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2016/11/27 16:00

観客動員うなぎ上りで世界が注目! 新日本プロレス・人気復活の道のりをIWGP王者オカダ・カズチカが語る!

GetNavi web×新日本プロレス コラボ連載 番外編

今回の新日本プロレスとのコラボ連載は、番外編。今回は、本サイトでもおなじみのIWGPヘビー級王者、オカダ・カズチカ選手のインタビューをお届けします。選手の離脱が相次いだ時期のこと、人気を取り戻していった過程などを語ってもらい、2016年を振り返ってもらうとともに、新日本プロレス最大のイベント、1月4日の東京ドーム大会への意気込みなど、ファンが気になるあれこれを聞いてきました!

 

PROFILE

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オカダ・カズチカ

愛知県安城市出身、1987年11月8日生まれ。新日本プロレス所属。身長191cm、体重107kg。「レインメーカー」の異名を持つ第65代IWGPヘビー級チャンピオン。ヒールユニット「CHAOS(ケイオス)」に所属。華麗なるドロップキックを得意とし、フィニッシュホールドとしてレインメーカーを持つ。

オカダ選手のTwitterはコチラ

 

選手離脱が相次いだ時期、悩んだ末の結論とは?

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――新日本プロレスの観客動員数が昨年よりもアップしているそうですね。

 

オカダ 10月の両国国技館大会はG1が終わったばかりで、いつもは少し苦戦する大会なんですけど、今回は超満員でしたからね。これは「来てるな」って思いましたね。

 

――今年の1月に中邑真輔(なかむらしんすけ)選手、トップ外国人レスラーであるAJスタイルズ、カール・アンダーソン、ドク・ギャローズの4名が次々と新日本プロレスを離脱して米国最大のプロレス団体・WWEへ入団しました。さらに2月には飯伏幸太(いぶしこうた)選手も契約を解消して、主力選手5名が退団することになり、団体としてパワーダウンは否めない状態でした。しかし、気がつけば1年も経たずに観客動員が増えて人気に拍車がかかっています。

 

オカダ 離脱があって、僕も悩みました。でも、悩んでいた自分がバカだったな、と思えるぐらいこの1年の盛り上がりはすごかったですね。

 

――選手の離脱が続いた当時は悩んでいたんですか?

 

オカダ 悩みましたね。僕はチャンピオンですから、お客さんを「大丈夫だ」っていう気持ちにさせなきゃいけない。だから、そのためにはどうしたらいいんだろう、と考え続けていました。でも、結局は、「普通に試合をやればいいんだ」との結論に至って。実際、僕たちにできるのは、お客さんを満足させるいい試合をするしかない。だから、今年はそれをやり続けただけですね。

 

「いったい何人お客さんが入る?」――先が見えない楽しみ

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――中邑選手は新日本での、そのままのスタイルでリングに上がり、WWE・NXTの王者となっています。入団当初から慕っていた中邑選手の退団したことで、オカダ選手のなかで変わったところはありましたか?

 

オカダ そこまで変わったことはないんですが、どこか自分のなかで「中邑さんに負けたくない」という気持ちがあるのかもしれないです。大会の規模は勝てないと思いますけど、「俺らのほうがすごいことしてるんだぞ」という気持ちを、お客さんにも向こうの選手にも伝えたい思いはあります。闘いの質もそうですし、選手の実力の面でもそう。

 

――WWEに移籍したAJスタイルズ選手が、1年をかけずにWWE世界王者になっているのも驚きですが、新日本プロレスの外国人ユニット「BULLET CLUB」を、そのままコピーした「The Club」が向こうで人気になっていることも衝撃ですよね。

 

オカダ 新日本プロレスは、WWEにコピーされるところまで来たんだな、と思いましたね。実況でも率先して、「ニュージャパンプロレスリング」と言うようになってきていて、新日本プロレスがブランドになっているのを感じます。

 

――オカダ選手自身はWWEに対する憧れはないんですか?

 

オカダ ないですね。WWEはもう完成しきっちゃってるというか。新日本だったら、シンガポールなどの海外に進出して、そこからまた積み上げていける。いったい何人お客さんが入るんだろう? という先が見えない楽しみがありますけど、WWEにはそれがない。世界の大きな会場でやるんだったら、いろんなことを積み上げて、体験しながらやっていくほうが楽しいんじゃないかと思うんです。

 

たとえば僕が新日本プロレスに入った頃は、大阪大会などではお客さんがぜんぜん入ってなかったんですが、いまはどんどんお客さんが増えていって。大阪府立体育会館(エディオンアリーナ大阪)が札止めになって、花道をなくして4面にお客さんを入れても札止めになって。大阪城ホールに行って、そっちも札止めになってっていうことがあった。ちょっとずつお客さんが増えていく段階を見てきて、それをこれからも味わいたいという気持ちが強いんです。

 

内藤哲也の人気は認めるが「僕より強くない」

――ちなみに、今年は春に内藤哲也選手が急激にファンの支持を得ました。4月10日両国国技館で行われたオカダ選手とのIWGP選手権試合では会場が異様な空気に包まれてましたね。

 

オカダ それは感じましたね。なんか悪いことしたわけでもないのにブーイングされました(笑)。まあでも、内藤さんがあれだけ好き放題やることが、今、支持されるんだなって思いましたね。

↑第15代 インターコンチネンタル王座の 内藤 哲也選手 ©新日本プロレス
↑第15代 インターコンチネンタル王座の内藤哲也選手 ©新日本プロレス

 

――正直、ここまで内藤選手が支持を得るとは思ってましたか?

 

オカダ まったく思ってなかったですね。いままで内藤さんは善のイメージだったんですが、いまいちお客さんを掴めていなかった。2013年にG1で優勝してますけど、強くなればなるほどお客さんが嫌っていく……といった印象の人だったんです。それがここにきて僕が善、内藤さんが悪というイメージに変わったら、いきなり内藤さんがドカンと来た。そういうこともあるんだな、と感じましたね。

 

――内藤選手が率いるユニット「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン」も爆発的な人気となっています。

 

オカダ あそこまでのチームって、久しく無かったと思いますね。お客さんみんながTシャツを着たり、パーカーを着たり、キャップを被ったりしている。悪いことをしてもブーイングされない。90年代の「nWoジャパン」以来の、すごいチームが出てきたなって思います。でも今、僕がトップにいるときにああいうすごいチームが出て来てくれたんで、それを間近で体感できるのはうれしい。チームとしても強いし、内藤さんも強い。まあ、僕よりは強くないですけどね(笑)。

 

――だいぶスター選手が増えてきた印象ですね。これで新日本プロレスは安泰でしょうか。

 

オカダ いや、僕は、もっとスターがいなければいけないと思います。いい選手、若い人にはどんどん入ってきてもらいたい。そして、「こいつヤバイ」かつ「こいつがいるから大丈夫」という人に出てきてもらいたいですね。

 

――現在、その位置に行けそうな選手はいますか?

 

オカダ 残念ながら、いないです。だからこそ出て来て欲しいですね。

 

1.4のケニー・オメガ戦は新日本らしくない戦いになる

――今、新日本プロレスのどういったところがファンに受けていると思いますか。

 

オカダ やっぱり試合内容だと思いますね。どれだけカッコイイ選手がいて、どれだけすごい技ができる人がいても、試合が面白くなかったら二度と見に行こうとは思わない。さらに、ひとつの試合が終わっても、ストーリーは終わらないじゃないですか。ドラマの続きが気になって離れられない人が増えていくんです。

 

――さて、1月4日は恒例の東京ドーム大会、通称「イッテンヨン」が行われます。オカダ選手にとってこの大会はどんな大会ですか?

 

オカダ 1年の終わりでもあり、始まりでもある大会ですね。その年の最初のビッグマッチなんですが、前の年に起きたいろいろなことの集大成でもあります。

 

――東京ドーム大会で何か思い出はありますか?

 

オカダ 2016年のイッテンヨンで棚橋弘至選手と戦って勝ったんですが、勝者のみ花道から帰れるんです。ただ、花道から帰ると、東京ドームを一周して帰らなきゃいけないから、控え室までとにかく遠くて……。「ヘトヘトなのに、ここまで歩かせるか」って思いましたね(笑)。まあ、うれしい悲鳴ではあるんですが。

↑棚橋選手と対峙するオカダ選手 ©新日本プロレス
↑2016年の1.4で棚橋選手と対峙するオカダ選手 ©新日本プロレス

 

↑フィニッシュホールド、レインメーカーを決める ©新日本プロレス
↑フィニッシュホールド、レインメーカーで棚橋選手に勝利 ©新日本プロレス

 

――今回のドームでは、オカダ選手の持つIWGPヘビー級王座に、G1 CLIMAX 26で優勝したケニー・オメガ選手が挑戦します。

 

オカダ ケニーは唯一、シングルマッチで闘ってない大物ですからね。日本のファンの方にはなじみが少ない選手だと思うんです。たしかに棚橋弘至、内藤哲也に比べると知名度では落ちる相手ではあるんですけど、やってみると実力は棚橋、内藤を超えるものがある。実際、僕も大阪で負けちゃってるんですよね。

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↑ケニー・オメガ選手 ©新日本プロレス

 

――どのような試合になりそうですか?

 

オカダ シングルマッチは初めてなんで、どういう試合になるかはやってみないとわからないです。ただ、新日本らしくない試合になるんじゃないかなと思います。ケニーは海外や他団体から新日本プロレスにたどり着いた選手なので、想像できないことをやってくる。新日本の選手が想像する範囲の外から来るイメージですね。怖いですが、楽しめる試合にはなるんじゃないかと。もちろん、今回もしっかり勝ってあの長~い道のりを帰りたいです(笑)。

 

 

プロレスを知るなら、僕の試合だけ観ていたら間違いない

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――ちなみに、IWGPのベルトの重さは感じていますか?

 

オカダ あまり感じていないんです。でも、そのすごさを伝えないといけないなとは思ってますね。それがチャンピオンの使命ですから。あ、もしかしたら、それが重さなのかもしれませんね……。

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――東京ドームでは、オカダ選手のここを観るべき! というところがあれば教えてください。

 

オカダ そう聞かれると僕、全部って言っちゃうんですよね(笑)。入場、試合、退場まで。僕はお札が舞うなかでカッコよく入場して、いい試合をして、カッコイイ技で勝って、最後に外道さんがマイクでシメる、そのすべてを楽しんでほしい。昔の選手で、入場だけがカッコイイ人っていると思うんですよ。試合が面白いだけの人ももちろんいますし、マイクだけ得意な人もいるんですけど、僕は全部が揃っていますから。新日本の大会でプロレスの面白さを一気に体感したいなら、僕の試合だけ観ていたら間違いないですね。

 

「とにかくオレを見ろ!」との力強い内容でシメてくれたオカダ選手。インタビューからは、ファンを大切にしながら、「もっとやれる」とプロレスの可能性を追求し、自身もそれにワクワクしている姿が見てとれました。そんな選手の試合が、面白くないはずがないですよね。まだプロレスを見たことがない方、まずはオカダ選手の試合を観戦してみてはいかがでしょうか?

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【大会情報】

WRESTLE KINGDOM 11
[レッスル キングダム 11]
2017/01/04(水)@東京ドーム
プロレス界最大のビッグイベント、通称「イッテンヨン」こと東京ドーム大会が開催決定! 年に一度の闘い詣に日本中からファンが集結する。

※最新情報は新日本プロレス オフィシャルサイト

 

撮影/黒飛光樹