【西田宗千佳連載】グーグルが直営店を展開。日本で「Pixel重視」の理由とは?

ink_pen 2026/10/1
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【西田宗千佳連載】グーグルが直営店を展開。日本で「Pixel重視」の理由とは?
西田宗千佳
にしだむねちか
西田宗千佳

モバイル機器、PC、家電などに精通するフリージャーナリスト。取材記事を雑誌や新聞などに寄稿するほか、テレビ番組などの監修も手がける。ツイッターアカウントは@mnishi41。

Vol.166-1

本連載では、ジャーナリスト・西田宗千佳氏がデジタル業界の最新動向をレポートする。今回はグーグルが発売したスマートフォン「Pixel 11」の話題。同社が日本市場でPixelシリーズを重視する理由とは何か。

今月の注目アイテム

グーグル

Google Pixel 11

直販価格136,800円~

↑Tensor G6搭載でGeminiが先回りしてAIをサポート。大型化センサーで夜景が4.5倍高速化しProは120倍ズームに対応したカメラを備えて撮影機能が向上した。また耐久性の向上と充電速度の高速化も実現している

日本市場を重視した異例の直営店展開

Googleは今年8月、同社のスマホ「Pixel 11」シリーズを発売した。発売時期やラインナップは、例年と同様である。

今年は機能面よりも、どちらかというと“日本での人気から生まれた新たな展開”に注目が集まった年と言えるかもしれない。8月13日には、東京・渋谷に「Google Store 表参道」がオープン。初日は店舗前に行列ができ、通行が難しくなるほどの賑わいを見せていた。

Googleは、アメリカ国内では複数の直営店を展開している。だが、アメリカ国外で直営店、中でも大規模で独自性の高い「旗艦店」を常設するのは、Google Store 表参道が初だ。

Google Store 表参道は、Googleが販売しているハードウェア製品のショーケースであり、実際に手に取って確かめ、購入できる場所でもある。一方、販売している製品の中心は、新製品であるPixel 11シリーズとその関連デバイスである。実質の世界シェアを見ると、Pixelは1%程度しか確保できておらず、アップルとサムスンが覇を競い合う状況にある。

そんな中、日本でのPixelのシェアは10%を超えており、アップルに次ぐ2位、もしくはサムスンと2位を競うような状況にある。理由は、大手携帯電話事業者が積極的に販売したことと、ネット検索的には“Pixelのためのストア”と言える。

Googleがこの種のストアを展開する理由は主に2つと考えられる。

ひとつは、それだけ日本でのPixel人気が突出しており、Googleにとって日本が大切な地域である、ということだ。

シンプルな話として、スマホやAIで利用した人も多いであろう「Google」というブランドの信頼感がセットになって生まれた“安心して選べる”という点が大きいと言える。

AIの利便性は“体感”するのがベスト

その背景には、価格面での優位性もあったのだろう。特に「Pixel 10a」など、俗に言う低価格帯の「aシリーズ」の人気が高いことや、Google公式ストアによる下取りキャンペーンが有利なこと、携帯電話事業者による割引が目立つことなど、複数の要因がある。いずれにしても、それだけ“Googleが積極的に売りたいと考えてきた”からだ。

昨今の値上がりで“Pixelは安い”とは言いづらくなってきてはいる。それでもアメリカよりも割安な価格設定で、日本市場での競争力を確保したいという意図は見えてくる。

もうひとつの理由は“AIの価値をアピールしたいから”だ。Google Store 表参道では、自分の顔からアバターを作ったり、Pixelのズーム機能を体感したりと、“Pixelが備えるAI機能”を理解するための体験ブースが作り込まれている。そのような場所を用意するのは、AIがPixelにとって極めて重要な要素であるものの、その違いを理解してもらうことに難しさもあるためだ。“体験してもらう”には、実店舗を展開することが重要と考えたと言える。

今年のPixelはデザイン変更も少ないが、コアとなるAIの機能には多くの変更がある。そのアピールこそが重要だ。ではどう変わったのか? それがスマホ選びにどのように関わってくるかは、次回以降で解説する。


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