ワールド
2023/3/30 21:30

ゲノムデータでマンモスの「培養肉」を開発! 巨大ミートボールが豪で誕生

マンモスはおよそ5000年前に絶滅したとされていますが、その肉を使った巨大ミートボールをオーストラリアの企業が作り、世界中の関心を集めています。

↑マンモスの肉を使った巨大ミートボール

 

ゲノムデータからマンモス肉を再現

今は存在しないマンモスの肉で、なぜミートボールを作ることができるのか? その疑問を解く鍵は、実験室での培養技術にあります。この巨大ミートボールを生み出したオーストラリアのVow社は、実験室で細胞を培養して肉をつくる「培養肉」を手掛けている企業で、今回の巨大ミートボールも細胞培養技術を活用して作ったそう。

 

マンモスは、これまでに北極圏の永久凍土の中から発見されています。血液も残っているような保存状態が良いものもあり、そこに残された毛皮や組織からDNAが解析されてきました。そのように公開されているゲノムデータベースをもとに、同社は実験室でマンモスの肉を培養して再現したわけです。

 

できあがったマンモスの肉はおよそ400g。そこに、同じように実験室で培養して作られたラム肉を混ぜ、今回の巨大ミートボールを作ったのだそうです。ちなみに、羊のDNAとマンモスのDNAはほぼ同じ配列なのだとか。

 

培養肉をもっと知って!

今回、Vow社がマンモス肉の巨大ミートボールを作ったのは、温室効果ガスの排出量を抑えるために、食習慣を見直して培養肉に注目してほしいという意図があったそうです。

 

同社では、培養肉の認可をすでに取得しているシンガポールで、培養したウズラの肉の許可を近いうちに取得し、販売する予定。今回作られたマンモス肉の巨大ミートボールについては安全性が確認されていないため、実際に食べることはできないそうですが、こんな肉を実際に食べる日が近づいているのかもしれません。

【主な参考記事】

CNN. Meatballs made with mammoth DNA created by Australian food startup. March 28 2023