スポーツ
2017/5/12 20:00

レースもトレーナーもスパルタン! 世界最大の障害物レース「リーボックスパルタンレース」ーーその攻略法とは?

「大人の障害物競争」をうたい、世界35か国で開催されてきた世界最大の障害物レース『リーボック スパルタンレース』が、いよいよ5月27日に日本でも初めて開催される。その体験会が4月29日に東京・お台場で開催され、多くの参加者が会場に集まった。

 

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『スパルタンレース』とは、2012年にアメリカで始まったイベントで、単に決まった距離を走るだけではなく、その行程で壁を登ったり、険しい丘をよじ登って下りたり、はたまた重い荷物を持ったまま走ったり、ときには槍まで投げたりして、ハードな障害物の数々をクリアしつつゴールを目指すというレースである。

 

プロデューサーの笠井 総子さんは「誰もが“やってやれないことはないな”と感じるぐらいのレベル」と言うが、たとえ1人では難しくても、数人で協力しながら障害を突破していくのも「スパルタンレース」の醍醐味。チャレンジする気持ち、諦めない気持ちを持ちながら、数々の障害をチームで助け合いながらひとつひとつ克服していけば、きっとゴールをしたときのよろこびもまた格別なものになるというわけだ。

↑体験会でインストラクターを務めたトレーナーの皆さん
↑体験会でインストラクターを務めたトレーナーの皆さん。右が常にマイクを持って参加者たちに指示を送り、体験会を支配(!?)していたカリスマトレーナーの中野ひろゆき氏

 

さて、このスパルタンレース。誰でも参加できるわけだが、生半可な気持ちでは完走も難しいタフなレースである。そこで今回は、体験会でもナビゲーターとして参加者を大いに盛り上げていた大会アンバサダー・トレーナーの中野ひろゆき氏が参加希望者に向けて貴重なアドバイスを授けてくれたのでご紹介したい。体験会に設置された5つの障害物と体験会参加者の感想と合わせてお届けしよう。

 

【その1】クライム

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最初に紹介するのは「クライム」と呼ばれる壁。参加者より高い壁を自分の身体だけを頼りに乗り越えなくてならない。なお、体験会では障害の高さは180cmだったが、本番は200cmに設定されるという。多くの参加者も、「前に飛ぶと壁に激突してしまうので、とび箱のように上に飛ぶイメージを持ってこなせば成功率は高い」と語っていた。

 

【中野氏のワンポイントアドバイス】

「遠くから走ってきて勢いで飛び越えようとする人がいますけど、ありえません。ゆっくりきてぴょんと飛んで、壁をつかんで体を持ち上げる。ちょっとしたタイミングとコーディネーション、そしてパワーが大切です」(中野氏)

 

【その2】スリップウォール

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この丘は「スリップウォール」と呼ばれる障害を模したもの。吊り下げられたロープを頼りに傾斜のついた坂を登っていくもので、本番では泥だらけでスリッピーな障害となる(トレーナーの皆さんがロープを持っていたところが登りにあたる)。「腕でロープを引く力と踏ん張る力をバランスよく使うことが重要」と参加者の声。

 

【中野氏のワンポイントアドバイス】

「本番は泥だらけですからとても滑ります。普通のランニングシューズでは滑ってしまうので、足元の装備にも気を使って欲しいですね」(中野氏)

 

【その3】クロール

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「クロール」と名付けられた同障害では、ひざの高さ程度に配されたテープ(本番は有刺鉄線が配される)に触れないように進まなければならない。とにかく低くして動くことが大切で、参加者の皆さんも口々に同じことを語っていた。無心で下を向きながら進んでいくイメージを持って障害に臨みたい。

 

【中野氏のワンポイントアドバイス】

「ほふく前進するときに誰もが足を動かしがちなんですが、それが一番いけないんです。上半身の力だけで動くことを忘れずに」(中野氏)

 

【その4】サンドバッグキャリー

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その名のとおり、重いサンドバッグを決められた位置まで運ぶ「サンドバッグキャリー」。取材時のサンドバッグは18kgに設定されていたが、本番はもっと重くなるという。そして参加者が「一番きつかった」と語っていたのがこの障害だった。単純な障害ではあるが、全身のパワーとバランスが求められるようだ。

 

【中野氏のワンポイントアドバイス】

「かなり重いですからしっかり持ってください。なお、男性は肩に乗せたら違反ですよ」(中野氏)

 

【その5】スピアスロー

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スパルタンレースの中でも異色なスロー系の障害で、本番は的に向かって槍を投げる。参加者の大多数が失敗していたとおり、かなりの難易度だ。高確率で成功していた参加者によると、「しっかり腕を振って、いかに直線的に投げられるかがカギとなりそう」とのこと。本番での参考にしてみよう。

 

【中野氏のワンポイントアドバイス】

「これは本当に難しい。だって槍なんて投げたことがないのが普通ですから(笑)。その分成功する人も少ないので安心して」(中野氏)

 

参加者を苦しめる“バーピー”とは!?

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そして、障害攻略以上に忘れてはいけないのがこれだ。「そもそも7km走るだけの走力が必要(本大会は7kmの設定)なのと、バーピーを30回以上できるようにしておくこと。これが大事です! 本大会では1回障害をミスするとバーピー30回が課せられますので」(中野氏)。 スパルタンレースに欠かせない要素のひとつが、通称「バーピー」と呼ばれるバーピージャンプで、体験会でも何度となく参加者に課せられていた。

 

バーピージャンプとは、プッシュアップ(腕立て伏せ)から足を揃え、そのまま立ち上がってジャンプするトレーニング種目。スパルタンレース本番では、障害物を一度失敗した人に、なんと30回課せられる。やってみればわかるがこれはかなりハード! それだけに、無駄な体力とタイムをロスしないためにも、障害物は着実にクリアしていくことが必要になってくる。再び中野トレーナーの言葉に戻そう。

 

「このように、スパルタンレースは普段はあまりやらないような動きをけっこうするので、肉体的な準備、そして心の準備が必要不可欠。あとは最適なギアの準備も大切です。機能性の高い、競技に合った靴やウェアを履いてほしいですね」(中野氏)

 

やはり誰でも参加できるとはいえ、スパルタンレースに出るにはそれなりの準備が必要なようだ。中野氏も語っているように、スパルタンレースにはレースの状況に最適なシューズを選ぶべきだし、トレーニングの際にも目的に合った適切なトレーニングシューズを選びたいもの。ここからは、各シチュエーションに最適なシューズをご紹介しておこう。

 

スパルタンレースのために開発された専用シューズ

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Reebok  オールテレイン スーパー 0.3

「スパルタンレース」で想定される、過酷なコンディションを戦い抜くために開発された専用モデル。巻貝を模したアッパー構造によりシューズと足の密着性が高く保たれ、水たまりや泥地での靴脱げを防止する。

 

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異なる形状のスタッドにより構成される「オブスタグルグリップ」は、泥だらけの『スリップウォール』をはじめとした足場の悪い障害でも高いグリップ性を発揮してくれる。さらにはシューズ内に侵入した水を素早く輩出する「H2O ドレイン」を搭載しているので、レース中に靴が重くなることもない。「スパルタンレース」のような厳しい状況が想定されるトレイルランニングには必須のアイテムといえそうだ。

 

持久力を高めるトレーニングに最適!

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Reebok フロートライド

リーボック独自の軽量ミッドソール「フロートライド フォーム」を搭載した革新的ランニングシューズ。フィット感に優れ履き心地も柔らかく、中距離から長距離のランニングに最適な一足だ。

 

スピード系のランニングやトレーニングに最適な一足

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Reebok リーボックライト

軽量で縫い目が少なく柔らかいスリッポン式の「フューズアッパー」を採用することでフィット性に優れ、足当たりを軽減。まるで靴下のような履き心地でランナーを支えてくれる。

 

あらゆるクロスフィットトレーニングに適した万能モデル

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Reebok クロスフィット ナノ 7.0

軽量で通気性もありながら、耐久性に優れたアッパーと弾力性と強靭さを合わせた一足。クロスフィットトレーニングに最適な一足で、究極の安定性を誇る。

 

さて、ここでは体験会を通じてのスパルタンレースの攻略法を説明してきたが、各障害の攻略法を映像にしてまとめたものもあるので、参考にしてほしい。

↑リーボックスパルタンレース 障害物攻略動画シリーズ(全12本)

 

日本初のスパルタンレースは5月27日(土)、神奈川県相模原市で開催される。待望の日本開催ということで、すでに応募者は多数集まっているという。さら今年の秋にも開催が予定されているとの噂も……。スケジュールが合わずに今大会の参加を見送った人は、いまから楽しみにしながらトレーニングに励んでほしい。

 

さあ、本番まであと二週間。日々のトレーニングの成果が本当に試されるときがやってくる。最高に面白い障害物レース「スパルタンレース」。アマチュアアスリートにまた新たな目標が生まれようとしている。