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2023/9/23 6:30

「e-POWER」は やっぱりセレナの大本命! 最上級グレード「ルキシオン」試乗レビュー

今回は国産ミニバン三強の一角をなす日産・セレナを紹介。一層洗練された自慢のe-POWERに注目だ。

※こちらは「GetNavi」 2023年10.5月号に掲載された記事を再編集したものです

 

NISSAN SERENA

SPEC【e-POWERルキシオン】●全長×全幅×全高:4765×1715×1885㎜●車両重量:1850㎏●パワーユニット:1433㏄直列3気筒DOHC+電気モーター●最高出力:98[163]PS/5600rpm●最大トルク:12.5[32.1]㎏-m/5600rpm●WLTCモード燃費:18.4㎞/L ●[ ]内はモーターの数値

 

“電気感”に一層の磨きがかかった!

昨年リリースされたガソリンモデルに続き、e-POWERを搭載したセレナの発売がいよいよスタートした。シリーズ式ハイブリッドとなるe-POWERは、いまや同社の顔ともいうべきシステムだが、セレナへの採用にあたっては第2世代へとアップデート。発電用ガソリンエンジンも、排気量を先代の1.2Lから1.4Lへと拡大すると同時に静粛性などを高める改良も施された。

 

e-POWER搭載モデルの最上級グレード、ルキシオンでは運転支援システムのプロパイロットが同一車線内でのハンズオフ走行を可能とする「2.0」となることもトピックのひとつ。日産車ではスカイラインで初採用されているが、ミニバンで同様の機能が搭載されたのは世界的に見てもセレナが初だとか。

 

今回の試乗車はそのルキシオン、ということでまずは2.0の効能を再確認してみたのだが、ハンズオフ走行時の自然なステアリング制御や速度管理の巧みさは相変わらず。まったく同じ条件ではないので直接比較するのは乱暴だが、以前試乗したスカイラインのそれと比較すると作動領域が拡大しているように感じられたことも印象的。元々、基本的な操作が簡単なだけに長距離走行の機会が多いユーザーは重宝しそうだ。

 

だが、それ以上に印象的だったのはe-POWERの進化ぶりだ。ルキシオンでは遮音対策が一層入念に施された効果もあってか、日常的な走行条件ではもはや発電用エンジンの存在を意識させない。もちろん、高負荷時には相応の音が車内に侵入してくるがそれも騒々しく感じる類ではない。加えて、純粋な電気モーター駆動なので滑らかな加速感やアクセル操作に対する正確な反応はピュアEVレベル。トヨタのノア/ヴォクシーやホンダのステップワゴンでも電気駆動モデル(ハイブリッド)は選べるが、e-POWERのセレナほど“電気”の存在を実感できないのが本音。長年、国産ミニバン3強として切磋琢磨している各モデルだけに実用性に関する作り込みはいずれ劣らぬもの。加えてそれぞれに独自の持ち味も存在するが、セレナでは第2世代e-POWERこそがキラーコンテンツであることは間違いない。

 

最新モデルらしいデジタル感をアピール

多彩な表示機能を持つアドバンスドドライブアシストディスプレイやコントロールディスプレイ、タッチパネルを駆使したインパネ回りは、いかにも最新モデルらしい仕立て。シフトもボタン操作になった。

 

歴代モデルの面影が残るボディは使い勝手も上々

リアゲート上部を開閉できるデュアルバックドアを先代から継承。使い勝手への配慮に怠りはない。全体の雰囲気は歴代モデルに通じるが、外観は精悍な印象も強まった。

 

クラストップの広さを実現!

室内長、幅はクラストップというだけに各席とも空間的な余裕は十分。2列目にはロングスライド機構も採用する。ルキシオンを除くe-POWER車では8人乗りも実現。

 

上々な使い勝手は歴代モデルから継承

スクエアなボディ形状だけに、荷室は3列目シート使用時でも実用的な広さ。ゴルフバッグなら9.5インチのものが4個収納できる。フロア下にも収納スペースを用意。

 

もはや存在を意識させない!

搭載される発電用の1.4L3気筒ガソリンエンジン。高い静粛性や振動の少なさも従来の1.2ℓエンジンからの進化のポイントとか。

 

走りは静けさに一層の磨きが!

ルキシオンでは、特に日常域の静粛性の高さが印象的。滑らかな加速とアクセル操作に対する正確な反応も電気駆動車ならでは。操縦性は基本的に穏やかな味付けだ。

 

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