溶接工向けの商品だったワークマンの初代革手袋は、焚き火のときに使い勝手が良いとキャンパーから好評でした。著名なアウトドアブランドは5000円以上するものが、ワークマンなら499円という安さ。幅広いニーズにも応え、ジュニア用、ハイロングタイプなどが新たに仲間入り。

 

「ハイロングタイプの手袋は、半袖Tシャツを着る女性が重い薪を運ぶ際、腕で抱えて持ち運べるように肘上までカバーしたグッズ。アンバサダーROSAさんの意見で開発しました」(鐵本さん)

 

“声のあるほうに進化する”、それがワークマンのポリシー。数年前から公式アンバサダー制度を導入し、アウトドア分野で著名なブロガーやインスタグラマー、YouTuberなどの意見を開発段階から取り入れています。アンバサダーの意見が商品に反映されることで、ユーザーの購入意欲を高める商品へと進化するのです。

 

「すべてのテントがSG基準対応。安い価格で機能性に不安になりますが、“SG基準対応”という安心材料で手に取りやすくしました。アンバサダーが考案したカラバリも魅力。写真の撮影時に、鮮やかなカラーリングで映えます。他社に劣らないスペックが詰め込まれているので、キャンプギアはぜひワークマンを!」(鐵本さん)

 

【Pick Up】SG基準対応&設営も簡単で5000円以下! “この性能をこの価格で”を実現

フィールドコア

BASICドームテント

4900円

耐水圧3000mmを誇る、SG基準対応のソロテント。1人でも組み立てやすいクロスポールタイプの吊り下げ式を採用。内装には、背面ベンチレーションや小物類を入れられる天井収納メッシュシートなど十分な機能性を確保。日除けシートを立てられるキャノピーポールが付属します。カラバリは6色用意。

 

↑フロアシートは、防水性に優れた210Dポリエステルオックスを使用。耐久性も高く、破れにくい。ポリエチレンを使用する格安テント特有のシャカシャカ音がないのも◎

 

【開発の裏側】アンバサダーの意見で180度方針転換

開発当初は燃えにくい生地を使って焚き火に強いことを特徴にし、基本スペックを下げて価格を抑える予定だったとか。しかし、試作品をアンバサダーFUKUさんに見せたところ「特別な機能を付加するより、全体的にスペックアップしてほしい」と言われ、全面的に見直していまのテントが完成したのです。メッシュ窓の位置など細部にわたりFUKUさんの意見を取り入れ、キャンパーが満足する商品を実現しました。

↑アンバサダーのサリーさん(左)と、製品開発部の鐵本さん(右)が話し合い中。試作品ができた段階でアンバサダーたちが商品を手に取り、ユーザーの声として改善点を提案する

 

会社名:株式会社ワークマン

店舗数:935店舗(2021年12月末時点)

URL:https://workman.jp/shop/