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2023/3/2 6:30

畑 芽育「人生においてターニングポイントとなる作品だと思っていますし、純粋に嬉しいです」『なのに、千輝くんが甘すぎる。』

亜南くじら原作の人気コミックを実写映画化した『なのに、千輝くんが甘すぎる。』(3月3日公開)で、なにわ男子の高橋恭平さんが演じる学校一のイケメン男子・千輝と、ひょんなことから「片想いごっこ」を始めるキュートなヒロイン・真綾を演じる畑 芽育さん。今要注目の彼女に、撮影でのエピソードやハマっているモノについて聞きました。

 

畑 芽育●はた・めい…2002年4月10日生まれ。東京都出身。最近の出演作に映画『99.9 -刑事専門弁護士- THE MOVIE』『森の中のレストラン』、ドラマ『純愛ディソナンス』『まんぞくまんぞく』『Get Ready!』など。自身21歳の誕生日4月10日(月)に『畑芽育1st写真集(タイトル未定)』が発売。TwitterInstagram

 

【畑 芽育さん撮り下ろし写真】

お話をいただいてから今日まで、この作品のことを考えなかった日は一日もない

──これまでも「女子高生の無駄づかい」「荒ぶる季節の乙女どもよ。」などの学園ドラマに出演されてきましたが、本作は少女マンガの映画化でのヒロイン役です。

 

 最初にお話をいただいたときは、「嘘でしょ? ドッキリでしょ?」と思いました。中学時代、毎月のように少女マンガ原作の映画を観に行っていましたから。その気持ちは、今も変わっていなくて(笑)、どこか夢見心地というか、フワフワしているんです。その一方で、お話をいただいてから今日まで、この作品のことを考えなかった日は一日もなくて、撮影が終わった後も、「どうしたら盛り上げられるか?」といったことを考えています。それだけ、人生においてターニングポイントとなる作品だと思っていますし、純粋に嬉しいです。

(C)2023「なのに、千輝くんが甘すぎる。」製作委員会 (C)亜南くじら/講談社

──最初に、原作や台本を読んだときに感想は?

 

 物語が真綾ちゃん自身の目線で描かれて、どこか空回りしてしまったり、おてんばだったり、いろんな真綾ちゃんがいて、いつもひたむきなところが「とても真面目な女の子だなぁ」と思いました。そして、「原作の真綾ちゃんに少しでも近づけたら?」という強い思いもありつつ、二次元のモノを三次元にするための難しさを感じました。それで観ている人に共感してもらえる甘すぎない、やりすぎないキャラクターにしようと心掛けました。

 

同じ目標を持つ仲間同士、チーム一丸となって作り上げた感じがします

──これまで『ただ、君を愛してる』『僕の初恋をキミに捧ぐ』などのラブストーリーを多く手掛けてきた新城毅彦監督のアドバイスや演出は?

 

 新城監督からは、やはり私がちょっとぶりっ子というか、可愛すぎるというキャラクターを作っていたことを指摘されました。そして、台本読みやリハーサルを重ねていくことで、徐々に真綾ちゃんが作られていきました。私自身、コミカルなお芝居が好きなので、監督から「この映画はラブコメディだから、もっとコミカルに演じていいよ」と言っていただいたときは嬉しかったです。あと、シーンごとに監督の元に駆け寄って行って「ここはこんな感じで大丈夫ですか?」と、コミュニケーションをたくさん取らせてもらいました。そんななか、首の角度や目線など、自分では気づかなかったお芝居のクセみたいなものを直すことができました。

 

──現場での撮影エピソードについて教えてください。

 

 千輝くん役の高橋(恭平)さんが率先して話しかけてくださるなど、座長として引っ張ってくださるなか、女優が本業の私も引っ張っていかなきゃと思っていたんですが、いざ現場に入ってみると、役のことしか考えられず、あまりリーダーシップを取ることができなかったんです。周りの方に支えられながら、同じ目標を持つ仲間同士、チーム一丸となって作り上げた感じがします。それだけ和気藹々とした現場で、クランクアップのときには、高橋さんと板垣(李光人)さんと莉子ちゃんに、ちょっとしたプレゼントと一緒に、感謝を述べたお手紙を書かせていただきました。

 

末っ子なので、できれば甘すぎるのがいいくらいです(笑)

──そんな仲良しの高橋さんや板垣さん、莉子さんの最初の印象は?

 

 高橋さんは、なにわ男子というアイドルをやられている方なので、とてもオーラがあって、そのキラキラに負けちゃいそうな気がしました。でも、実際にお話しすると、関西弁で気さくな方でした。板垣さんも誰も近づけないようなオーラがすごくて、「絶対に仲良くなれない!」と思ってました(笑)。すぐ仲良くなれた莉子ちゃんと「板垣くんとどんな話していいか分からない!」と言っていたほどですが、実はお互いオタク気質なところが似ていて、今ではよく好きなK-POPについて話しています。莉子ちゃんの最初の印象は「わ、ホンモノのギャルだ!」でしたが、「芽育ちゃんとずっと共演したかったんです!」という一言で心掴まれちゃいました(笑)。

 

──完成した作品を観て、お好きなシーンは?

 

 真綾ちゃんのシャツが水に濡れて下着が透けそうになったとき、千輝くんが自分のブレザーを差し出してくれるシーン。突然のアクシデントにちょっとドギマギしている感じとか、その後の「着ないなら、無理矢理着せるけど」という強引なセリフにキュンときました。私は末っ子なので、ツンデレされるよりは優しくしてほしいですし、できれば甘すぎるのがいいくらいです(笑)。

 

どこかでTOになりたい気持ちが芽生えてくるんです

──畑さんと真綾が似ているところ、似ていないところについて教えてください。

 

 いただいた役を全力でやらせてもらっているので、真綾ちゃんの何に対しても、全力で挑む姿勢は似ているかもしれません。反対に、私は嘘がつけない性格で、すぐに顔に出てしまう方なので、真綾ちゃんのように「片想いごっこ」をしながら、好きな気持ちを隠し通すということはできないですね(笑)。もし、真綾ちゃんが私の友だちだったら、悩んでいるときに背中を押してあげたい。それだけ、いい子だと思います。

 

──現在、二十歳の畑さんですが、今後の展望について教えてください。

 

 学生時代は、すぐに「自分なんて……」と思ってしまうネガティブな性格で、お芝居に対しても自信がなく、なかなか自分が出た作品を観ることができなかったんです。でも、二十歳になったことで、日々の努力から自信をつけて現場に行こうと心掛けるようになり、出演作を観返すことの大事さにも気付きました。今回は2回観ていますが、1回目は反省点ばかりで、2回目で冷静に見ることができました。小さい頃からお仕事はやっていますが、これからも努力は絶やさず、1つひとつのお仕事を頑張っていこうと思います。そして、ドラマ「99.9-刑事専門弁護士-」でお会いした木村文乃さんのように、いつまでも物腰が柔らかく、謙虚な女優さんになりたいです。

 

──現場に必ず持っていくモノやアイテムがあれば教えてください。

 

 香水集めが趣味で20本ぐらいあるんですが、現場にも小さいモノを2、3本持っていきます。手首とかに付けるときもありますし、気分転換に嗅ぐときもあります。お気に入りは「Le Labo」というブランドのもので、特に愛用しているのは「アナザー13」。ちょっとムスク系ですが、ウッド系とかも好きですね。その日の気分や現場ごとに、香水を変えるのも楽しいです。あと「ちいかわ」に、どハマりしてしまって、今も携帯にステッカーを貼っていますし、寒いので腹巻きしています(笑)。部屋中、ちいかわだらけになので、お母さんに「そろそろやめたら?」と言われています。私、好きになったモノには一途で収集癖がありますし、どこかでTO(トップオタク)になりたい気持ちが芽生えてくるんですよ。

 

 

(C)2023「なのに、千輝くんが甘すぎる。」製作委員会 (C)亜南くじら/講談社

なのに、千輝くんが甘すぎる。

3月3日(金)より全国公開

(STAFF&CAST)
監督:新城毅彦
原作:亜南くじら「なのに、千輝くんが甘すぎる。」(講談社「月刊デザート」連載)
脚本:大北はるか
音楽:fox capture plan
主題歌:なにわ男子「Special Kiss」(ジェイ・ストーム)
出演:高橋恭平(なにわ男子)、畑 芽育、板垣李光人、莉子、曽田陵介、中島瑠菜、箭内夢菜、鈴木美羽

(STORY)
人生初の告白に見事に玉砕した高校2年生の失恋女子・真綾(畑芽育)。親友の小原知花(莉子)に慰められるも、落ち込んでいるところを陸上部のエースで学校一のイケメン・千輝くん(高橋恭平)に見られてしまう。モテモテなのに周囲には塩対応な千輝くんが、なぜか真綾に提案したのは、“片想いごっこ”!

「好きな人、無理に探すくらいなら、俺に片想いすれば?」。

片想いごっこの条件は、絶対に好きにならないことと、まわりにバレないこと。好きになってはいけない約束なのに、自分にだけ優しくて甘すぎる千輝くんに、真綾の気持ちは次第に揺れ動いていく。そんな中、真綾に密かに想いを寄せるクラスメートの手塚(板垣李光人)に、秘密の関係を知られてしまう。

(C)2023「なのに、千輝くんが甘すぎる。」製作委員会(C)亜南くじら/講談社

 

撮影/干川 修 取材・文/くれい響 ヘアメイク/秋鹿裕子 スタイリスト/武久真理江