ヘルスケア
2018/2/17 19:30

「薬を飲む」にプラス! 花粉症対策にとりたい食べ物とは?

今年もスギ花粉が大量飛散する季節がやってきた……。早くも目がかゆくなって、鼻水が出始めたなぁ。休日は家族で外に出かけたいけど、花粉が飛んでいることを考えるとちょっと憂鬱。毎年、市販の鼻炎薬を飲んでやり過ごしているけど、もっと楽になる方法はないんだろうか? そうだ、最近引っ越してしまったけど、徳永貴広さんは、福井大学医学部附属病院で耳鼻咽喉科医をしているって言っていたな。電話で相談してみようか……。

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参ったなぁ……と、いつも困っている「参田家(まいたけ)」の面々。きょうはお父さんがなにやら困っているようです。

参田家の人々

ちょっと気弱なお父さん、元気でしっかり者のお母さん、もうすぐ小学生の娘、甘えん坊の赤ちゃん、家族を見守るオスの柴犬の4人と1匹家族。年中困ったことが発生しては、宅配便で届いた便利グッズや、ご近所の専門家からの回覧板に書かれたハウツー、知り合いの著名なお客さんに頼って解決策を伝授してもらい、日々を乗り切っている。

 

症状をラクにするには、薬を飲む以外にどんな方法があるの?

comment-father
ハ、ハ、ハークション! この時期になると花粉のせいで、くしゃみは止まらないし、目はかゆい。放っておくと、鼻水が滝のように出てくるんですよ……。街にもマスクをしている人が増えてきましたね。そもそもなんで花粉症になってしまうんですか?
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それは、“肥満細胞”という免疫細胞の働きによるものなんです。花粉が体内に入ると、肥満細胞が花粉を異物として認識し、ヒスタミンという物質を放出。鼻水や涙を出して、体の外に追い出そうとするんです。この反応はもともと、寄生虫やダニをやっつけるための反応だったのですが、寄生虫が少なくなった現代では攻撃する矛先が花粉などに向けられているんですよ。
comment-father
なるほど! 花粉は、直接的に体に害はないものの、免疫細胞によって異物として認識されているんですね。ちなみに最近、うちの娘も鼻水が出始めているみたいなのですが、やっぱり花粉症は遺伝するのでしょうか?
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風邪であれば2週間程度で治りますが、それ以上症状が続くようでしたら、花粉症を疑ったほうがいいですね。免疫細胞は、花粉に接触した回数が多ければ多いほど、花粉を異物と認識しやすくなるんですよ。「去年は花粉症ではなかったのに、今年は花粉症っぽい」という現象が起こるのはこのためです。
comment-father
そういえば、僕もいつの間にか花粉症になっていたなぁ……。できれば早くこの辛い症状とオサラバしたいのですが、花粉症は治るものなんですか?
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体質から改善したいのであれば“舌下免疫療法”という治療法があります。アレルギーの元となる花粉の成分を薄めたものを、1日1回舌の下に垂らすというものです。ただし、花粉が飛び始めるシーズン前から3年間ほど治療期間が必要なのと、講習を受けた専門医しか処方できないので、通院前に問い合わせをしておくといいですよ。
comment-father
へえ! 今はそんな治療法があるんだ。花粉を体に徐々に慣らしていくんですね。ただ3年間となると、それなりの覚悟が必要かも……。もっと気軽に試せる治療ってないんですか?
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花粉が飛び始める時期に、ヒスタミンをブロックする薬を飲み始めるといいですね。免疫細胞が活発に働き出す前に手を打つと、そのシーズンの症状が軽減します。薬局でも同じ効果がある市販薬が販売されていますが、病院で処方してもらう方が安く済むのでおすすめです。
comment-father
“燃え盛る炎より、種火の方が火消しが簡単”というイメージですね。家に帰ったらうがい手洗いをして、できる限り花粉を落としているのですが、ほかにいい対策方法はありませんか?
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市販されているワセリンを、鼻下や目の周りに塗るといいですね。ワセリン自体に花粉が付着するので、体内に入るのを防いでくれるんです。あとは、花粉症の症状を和らげる食材・飲み物を積極的に摂取するのがいいですね。なかでも、乳酸菌を含むヨーグルトや、発酵食品の味噌や納豆がおすすめです。腸内細菌を整えることで、免疫力がアップします。また緑茶に含まれるカテキンは、ヒスタミンを抑える働きがあるんですよ。
comment-father
粘り気のあるワセリンが、体内に入ろうとする花粉を止めてくれるんですか! しかも腸内の環境を整えることは、花粉症にもいいんですね。早速、家族で発酵食品を意識的に摂ってみます。常飲するドリンクも、緑茶にしよう!

 

まとめ

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花粉が飛び始める前に、早めの対策を!
徳永さんの言っていた通り、花粉症に効く薬を病院で処方してもらって飲んでみたら、去年より症状が緩和されている気が! いつもは症状がひどくなるまで我慢していたけど、早めに対策をとることが大切なんだな……。緑茶やヨーグルト、納豆は冷蔵庫に常備して、食べ物からのアプローチにもチャレンジしてみよう!

 

教えてくれたのは……

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福井大学医学部附属病院・耳鼻咽喉科医 徳永貴広さん
富山医科薬科大学(現・富山大学)の医学部を卒業。舞鶴共済病院耳鼻咽喉科、筑波大学遺伝医学教室への国内留学をへて、現在は、福井大学医学部附属病院の耳鼻咽喉科・頭頸部外科、医学研究支援センターにて特命助教を勤める。著書『あんしん健康ナビ 花粉症・アレルギー性鼻炎』(1万年堂出版)。
https://www.hosp.u-fukui.ac.jp/index.html