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2024/5/22 21:00

ミズノの「スムーズ スピード プロジェクト」はステージ2へ突入。ジョグに注力したニューモデル「MIZUNO NEO VISTA」を発表

ミズノが2022年から始めている「SMOOTH SPEED PROJECT(スムーズ スピード プロジェクト)」はステージ2へ。「ジョグこそがスピードを生み出す」をコンセプトに、6月14日11時より発売されるジョグやスピード練習に適したニューモデル「MIZUNO NEO VISTA(ミズノ ネオ ビスタ)」が発表されました。

 

ゼロベースで「スムーズなランニングとは何か」を追求するプロジェクト 

1906年に創業者の水野利八氏が大阪で水野兄弟商店を始めてから、110年を超える長い歴史の中で数多くのプロダクト、テクノロジーを開発してきたミズノは、2022年より「スムーズ スピード プロジェクト」を推進しています。それは「スムーズなランニングとは何か」を考え、既成概念にとらわれずゼロベースですべてやる、いいことがあったら全部取り入れる、そんなプロジェクトです。

 

2022年にはプロジェクトの第1号商品として、フルマラソンではなく、ハーフのショートディスタンスで圧倒的な力を発揮するプロトタイプ「WAVE DUEL PRO(ウエーブ デュエル プロ)」を発表しました。以降、「デュエル プロ」をフルマラソンまでアップデートした「WAVE REBELLION PRO(ウエーブリベリオン プロ)」。2024年には、よりスピーディにアップデートチューニングした「WAVE REBELLION PRO 2(ウエーブ リベリオン プロ 2)」が発表されました。

 

「REACH BEYOND」のフィロソフィーの元、気合と愛情で突き進む

「『リベリオン プロ』が中心にあるスーパーシューズの開発はステージ1。このステージはどんどん続いていきますが、もう一つ新たな動きをします。それがレースシューズ開発で培った革新をデイリーランニングに持ち込む、それこそ今日のメインプロダクトとなるジョグにこだわった新モデルMIZUNO NEO VISTAです」と、今回の発表会で力強く語ったのは、シューズ企画担当の青井俊輔氏です。

↑自宅にはミズノのシューズ400足以上を所有する“ミズノ愛”に溢れる青井氏

 

ミズノのフィロソフィーには「REACH BEYOND」があります。これは「絶対に立ち止まらない。満足しない。とにかく次に進み続ける」という精神のもと、全社員が気合とミズノへの愛を持って「スムーズ スピード プロジェクト」を突き進めています。

 

「この2年少しの間にさまざまなプロダクトを出してきましたが、どれも非常に良好なセールスを記録しています。その間に我々は、2つのことをしてきました。素材の改革、それから構造の改革です」(青井氏)

↑なかでもスムーズな走りを生む底面構造は特許を取得、他社は決して真似ができない

 

素材では、これまで「Mizuno Enerzy(ミズノ エナジー)」という柔らかく、高反発な素材をランニングシューズに採用していましたが、今回はクッション性、E-リターン(高反発)、そしてライトネス(軽量性)の3つの重要な要素をバランス良く合わせ持った新素材「Mizuno Enerzy nxt(ミズノ エナジー ネクスト)」が採用されています。

 

また、この素材をソール全面に単に使うだけではなく、超大ボリュームで今回搭載しました。その厚みは前足部36.5ミリ、後足部にいたっては44.5ミリ。大ボリュームで新素材を使うことで、柔らかくて脚にかかる負担を軽減し、さらにエナジーリターンが強くて反発、推進力を感じることができます。

 

このことにより、以前発売されたシューズ「Wave Neo Ultra(ウエーブ ネオ ウルトラ)」と比較すると,クッション性でかかとが54%増、そして前足部が83%増し、柔軟な接地で脚にかかる負担を軽減します。

↑前足部では同社比83%もの負担を軽減。大ボリュームでも素材は軽量で片足265g(27.0cm)と軽量化も成功

 

また、2層構造のソールの間には、1997年にトタン屋根の波型から着想し開発され、同社の定番中の定番シューズ「WAVE RIDER(ウエーブ ライダー)」に28年間もの間に渡って採用されている「MIZUNO WAVE(ミズノ ウエーブ)」の改良版を搭載することで、高い安定性も実現しました。

↑前に進む推進力の指標となるエナジーリターンは後足部で35%、前足部が60%アップしている

 

他社の追随を許さない革新的な特許構造

革新的な素材の開発に続いて、他社では絶対に真似ができない同社独自の機能が、特許を取得している特徴的な底面構造、「SMOOTH SPEED ASSIST(スムーズ スピード アシスト)」です。

 

「『ウエーブ リベリオン プロ』から受け継いだこの構造は特許を取得しています。この特許構造がもうズバリ、楽に走れちゃう。これだけはもう他社さんがどんなに頑張っても特許で守られていて真似できない。我々独自のポイントになります」(青井氏)

 

ソールの支え台構造が、スムーズな走りを生み出す脚の角度維持をサポートします。その仕組みをシーソーに例えています。「スムーズ スピード アシスト」が搭載されているシューズは、足関節の回転運動における支点と作用点の距離、これを短くすることができます。短くすると力点にかかる力、これを低減させることができます。これが、マラソンディスタンスにおけるすべての歩数の中で発生してくるがゆえに、下腿三頭筋の伸張性収縮の一般的な指標とされる「底屈トルクの負の仕事」を低減することができるのです。

↑特許を取っている底面構造により、走行時常に最適な角度を維持することで、体重移動をサポート

 

「リベリオン プロ」では履いた時のシューズの中での足の角度は11度となっています。これは時速20キロ、マラソンでキロ3分ぐらいで走る高速ランナーに最適な立地の角度でした。今回の「ネオ ビスタ」が標準としたのは時速12キロ。キロ5分で走る際に理想的に支えることができる角度を追求した結果、5度に設定されています。

↑「リベリオン プロ」(左)はしっかりかかとが上がっているのが特徴。今回の「ネオ ビスタ」とは見た目にも大きく違う

 

「ふくらはぎがめちゃめちゃ楽になる。トレーニングで最後まで脚を残すことができ、ハードなトレーニングをして、また次の日もそれをこなすことができる。そういったところに繋がってくる機能になります」(青井氏)

 

箱根10区を区間賞で走るパワーを持ったホールド感 

アッパーには「WAVE DUEL NEO(ウエーブ デュエル ネオ)」で採用されたワンピースニット構造が採用されています。これは2020年の箱根駅伝10区、創価大学の島津雄大選手が区間賞を獲得した時に履いていたシューズとしても知られています。

 

「非常にしなやかでありながら高いホールド感。箱根10区を区間賞で走るパワーを持ったこのホールド感を生かしながら、デイリーランニングにも生かせるようによりしなやかに柔らかく開発。そして通気性を高める、履きやすくする、さまざまな改良を加えて今回のニットアッパーにたどり着きました」(青井氏)

 

現在はGMOインターネットグループで活躍する島津選手は「ネオ ビスタ」の開発にも携わっており、今回は動画メッセージが紹介されました。

↑「キロ6分ぐらいのジョグから、ハイペースの3分30ぐらいのレース走まで、幅広く使っています」と島津選手

 

「普段の練習だったり、ちょっと負荷を高めて少しハイペースで走ろうと思うときにも役立ちます。パーソナルでフルマラソンに出る方もいると思いますが、そういう場合でも『スムーズ スピード アシスト』がサポートしてくれて、結構スピードも出しやすいシューズだと思います。もちろんクッション性も優れているので、足の負荷という点も軽減できます。なので、練習からレースまで履くことを考えると市民ランナー、一般ランナーの方におすすめしたいシューズ」と、ネオ ビスタをどのような人にすすめたいかを語りました。

 

デイリーランナーからエリートランナーまで幅広く対応。次なるステージは……

ネオ ビスタはランを楽しむデイリーランナー(サブ5.0~/1キロあたり約7秒)、記録向上を目指すランナー(サブ3.0~4.0/1キロあたり約4秒15~5秒45)、さらにはエリートランナー(~サブ2.5/1キロあたり約3秒30)まで、幅広い層に対応しています。

↑メンズのほかに、ウィメンズ、ユニセックス(写真)の3モデル。価格はどれも2万2000円(税込)

 

「『ミズノ ネオ ビスタ』のネオは『新しい』、ビスタは『眺望』を意味します。見たことない景色を一人でも多くのランナーの方に、このシューズを通じて見られるかもしれない。実際に見ていただきたい。我々ミズノ自身も新しい世代にどんどん生まれ変わっていきます。そして『ミズノネオ』は単発では終わりません」(青井氏)

↑ステージ2に入った「スムーズ スピード プロジェクト」はさらに次のステージも用意されている

 

「ステージ1はスーパーシューズ、ステージ2ではスーパートレーナーを作りました。では次はなんだ? やはりステージ3があるんです。デイリートレーナーをここに持ち込んでいきます。近いうちにこのネオ ビスタの機能を持った、もう少しお買い求めやすい価格で、よりさまざまな方に使っていただけるモデルがどんどん出てくるので、ぜひ期待をしていただけたらと思います」(青井氏)

 

「ミズノ愛」と「REACH BEYOND」の元、次はどのような革新を見せてくれるのでしょうか。今後の「スムーズ スピード プロジェクト」からも目が離せません。

 

 

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