リモートワークとともに認知が広がったワーケーション。これは「ワーク+バケーション」の造語で、個人単位での利用者は徐々に増えている印象ですが、企業単位の利用者(社)はまだ多くないはず。そこにあって、プロバイダやポータルサイトで知られるBIGLOBE(ビッグローブ)によって立ち上がった画期的なサイトが「ONSEN WORK」です。
これは、ワーケーションで「企業・従業員・温泉」をつなぐという企画。2021年3月にグランドオープンし、これまでサービス提供に関する様々なデータを集めるために、企業向けのワーケーション実証実験などが行われてきましたが、このたびメディア向けツアーが開催。日本屈指の温泉街である、大分・別府の体験会に参加してきました。
ウェルビーイングを叶える別府ならではのワーケーション
「ONSEN WORK」の特徴のひとつが、温泉地(宿)ごとに様々なプログラムが用意されていること。食を通じてSDGsの知識を深められたり、温泉と親和性の高い健康的なアクティビティを体験できたり。
利用する企業は、そういった様々なプログラムを組み合わせたパッケージのなかから目的に沿ったプランを選び、よりよい企業活動へつなげていくというものです。今回のツアーではその一例として、別府ならではの食やアクティビティを体験してきました。
今回泊まった「ホテルニューツルタ」がウリのひとつにしているのが、健康に即したプログラム「北浜ウェルビーイング(本質的に価値のある状態)ステイ」。今回は最初と最後にヘルステックを使ってフィジカルとメンタルの健康度合いをチェックしました。終了後にどのような変化があったかもお伝えします。
醸造酒角打ち、アナグマ火鍋、奇才カレーetc美食の宝庫
フードライターとしてまず紹介したいのが、魅力的なグルメの数々。大分で有名な食といえば、ご当地グルメのとり天や、中津の唐揚でしょう。大分市は鶏肉の購入数量日本一の常連でもあるので鶏料理は確かに絶品ですが、これら伝統食だけではありません。
特に源泉数・湧出量ともに日本一の別府は、古くから温泉街として他者をもてなし受け入れてきた文化があるので食のレベルが高く、多様性が豊かな都市です。加えて日本一の温泉のほかに海も山もあり、空港にも1時間弱で行ける立地のよさ。もてなし好きな人々の温かさや“いい湯加減”なカルチャーに惹かれて移住する人も多く、グルメ偏差値も抜群なのです。
ということで、北浜界隈の人気店を一部ご紹介。まずは、早い時間から飲みたいときにオススメな角打ちスタンド「別府 Sake Stand 巡」から。昼の12時から営業しているぶんクローズも早めですが、それは飲食を通じた街の活性化を目指しているから。
事実、「○○が食べたいんですけど、どこがいいですか?」と聞くとオススメを教えてくれます。そんな同店のメニューの特徴は、日本酒、ワイン、ビールといった醸造酒に特化しているところ。フードの名物は、店長が得意とするキムチを使った料理で、そのほかお酒が進む和洋メニューを味わえます。
二軒目は、「しっぽり飲める大人なお店」というリクエストに対して店長から教えてもらった小料理屋「宮本」。豊後水道の鮮魚刺身や、知覧どりのたたきをはじめどれもが絶品で、ラストの「鴨鍋」はシメに最高の一品でした。
翌日うかがったのは、国内外の火鍋を食べ歩いてきた夫妻が東京から別府に移住して開業した「火鍋にしだ」。鶏ガラとどんこ(乾シイタケ)から取った白湯スープと、10種類以上のスパイスやオリジナルのラー油を入れた麻辣(マーラー)スープ、3種のつけだれが絶品です。
この日はラム・豚・鶏・牛・センマイからなる5種の肉がメインの「火鍋セット 大」に、3種のジビエ(鹿、猪、アナグマ)などを追加してオーダー。まさかアナグマが食べられるとは!
別府の多様性については前述しましたが、加えて“超グローバル大学”として名高い「立命館アジア太平洋大学」(通称APU)が2000年に設立されたことによって人口に対する留学生比率が日本一になりました。アジア各国の若者の往来とともに多様なスパイス文化が花開き、「カレーダイバーシティの街といえば別府!」と力説するカレーマニアも少なくありません。
そんな数ある名店のなかで、「ホテルニューツルタ」に最も近いのが「スパイス料理 Norary-Crary(ノラリクラリ)」。「竹瓦温泉」の目の前にある、カフェ風の北インド料理店です。
ウェルビーイングをテーマのひとつに掲げる「ホテルニューツルタ」ならではのフードもあります。それが「ONSEN WORK フードプログラム」。東京・白金台の八芳園がプロデュースしたヘルシー弁当を食べながら、SDGsと食育を学ぶというランチ向けメニューです。