本稿ではGetNavi webで取材・掲載した記事を振り返りつつ、また、この年末年始にゆっくり飲むのにオススメなジャンルや銘柄に触れる形で紹介します。
【その1】白酒(ばいじゅう)
2022年のユーキャン新語・流行語大賞で「ガチ中華」がノミネートされたことは、何年も前から大陸系中華としてプッシュしてきた筆者自身、驚きでした。そこに加えてお伝えしたいのが、「白酒(ばいじゅう)」の存在です。
「白酒」は高粱(コウリャン)と呼ばれる穀物を主原料とする蒸溜酒で、中国では紹興酒以上におなじみ。2022年には「一般社団法人日本中国白酒協会」が設立され、2023年はガチ中華とともに日本で存在感を増していくことは必至なのです。
今度もしガチ中華のお店で白酒を見かけたら、ぜひ合わせてみてください。インパクトのある味わいとアルコール度数(「貴州茅台酒」は53%。全体的に高め)に、ぶっ飛びますよ! 春節(中国の旧正月)にもぜひ。
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【その2】白ビール
白つながりで、次はビールの話を。2022年に盛り上がったビールカテゴリーが「白ビール」です。もともと定番のスタイルとして知られていましたが、2022年は各大手メーカーがこぞって新作を発売。市場における新たな選択肢が、一般層へも広がりました。
特に、国内のクラフトビールトレンドをけん引する「スプリングバレー」ブランドの第2弾、「スプリングバレー シルクエール<白>」は鮮烈なデビューでした。無濾過により酵母を残した、よりまろやかなタッチとにごりのある液色は年末年始にもぴったり。ぜひお試しを。
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【その3】ニュージェネ焼酎
冬は温かくしてお酒を飲みたいシーズンでもあります。そこで重宝するのが焼酎のお湯割りでしょう。ということで、次は焼酎のトレンドを。焼酎業界でも多様化は進んでおり、昨今は個性的な原材料や製法により香りに特徴をもたせたものが増加中。メジャーな銘柄でいえば、2022年の2月にデビューした「ISAINA」がその新作です。
ユニークな銘柄を挙げるなら、芋焼酎「さつま白波」で知られる薩?摩酒造による、実験的な新ブランドのカカオ焼酎「SS.L_04 (エスエスエル ゼロヨン)」はきわめて個性的。こちらはビーントゥバー(カカオ→チョコの一貫生産)の名手であるカリスマ、三枝俊介シェフが率いる「ショコラティエ パレ ド オール」とコラボした製品です。
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【その4】大衆ジン
続いて、大ヒット商品とともに紹介。お酒業界には「世界4大スピリッツ」と呼ばれているカテゴリーがあります。ジン、ラム、テキーラ、ウオッカがあたるのですが、なかでも日本で近年メジャー化しつつあるのがジンでしょう。
小規模蒸溜所によるクラフトジンもさることながら、2022年3月に新発売しブレイクした「翠ジンソーダ缶」は、ソーダ割りの訴求によってジンをいっそう身近なお酒として定着させました。
個人的には、ジンのスパイシーさやハーバルなフレーバーに注目しています。なぜなら、昨今人気のスパイスカレーやガチ中華の個性的な風味と相性抜群だから。王道の「ボンベイ・サファイア」や、国内クラフトジンの旗手「季の美」、ピートに着目したユニークな「ジンスパイア」は注目株。
また、缶では「アサヒ ザ・カクテルクラフト ライム香るジントニック」なども新発売されており、ますますの躍進も見逃せません。
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【その5】ネオどぶろく
もうすぐお正月。伝統的にはお屠蘇(とそ)や甘酒を飲むシーズンということで、最後は日本酒関連のトピックを。冬の時季にはにごり酒多く出回りますが、注目すべきは「ネオどぶろく」と呼ばれるカテゴリー。どぶろくは醪(もろみ)を濾(こ)さないお酒で、日本酒のルーツともいわれます(日本酒のにごり酒は、白濁しているものの濾されています)。
「ネオどぶろく」が盛り上がっている理由は、大きくふたつあります。ひとつは、日本酒ほど定義が厳しくなく、造り手の自由度が高い(=多様性)から。もうひとつが、どろっとしたテクスチャーがおいしいから。このどろどろ感はヨーグルト酒のようでもあり、マッコリのようでもあります。日本酒のエントリー層で韓国好きな人が多いZ世代の成人にも刺さっている、ともいえるでしょう。
個人的には、ほのかに酸があって低アルコールのどぶろくが飲みやすく、より若者向けかなと思います(上記「鶯印のどぶろく」など)。その意味では、日本酒の低アルコールにごり酒(「讃岐くらうでぃ(6%)」「尾瀬の雪どけ 桃色にごり(10%)」など)もヒット要素にあふれているといえます。
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来年初頭には「2023年のお酒トレンド予測」的な記事の掲載も予定。そちらもぜひ注目ください!
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