一般的な化粧品ではケアが行き届かない部分にアプローチできたり、施術後すぐに効果を味わうことができたりする美容医療。
ハイリスクで敷居の高いものと思われがちだが、じつはそんなことはない! 導入ハードルの低い、トレンド施術を解説する。
【私が解説します】
薬剤師 たかひろ
薬剤師から美容家に転身。美容クリニックでの「たかひろスキンケア外来」の展開や化粧品の開発を行う。自身も定期的に美容施術を受けている。好きな施術は高周波治療。
負担に思わない範囲で楽しく取り入れるのが理想
コロナ禍を機にニーズが高まり、いまや定着化しつつあるメンズ美容。今ではZ世代を中心に、リフトアップや肌質改善などの美容医療を取り入れる男性も増えつつある。とはいえ、特に30〜40代以降の男性の場合は、〝美容医療〟、〝美容クリニック〟などのワードを聞くと〝整形〟を連想して、ネガティブなイメージを抱く方も少なくないだろう。ただ、肌質やシミ・シワ、たるみ改善系の治療はメスを使わない施術がメインで、男性でも取り入れやすいものが多いのだ。日々のホームケアにプラスして、実際に〝切らない〟施術を定期的に取り入れて肌管理を行っている薬剤師・美容家のたかひろさんは、美容医療を取り入れるメリットを次のように語る。
「美容医療の良いところはやはり即効性の高さと、一般的な化粧品使いでは解決しきれない、根本的な部分での肌質改善が叶う点ですね。僕の場合は、数カ月に一度のペースで、ボトックス注射・高周波治療・肌育注射を行っています。日常のホームケアでは補えきれない部分を、クリニックでカバーしているような感じです。シワ改善に効果的なボトックス注射に関しては、これからできるであろう“未来のシワ”の予防のために取り入れています」
気軽に取り入れやすく、肌に強力にアプローチできるとはいえ、美容医療未経験者からすると、“費用面の負担が大きそう”、“一度施術を止めてしまったら、意味がなくなるのでは?”など、不安点が残る。
「各々の考え方次第ではありますが、個人的には、無理なく、続けられる範囲で留めるのがベターだと考えています。一定の期間継続することが重要なのは、おうちでのスキンケアも同じことですし。たとえばボトックス注射をして、3カ月間シワ予防の効果があるとしますよね。シワはいずれ誰でもできてくるもので、“3カ月という時間はシワを作らずに済んだのだから、それでいいじゃん”って思うんです。そのあと施術を止めたからって、後悔する必要はありません。費用は確かにかかりますが、年に何回施術して、1回にいくらかかるかを把握しておけば、そこまで大きな負担に感じることはないと思います。1回2万円の施術を半年に一度受けるとして、月換算で3000円ちょっと。月1で同額の化粧品を購入していると思えば、そこまでの負担ではないですよね」(たかひろさん)
「メスを使わない」美容クリニックで受けられるおもな肌質治療
●レーザー・光治療(IPL)
シミ、そばかす、毛穴ケア、肌質改善に効果的。レーザーは即効性が高い反面、痛みが強め。IPLは複数回の施術が必要だが、痛みはマイルド。
●照射・機器治療
超音波(HIFU)や高周波(RF:ラジオ波)を利用して、シミ、シワ、たるみ、毛穴改善に効果的。肌の深部に直接アプローチする。ダウンタイムが短い。
●注射・注入治療
ボトックスやヒアルロン酸などの有用成分を肌に直接注入し、シワやたるみに即効的にアプローチ。施術直後から効果を実感しやすい。ダウンタイムが短い。
●医療脱毛
サロンよりも高出力の機器を用いて毛根組織を破壊。医師や看護師がそのときの肌の状態を見て使用機器を使い分けるクリニックもあり、安心感がある。
●ピーリング系治療
肌表面に酸性の薬剤を塗布し古くなった角質を除去。肌のターンオーバーを正常化し、肌荒れや肌トラブルなどを改善する。施術後一時的に炎症が起こる。
初めての美容クリニック施術までの基本ステップ
【ステップ1】カウンセリング予約
完全予約制のクリニックが大多数なので、WEBサイトやメール、電話で予約しよう。相談内容も詳しく記入・伝えておくと滞りがない。
【ステップ2】ドクターとカウンセリング
希望や悩みを医師に伝えて、施術プランを相談。不明点や不安点も尋ねてみよう。カウンセリングは無料で行っているクリニックが多い。
【ステップ3】ドクターの診察
希望の施術が決定したら肌状態などの医師の診察を受け、施術の可否や方法を決定。そのまま施術に移るパターンと、来院予約を入れるパターンがある。
【ステップ4】施術実施とアフターケア
医療機器を使用して施術。術後のダウンタイム(日常生活に戻るまでの回復期間)や注意点、自宅でのアフターケアの指示を受ける。術後の診察や、薬の処方を伴うケースもある。
たかひろ’s TIPS日々のホームケアとの併用がカギ!
どんな施術を受けるにしても、しっかりと保湿が行き渡っていて肌の環境が整っていることが大変重要です。たとえばシミを取るにしても、肌の状態が悪いとすぐに再発する可能性が高い。洗顔・保湿・UVケアで整った健康的な肌がベースにあれば、施術効率も良くなります。美容医療とホームケアの合わせワザで、活き活きとした美男肌をゲットしよう!
働き世代の初心者メンズにおすすめの施術4選
将来できるであろう表情ジワの予防にも効果的【ボトックス注射】

ボツリヌス菌から抽出した天然のタンパク質「A型ボツリヌス毒素」の加工物を注入し、過剰な表情筋の働きを弱めて表情ジワを目立たなくさせる。噛み締めによるエラ張り、小顔治療にも効果アリ。将来のシワ予防にも有効だ。
| 【施術頻度】 | 【費用目安】 | 【期待できる効果】 |
|---|---|---|
| 3〜6カ月に1回程度 | 1回1万円程度〜 | 額、眉間、目尻の表情ジワ改善、エラ改善、小顔など |
【たかひろ’s POINT】未来のシワ予防に取り入れています
「額に深いシワが刻まれていると一気に老けた印象に。一度入った深いシワって治療でも改善が難しいので、僕はシワ予防効果を狙ってボトックス注射をしています。施術時間やダウンタイムも短く、費用面でも取り入れやすいです」
痛みがほとんどなく望む効果が得られやすい【高周波治療】

高周波(RF)で肌の深部(真皮層)を加熱し、コラーゲンやエラスチンの生成を促進。中長期的な肌の弾力向上を促す。引き締め効果もあり、即時的なたるみ、小ジワの改善も期待できる。痛みやダウンタイムがかなり少ないのも魅力。
| 【施術頻度】 | 【費用目安】 | 【期待できる効果】 |
|---|---|---|
| 3〜6カ月に1回程度 | 1回1万円程度〜 | たるみ改善、小ジワ改善、ハリ・弾力UPなど |
【たかひろ’s POINT】痛みを伴わず、導入しやすい施術
「効果が実感できて、痛みがありません。個人的にはデメリットを感じず、一番好きな施術です。種類が多くマシンによって特長が異なるので、希望の際は医師に相談してみてください。僕も試してみたいマシンがたくさんあります!」
高出力のマシンで1回でより高い効果が得られる【医療脱毛】

厚労省認可のレーザー機器を用いた毛根を破壊する「永久脱毛」を指す。サロン脱毛より高出力で少ない回数で効果が得られる。ヒゲを脱毛すればカミソリ負けによる肌への負担がなくなり、美肌効果大。シェービングの手間も省ける。
| 【施術頻度】 | 【費用目安】 | 【期待できる効果】 |
|---|---|---|
| 5〜7回程度で自己処理が不要に | 1回1万円程度〜 | 日々のヒゲケアがラクに、肌のトーンUP、美肌予防、ニキビ予防など |
【たかひろ’s POINT】ヒゲの脱毛は肌荒れ対策にも効果的
「ヒゲ脱毛は美容医療のファーストステップとしてもおすすめ。習慣的にシェービングをしていると、僕の場合はどうしても摩擦によって肌荒れしやすかったので、ヒゲ脱毛しています。最初の数回はメチャクチャ痛いです!(笑)」
化粧品では届かない肌の内側にアプローチ【肌育治療】

ヒアルロン酸やPDRN(サーモンDNA)などの有用成分を肌に直接注入し、真皮層にある線維芽細胞(コラーゲンやエラスチンを作り出す細胞)を活性化。肌質を根本から修復・改善し、肌の自然治癒力も高める。製剤の種類が多数。
| 【施術頻度】 | 【費用目安】 | 【期待できる効果】 |
|---|---|---|
| 3〜4週間おきに3回程度 | 1回3万円程度〜 | 肌質改善、ハリ・弾力UP、小ジワ改善、毛穴ケアなど |
【たかひろ’s POINT】単に成分を注入するものから細胞に働きかけるものまで
「気軽に取り入れやすい施術。単にヒアルロン酸などの成分を注射するものから、皮膚の細胞自体に働きかけるタイプまで、とにかく種類がたくさんあります。興味がある場合は、医師に相談して適切な注射を選んでもらいましょう」
※「GetNavi」2026年6月号に掲載された記事を再編集したものです。