AIキャラクターと話せるテレビ、シャープ「AQUOS」新製品15モデルを発表

ink_pen 2026/5/19
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AIキャラクターと話せるテレビ、シャープ「AQUOS」新製品15モデルを発表
鈴木博之
すずきひろゆき
鈴木博之

フリーランスエディター/ライター。これまでさまざまなジャンルの雑誌編集に携わり独立。現在はモビリティやガジェット、ライフスタイル分野を中心に雑誌・Web媒体で取材・執筆を行う。メーカー発表会や現地取材をもとに、プロダクトの背景や開発ストーリーを掘り下げた記事を得意とする。

シャープは5月14日、「AQUOS」シリーズの新製品発表会を開催しました。有機ELテレビ「AQUOS OLED」8機種と、量子ドットMini LEDテレビ「AQUOS XLED」7機種の合計15機種を今夏発売するほか、テレビの大画面でAIキャラクターと会話できる新サービス「AQUOS AI」の提供も開始します。

↑AQUOSブランドは2001年に誕生しており、今年で25周年を迎えるそう。

「黒再現」の有機EL、「鮮やかな色表現」のMini LED。2つのラインを展開

↑有機ELテレビ「AQUOS OLED」8機種、量子ドットmini LEDテレビ「AQUOS XLED」7機種を今夏発売。

新製品はパネル技術によって大きく2系統に分かれます。有機ELテレビ「AQUOS OLED」は、上位の「S9Aライン」(77/65/55/48インチ)と「S7Aライン」(65/55/48/42インチ)の計8機種です。

S9Aラインの最大の特徴は、最新世代の「RGB Tandem有機ELパネル」を搭載した点。赤・緑・青それぞれに高効率な発光素子を用いることで色再現範囲を大幅に広げており、下位のS7Aラインと比べてカラーボリュームが約2.4倍(65インチ同士比較)に向上しています。さらにパネル表面に低反射コートを施しており、吸い込まれるような暗部表現も実現。リビングの照明をつけた状態でも、映像への没入感が損なわれにくい点は実際に画面を見ると違いを実感しやすいはずです。

一方の量子ドットMini LEDテレビ「AQUOS XLED」は、上位の「X9Aライン」(75/65/55インチ)と下位の「X7Aライン」(65/55/50/43インチ)の計7機種をラインナップ。

X9Aラインには新開発の「Advanced RGB 量子ドットリッチカラー」技術を採用し、独自に配合した量子ドットで光の波長変換技術をさらに進化させており、赤や緑をより深く鮮やかに表現できます。光を受けて艶めく車体の深紅や、差し込む光で濃淡が変わる森の緑といった「自然界の深み」を再現すると同社は説明しています。X9AラインはX7Aラインと比べてカラーボリュームが約1.4倍(65インチ同士比較)となっています。

AQUOS OLEDのS9A/S7Aラインと、AQUOS XLEDのX7Aラインは5月23日発売予定で、AQUOS XLEDのX9Aラインのみ6月20日の発売予定です。価格はいずれもオープンプライス。

音もリニューアル! イルカが音波を発する上あごの骨形状がヒントに

映像だけでなく、音響も刷新されました。X9AラインとS9Aラインには新音響システム「AROUND SPEAKER SYSTEM ++(アラウンド スピーカー システム ダブルプラス)」を搭載。本体上部の「ハイトスピーカー」と横方向へ高音を放出する「サイドスピーカー」が加わり、上下左右から立体的な音に包まれます。

さらに興味深いのが、音を前方に導くリフレクターの設計。イルカが上あごの骨の構造を使って音波を効率よく発信する仕組みにヒントを得た「ネイチャーテクノロジー」を採用しています。これにより視聴者側への音の放出効率が従来機比で約40%向上し、ナレーションや歌声といった人物の声がよりクリアに届くといいます。

↑イルカが音波を出す構造をヒントに開発した「快音リフレクター」。

業界初! テレビでAIキャラクターと会話できる「AQUOS AI」

今回の発表でとくに注目を集めていたのが、新サービス「AQUOS AI」です。国内市販テレビとして業界初となる、動くAIキャラクターとの会話を楽しめる生成AIサービスで、5月23日から提供を開始します。対応機種は今回発表の15機種すべてで、インターネット環境と「COCORO MEMBERS」への会員登録が必要。会話はリモコンのマイクもしくはテレビに搭載されているマイクを使い、ユーザーは1名のみ登録可能となっています。

機能は大きく3つあります。まず「トーク」では、日常の出来事や気になることをAIキャラクターに話しかけると自然な会話が返ってきます。有料プランは過去のやり取りを踏まえて応答できるため、使い続けるほどに関係が深まるのが狙いで、画面左下にはキャラクターとの関係の深さを示すLVゲージもあり、どれくらいの親密度になっているのかわかります。

↑「AQUOS AI」の機能は3つあり、キャラクターは2名から選べる(画面のキャラは「大輝」)。

次に「番組おすすめ」では「笑いたい」「リラックスしたい」などと気分を伝えるだけで、放送番組・録画番組・一部ネット動画配信サービスからコンテンツを提案してもらえます。

最後の「使い方ヘルプ」は、テレビの操作方法をそのまま話しかければ手順を案内してくれる機能で、説明書を引っ張り出す手間が省けます。「家族みんなが迷わず使えることを狙いの一つにしている」と語りました。

↑「トーク」モードでは、AIキャラと日常会話を楽しむことができる(画面のキャラは「あゆみ」)。

AIキャラクターは「大輝(だいき)」と「あゆみ」の2名から選択可能(「トーク」利用時のみ)。また、65インチ型では等身大に近いサイズで画面に映し出されるため、家族そろってテレビを囲みながら会話を楽しむ使い方も想定されています。

↑「番組おすすめ」では、スカッとしたいと話せば、自動で提案してくれる。


プランはフリー(月50回まで/無料)、ノーマル(月400回まで/税込495円)、ゴールド(月1,600回まで/税込1,980円)の3段階で、「番組おすすめ」および「使い方ヘルプ」機能は無料で利用できます。なお、この料金体系は同社が2025年にリリースしているミーアキャットをモチーフにした対話AIキャラクター「ポケとも」と同額とのこと。

「AIオート」も進化! ミリ波レーダーでうたた寝を脈拍で検知

S9AラインとX9Aラインには、新画像処理エンジン「Medalist S7」による「AIオート」機能も搭載。放送番組やネット動画のシーンに応じて画質と音質を自動で最適化するだけでなく、今回から「AIオート好み設定」が加わりました。「映像の好み」「顔色の好み」「黒表現の好み」の3項目をそれぞれ好みに合わせてカスタマイズでき、たとえば映像の好みは「ビビッド」「標準」「ソフト」の3択から選ぶだけで自動調整してくれます。

注目したいのがセンシング機能の進化です。テレビ画面下部にミリ波レーダーを搭載しており、離席・うたた寝の検知を行えます。うたた寝は脈拍の変化をミリ波レーダーで読み取ることで判断する仕組みで、眠ってしまったと検知すると自動で画面をオフにしてくれるそう。「ソファで眠り込んだまま朝を迎えてしまう」といった場面にも対応できるようになり、節電の観点でも実用的な進化といえます。

↑ミリ波レーダーが人の動きや脈拍を検知して自動で画面オフにしり、画面に近づきすぎるとアラートが出たりする。

今回の製品群は、AIとの会話を前面に押し出したことで、テレビの役割そのものを変化させようとしている印象があります。特に高齢層では、「近年の多機能なテレビが使いこなせない」という声も少なくありません。AIキャラクターとの自然な会話であらゆる操作が完結できる仕組みが定着すれば、「家電を操作する」という感覚自体が過去のものになっていく可能性もあります。テレビは「映像を見る箱」から、「生活をサポートする存在」へ変化しはじめているのかもしれません。

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