本・書籍
2018/2/13 16:30

「旅」とは何かを知りたければ、寝台列車に乗ればよいのだ

旅行をする際、僕はクルマを使うことが多い。運転がそれほど嫌いではないこと、自由に行き先を変えられること、時間の融通がきくことなどが主な理由だ。

 

新幹線や特急などを使って遠くに行くこともあるが、それはほとんどが出張。よく考えたら、僕はクルマで行ける距離のところしか旅行に出かけてない。そもそも、そんな遠くに旅行をしたいという気持ちが薄いようだ。

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たった1週間の北海道一人旅

ただ、一度だけ電車で遠くに行ったことがある。北海道だ。今から20数年ほど前、フリーターだった僕は、アルバイト先を辞めてなぜか北海道に行くことを決意。特に理由も目的もなかったのだが、「北海道に行く」ということだけを思いつき、行くことにした。

 

千葉県から北海道へ旅行をするなら、普通なら飛行機だ。ただ、当時僕は飛行機に乗ったことがなかった。初の飛行機を一人で乗ることに恐怖を感じた僕は、陸路での北海道上陸を試みる。結果、新幹線と特急を乗り継ぎ、8時間くらいかけて函館までたどり着いた。

 

あとは、道南地区を電車を乗り継ぎあちこち周り、飛び込みで宿を確保して一人旅をしていた。

 

1週間ほどして、なんだかもういいかなと思い、同じく陸路で帰ってきた。帰ってきたら辞めたはずのアルバイト先から、戻ってくるように言われて、復帰した。

 

 

ローカル線に旅情を感じた

そんな北海道旅行では、細かくいろいろなことがあったけれども、一番記憶に残っているのは、ローカル線に乗ってあちこち移動したことだ。

 

特に鉄分(鉄道オタク成分)はないし、乗り物にもそれほど執着心はないが、ローカル線に乗って知らない景色の中を移動していると、なんとなく「旅をしている」という気持ちになった。

 

電車での旅も悪くはないな。そのときはそう思った。

 

 

ブルートレインの旅はかなりの贅沢

この一人北海道旅行のとき、寝台特急の北斗星、いわゆるブルートレインに乗ろうかとも考えたが、そのときはお金がなかったので諦めた。

 

考えてみれば、僕はこの生涯で一度もブルートレインに乗っていない。僕の唯一のブルトレチャンスだったのだが、みすみす逃してしまった。今思えばもったいないことをした。

 

もう乗れない!見られない!寝台列車の旅』(学研プラス・編/学研プラス・刊)は、今はなき寝台列車全25列車を解説している。

 

北斗星はトップバッターとして登場。北斗星は2015年8月まで運行していたようだ。上野駅〜札幌駅間の1211.7kmを、約16時間で結ぶ寝台特急。

 

時間だけを見ればかなり長い。しかし、寝台列車という空間を堪能するならば、長ければ長いほどいいのだろう。しかも、北斗星はかなりラグジュアリーな施設やサービスを備えていた。

 

もし、このとき北斗星に乗っていたら、僕の人生は何か変わっていたかもしれない。

 

「北斗星」などの寝台特急に乗って北海道に行くこと。それは時間の使い方からすれば、いちばん贅沢な旅と言えたかもしれない。

(『もう乗れない!見られない!寝台列車の旅』より引用)

 

寝台特急、なかでも「北斗星」で北海道に行くということは、金銭的にも時間的にも贅沢な旅だ。当時の僕が選ばなかったのもうなずける。

 

 

今乗れる寝台列車はサンライズ瀬戸・出雲

現在通常運行している寝台列車は、高松〜東京間の「サンライズ瀬戸」、出雲市〜東京間の「サンライズ出雲」だ。

 

いつかチャンスがあったら、ぜひ乗ってみたい。寝台車というものはどんなものなのか。夜中、線路を走る電車はどんな感じなのか。

 

そして、「旅」というものはどんなものなのか。旅慣れない僕に、教えてくれそうな気がする。

 

【著書紹介】

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もう乗れない!見られない!寝台列車の旅

著者:学研プラス(編)
出版社:学研プラス

北斗星、富士、はやぶさ、トワイライトエクスプレス…。かつて日本列島を駆け抜けた寝台列車の雄姿を、記事で振り返る。全25列車を解説する「ブルートレイン」寝台列車ガイドも掲載。

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