ファッション
2022/10/2 20:45

アシックスのビジネス用スマートシューズが登場! 日々の気分、パフォーマンスを上げる「RUNWALK ORPHE」

アシックスはこのほど、“走れるビジネスシューズ”として1994年にデビューした「RUNWALK(ランウォーク)」シリーズから、ココロとカラダを整え、日々のパフォーマンスを高めるスマートシューズ「RUNWALK ORPHE(ランウォーク オルフェ)」を発表しました。

 

アシックスならではのスポーツシューズの技術をビジネスシューズにさらに落とし込んだスマートシューズは、日常のビジネスシーンにどのような変化をもたらすのでしょうか。

↑スマートシューズ「RUNWALK ORPHE」6万1600円(税込)

 

歩行動作をベースにココロとカラダの状態をスコア化

アシックスのテクノロジーとデザイン性が融合した「RUN WALK」は、クッション性、安定性、グリップ性、屈曲性、フィット性、耐久性、通気性、軽量性という8つの機能をバランスよく備えたビジネスシューズとして1999年から本格的にシリーズ化し進化を続けてきました。

 

「『RUNWALK』は走れるビジネスシューズとして開発され、その機能性、安定性、歩行性から多くのお客様に支持されてきました。今回発表します『RUNWALK ORPHE』は、新たな機能やデザインだけでなく、アシックスの培ってきたセンシングやその他スポーツで培ったビッグデータを融合した、ビジネスシューズに新たな革新をもたらすアイテムだと確信しています」(アシックスウォーキング統括部 カテゴリー戦略部 部長 山口充氏)

↑RUNWALK ORPHEの特徴を説明する山口氏

 

RUNWALK ORPHEの最大の特徴は、シューズのミッドソール(甲被と靴底の間の中間クッション材)の内部にセンサーを搭載したことです。付属のセンサー「ORPHE CORE 3.0(オルフェコア3.0)」を取り付けることで、歩数や歩行スピード、ストライド(歩幅)、接地角度、立脚時間などの歩容(歩行パターン)データを取得し、それらのデータとアシックススポーツ工学研究所が長年培ってきた足と歩き方に関する独自の知見を組み合わせ、心身の状態をスコア化し、スマートフォンに表示することができます(特許出願中)。

↑縦45×横30×厚さ14mm、重さ約20gの付属のセンサーをミッドソールに取りつけることで歩容データは自動的にスマートフォンに転送される

 

トークセッションで登壇したアシックス スポーツ工学研究所 スポーツコンテンツ研究部の草野拳氏は、歩容と心身のコンディションの関係について説明してくれました。

 

「我々スポーツ工学研究所では、これまで歩行姿勢に関する様々な研究を行ってまいりました。実際に歩容と感情、そして体のコンディションの関連は研究でも多く報告されています。例えば、感情によって歩容は大きく変化します。また体の状態、疲労した前後においても歩容は変化します。こういったことから心身のコンディショニングを、歩容から推測できるのではないかと考えました。

 

今回着目したウォーキングは日常的な動作でもありますので、非常に取り入れやすい動作となっています。このような何気ない動作をセンシングすることによって、日常の心と体の変化というものを検知することができるのではないかと考えています」(草野氏)

↑センサーはミッドソール内のくぼみに搭載されることで違和感なく、一日中履き心地を変えることもない

 

ランニングシューズで開発、商品化した技術をビジネスシューズに

2019年にアシックスが開発したスマートランニングシューズ「EVORIDE ORPHE(エボライド オルフェ)でタッグを組んだオルフェ社が今回も共同開発に参加しています。

 

「ランニングから医療まで、様々なスマートシューズの試みを行ってきましたが、オーセンティックなレザーシューズの中にスマートシューズの機能を入れるというのは、僕が知る限り世界でも初めての例です」(ORPHE CEO/Founder 菊川裕也氏)

↑「動作から健康に関するデータだけでなく、心身のメンタルヘルスまで可視化するのが面白い」と語る菊川氏。センサーはエボライドオルフェに使われているセンサーと同じサイスで、差し替えて使うこともできるとのこと

 

↑搭載されるコアは、加速度センサーやジャイロセンサーが秒間200ヘルツの速さで解析を行う

 

歩数や歩行距離などの量的情報だけでなく、歩容情報を組み合わせることで、パーソナライズされた評価コメントが表示される。さらに、頑張りすぎて心と身体のバランスが崩れていないかなど、歩容の分析結果から客観的に自身を見直すことができます。

 

「要は生き生きとしたダイナミックな歩き方ができているとマインドのスコアは高くなります。フィジカルに関しては、より質の高い、例えば歩行速度が速くて、ストライドがしっかり保てている歩行ほど、フィジカルのスコアは高くなる。こういった形で心身のスコアリングを可視化できるようになっています」(菊川氏)

 

手動計測モードにより、わずか30秒で現在の歩容状態を可視化し、すぐに確認することもできます。もちろんその間の情報もトータルデータに反映されています。

↑30秒歩行計測は手動操作で瞬時に計測され、計測結果もすぐに確認できる

 

↑1日の歩容情報も日々自動で計測され、データとして蓄積される

 

↑癒しの時間も提供したいという思いから、ココロとカラダのバランスを水の入った容器で可視化。2種類の水をバランスよく溜めて毎日を過ごす

 

自分の状態を客観的に見られるのがうれしい

RUNWALKシリーズのアドバイザリースタッフを務める元ラグビー日本代表の廣瀬俊朗氏(HiRAKU代表取締役)も登壇。

 

「現役時代から、スーツを着たときに革靴で足が疲れるのが嫌でした。アシックスの『RUNWALK』に出会ってからはずっと愛用しています。そのなかで、自分の状態をより客観的に見られるというのはとてもうれしい」(廣瀬氏)

↑「毎週木曜日は夜2時くらいに寝るので、その翌日は疲れていて『歩行速度が遅いですね』と診断されます。今日の計測では『キビキビ』でした」と廣瀬氏

 

そこで廣瀬氏がトレッドミルを使って30秒計測を行いました。操作は簡単。アプリ画面の「計測スタート」をタップするだけで30秒間の計測が始まりました。

 

「簡単すぎて『ナニ?』という感じだったと思いますが、センサーは自動的に一歩一歩の歩幅の速度、足上げの高さといった指標をどんどん算出してスマホに送っていきます。スマホ側でアシックスさんのアルゴリズムに基づいて心身の採点を行い、すぐにマインドスコアとフィジカルスコアが表示されます」(菊川氏)

 

また、1日の計測データは時間によってスコアの動きを確認することができます。

 

「お昼過ぎは座っている時間が長いので、心身のコンディションは低下します。終業間際に関しては体は疲れていますが、気分は開放感もあって向上しています」(草野氏)

 

発表会では実際に履いて、30秒計測を体験することもできました。まずシューズを見ての筆者の感想は、オーセンティックなプレーントゥなので、様々なスタイルにマッチします。「ソフトガラスレザー」のアッパー(甲被)は品がよく光沢もあり、ハトメ(靴紐の通し孔)部はマット調なので、上品なデザインにもなっています。

 

履いた感想は、革靴のイメージである硬さはまったくなく、スニーカーを履いているような感覚。靴底のかかと部には衝撃緩衝機能GEL(ゲル)が搭載されているので、クッション性もあり、まるでスポーツシューズのような快適な履き心地でした。

↑筆者の計測結果はマインドが50、フィジカルは59。平均値は70ですが、トレッドミルでは少し低く出るとか。この数値やバランスを参考に、日々のパフォーマンスの調整に利用するといいとのこと

 

先行販売は、伊勢丹新宿店 メンズ館で10月4日まで、10月28日から12月1日まではアシックスオンラインストア、アシックスランウォーキングギンザなど予約を受け付け中。商品が届くのは12月中旬以降の予定です。

 

 

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