エンタメ
ドラマ
2024/4/12 13:00

小林虎之介「吉沢亮さんが僕のグッズを見ながらニヤニヤしてるんです。もう勘弁してくれーって(笑)」『PICU 小児集中治療室 スペシャル 2024』4・13放送

広大な北海道で子供の命を守るために戦う医師たちの姿を描いた『PICU 小児集中治療室』(フジテレビ系)のスペシャルドラマが4月13日(土)に放送される。ドラマ『下剋上球児』ではキャッチャー・日沖壮磨役を演じていた小林虎之介さんがスーパーエリートの研修医役で出演する。主演・吉沢亮さんとの撮影中のエピソードなどを語ってくれた。

 

小林虎之介●こばやし・とらのすけ…1998年2月12日生まれ。岡山県出身。ドラマ「遺留捜査スペシャル」(テレビ朝日系)、映画「18歳、つむぎます」(2023)などに出演。日曜劇場『下剋上球児』(TBS系)に野球部員の日沖壮磨役を演じて注目を集めた。Instagram

【小林虎之介さんの撮り下ろし写真】

 

急いで治療しないといけないけど、丁寧な処置をしなければいけない

──今作では吉沢亮さん演じる志子田武四郎の指導を受ける研修医・瀬戸廉役です。この役のオファーを受けたときの心境はいかがでしたか。

 

小林 ありがたくて、「とにかくやるしかない」って思いました。そしてテレビで見ていた人たちに会えるという楽しみもありました。皆さん、どんな感じで現場にいるんだろうって興味がありましたし、瀬戸役にというお話をいただいてすごくうれしかったです。

 

──医師役を演じるにあたって勉強したことはありましたか。

 

小林 自分なりに勉強はしましたが、もともとフジテレビの医療ドラマが好きで、『Dr.コトー診療所』を何回も見ていて、『PICU』も見ていたので、医師役はイメージしやすかったです。ただ瀬戸はまだ研修医なので、医療ドラマを参考にガチガチに医師の役作りをするのではなく、『PICU』の連続ドラマの吉沢さんをよく見るようにしました。特に最初の3話ぐらいの志子田先生と瀬戸の境遇が若干似ている部分もあったので参考にしましたね。

 

──医師役を実際に演じて難しく感じたことはありました?

 

小林 僕は手術シーンはなくて、器械を触るところがあったんですが、それはドラマで見ていたイメージ通りでした。医師の所作などは、実際にPICUの現場に行き、職場体験みたいな感じで教えていただいたんですが、たまたま病院を見学しているときに、救急車で重傷の方が搬送されてきたんですね。そこで医師の方の目や、現場の空気に危機感を感じたんです。急いで治療しないといけないけど、丁寧な処置をしなければいけない、絶対に焦って雑にしてはいけないという心構えみたいなものを実際に学ぶことができました。

 

本当に共通点や似ている部分はないですね(笑)

──瀬戸廉をどんな人物と捉えていらっしゃいますか。

 

小林 瀬戸は東京の大病院の御曹司で両親が東大卒。生い立ちからして、医者にならないといけないってプレッシャーの中で生きてきたと思うんですね。偉大な両親の息子だし、医師になるためにたくさん勉強して得た知識もある。だからプライドもそれなりに高いんだろうと。それが丘珠病院で研修医として働くことになり、知識だけで戦っていけないことを経験していきます。それこそ「無知の知」みたいな経験をすることが多くて、演じていても苦しいなって思う部分がたくさんありました。自分ではできると思っていたのに、できないことを思い知ってどんどん打ちのめされるような感覚って、生きているとわりと経験する機会もあるじゃないですか。でもエリートの瀬戸は、研修医になって初めて大きな打撃を受けたんだろうなって思いました。

 

──瀬戸先生との共通点や似ている部分はありますか? 志子田先生に本を勧められて「もう読みました。英語で」と返している場面からも、自信が相当あるタイプに思えましたが。

 

小林 今回は本当に共通点や似ている部分はないですね(笑)。あのシーンは『PICU』の現場に入って、初めて撮ったシーンだったんです。そのときに、改めて監督と「瀬戸はこういう役だから表情をこうしてみよう」みたいな擦り合わせをしました。その3日前まで『下剋上球児』の撮影をしていたので、監督に「心の中には日沖壮磨が宿っているから、最初のシーンでそれをなくそう」と言われて(笑)。それで監督と「瀬戸はこういう感じ」「オッケーです」と確認しながら、瀬戸に変わる作業をすることができました。

 

忘れ物をすることも多いんです……一年で財布を4個ぐらい失くして

──役柄を切り換えるシーンでもあったんですね。以前『下剋上球児』でご登場いただいたお兄さん役の菅生新樹さんが、小林さんがシャンプーかコンディショナーを流し忘れてお風呂から出てきたエピソードを教えてくださったので、なるほど、瀬戸先生とは違うんだなと納得できました。

 

小林 シャンプーですね(笑)。髪を赤く染めていたので、髪色を維持するためにピンクシャンプーを使っていたんです。シャンプーを流し忘れたまま温泉に入って、お風呂から出て頭を拭いたら白いタオルが真っ赤になって「なんだこれ!?」と。

 

──流し忘れたのはどうして……?

 

小林 疲れていたのと、みんなで一緒にお風呂に入るからずっとしゃべっていて楽しくて忘れてしまって(笑)。それからずっとイジられてます。あいつ(菅生)に一生擦られるネタを提供してしまったなって。もう勘弁してほしい(笑)。

 

──天然なところがあるわけではないと。

 

小林 でも……多分ちょっとそういう部分もあるんでしょうね。僕は忘れ物をすることも多いんです。一昨年かな。多分財布を4個ぐらい失くして、免許センターに行きまくりました。そのたびに財布を買うのもお金がもったいないなと思って、今は1000円もしないような財布を使っています。でもそうしたら失くさなくなるんですよね。……って、ちょっと恥ずかしい話しちゃったな(笑)。

 

子役たちの存在は僕にとって大きかった

──『PICU』では子役の演技が毎回話題になっていました。子役たちとの共演はいかがしたか。

 

小林 みんな元気でピュアでしたね。空き時間にお菓子を一緒に食べたり、たくさんおしゃべりしました。でも現場に入ると全然違って、ちゃんと役者になるんですよね。でも僕は子供たちがたくさんいるから楽しめました。周りを大人の役者さんたちに囲まれていたので、子役と一緒のときは気持ちが和らいだというか(笑)。子役たちの存在は僕にとって大きかったです。

 

──そういえば、瀬戸先生はPICUにいる女の子の推しのアイドルに似ているという設定もありましたね(笑)。

 

小林 僕はまず「この設定、大丈夫かな」って思いました(笑)。写真で出てくる推しのアイドルも僕がやっていて、なんならこの現場で最初にやったのはアイドル役のほうなんです。スタッフさんたちに乗せられて、調子に乗って撮影して。ドラマの中で、カレンダーやアルバムのジャケット、うちわになって、その写真が出てくるわけですよ。もう恥ずかしくてしょうがない! 撮影中は目の前に吉沢さんがいますからね。もう真のイケメンじゃないですか。その人が僕のグッズを見ながらニヤニヤしてるんですよ。もう勘弁してくれーって思いました(笑)。

↑『PICU 小児集中治療室 スペシャル 2024』より

 

──モノやコトにまつわるお話もお聞きしたいのですが、現場に必ず持っていくものってありますか。

 

小林 僕は体がすごく乾燥しやすいので、最近はずっとハンドクリームを持っています。『下剋上球児』の撮影中に、メイクさんにハンドクリームを持っていたほうがいいよって言われたんです。特に『PICU』の撮影中は乾燥がひどくて、手とかガッサガサだったんですよ。手の皮が剥けまくって、どうしようと思っていたら、吉沢さんも『PICU』の連ドラの頃、乾燥がひどかったらしいんです。でも今は大丈夫だったので、「どうしてるんですか?」と質問したら、吉沢さんから「水を飲んでないっしょ?」って聞かれて。「飲んでないですね」と答えたら、「水を飲めばいいよ。そしたらすぐ治る」と教えていただいて。

 

──なるほど。水分不足の自覚はあったんですね。

 

小林 そうなんです。吉沢さんが連ドラのときに、「一日2リットル水を飲むようにした」っておっしゃるので、「そんなに飲めないです」と言ったら、「意外とイケるぜ」って言われて。それで飲むようにしました。家にいると飲まないんですど、仕事場にずっといると飲めるんですよね。で、撮影や今日みたいな取材の日は、ちょこちょこ飲むようにしています。

 

好きなドラマや映画を上げるのって、なんか考え込んじゃいますね(笑)

──ハンドクリームにこだわりはあります?

 

小林 全然ないです。でも良い匂いのと薬用、両方持っています。なので、こだわりというと2つ持っていることかな。匂いがないほうが良い場所では、薬用のハンドクリームを使ったりします。

 

──お仕事の現場によって使い分けられるのはいいですね。では趣味はありますか。

 

小林 趣味は本当になくて……。昔はアニメやマンガが大好きだったんですけど、この仕事で成功してやる! みたいなことを思ってからは映画やドラマを見ることが多くなったんですよね。

 

──そうすると映画やドラマを仕事目線で見てしまいませんか。

 

小林 最初の頃はそうでした。以前は「こういうときはこういう表情するのか」「こういうキャラクターいいな」って、参考にしよう、盗もうみたいな気持ちで見ていました。でもそうすると、だんだん見るのが楽しくなくなってきて。なので、最近は楽しんで見るようにしています。楽しんで見ても、自ずと自分の中の引き出しには入っているようで、演じるときに「あんな雰囲気でやってみよう」って思いつくので。それに気がついてからは、普通に楽しんで見るようになりました。

 

──どんなドラマを見ることが多いんですか。

 

小林 今は韓ドラです。『その年、私たちは』ってNetflixのドラマにハマっていました。それが終わったら『忍びの家 House of Ninjas』を見ようと思っています。……好きなドラマや映画を上げるのって、なんか考え込んじゃいますね(笑)。自分のセンスが出ちゃうから。『その年、私たちは』、『無人島のディーバ』、『二十五、二十一』という直近に見た3作品がすごく良かったです。

 

 

PICU 小児集中治療室 スペシャル 2024

4/13(土)フジテレビ系 午後9時~11時10分

 

(STAFF&CAST)
脚本:倉光泰子
演出:平野 眞
医療監修:浮山越史(杏林大学病院)、渡邉佳子(杏林大学病院)、植田育也(埼玉県立小児医療センター)、川嶋 寛(埼玉県立小児医療センター)、齊藤 修(東京都立小児総合医療センター)
取材協力:宮城久之(旭川医科大学)
プロデュース:金城綾香、栗原彩乃

出演:吉沢 亮
安田 顕、木村文乃、高杉真宙、高梨 臨、菅野莉央、小林虎之介
生田絵梨花、中尾明慶、正名僕蔵、甲本雅裕、大竹しのぶ

 

撮影・映美 取材・文/佐久間裕子 ヘアメイク/樫本佳奈(山田かつら) スタイリスト/AKIHIRO MIZUMOTO 衣装協力:nonnative(the nonnative shop)