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2020/8/2 18:30

乗れれば幸せ!? 車両数が少ないJRの「希少車」16選

【希少車に注目④】ハイブリッド化への礎を造った名車両

◆JR東日本キハE200形 計3両(小海線営業所)

↑小海線を走るキハE200形。車体横に誇らしく「HYBRID TRAIN」の文字が入る

 

日本の鉄道最高地点を走る小海線。高原を走るローカル線としても人気が高い。この路線を車体横に「HYBRID TRAIN」と大きな文字が入る少し目立つ気動車が走っている。この車両がキハE200形。2007年に3両のみが造られ小海線へ投入された。

 

キハE200形はディーゼルエンジンとともにリチウムイオン充電池を積み、蓄電池に貯めた電力を発車時に利用して走るハイブリッド式の気動車である。世界初の営業用ハイブリッド車両ということもあり、鉄道友の会のローレル賞を受賞している。ハイブリッド機構は標高が高く、勾配が急な小海線への投入で熟成化されていった。いわばハイブリッド式気動車の開発に大きく貢献したわけである。

 

ハイブリッド車両は今やJR東日本の複数の観光列車として、また幹線用の列車として多くが開発製造され、東日本各地で生かされている。希少車キハE200形の功績は大きい。

 

【希少車に注目⑤】新潟地区に投入され今は只見線の主力車両に

◆JR東日本キハE120形 計8両(郡山総合車両センター)

↑新潟地区を走ったころのキハE120形。2020年3月以降は黄緑色ベースの車体色に変更されて只見線を走り始めている

 

国鉄時代から引き継がれてきた気動車に代わるJR東日本の後継車両といえば、キハ100系、キハ110系。そして、2008年に新潟地区用に造られたのがキハE120形である。

 

先輩にあたるキハ100・110系との違いは車体にステンレス製軽量構体を利用していること。またスソ絞りの体型になったことだろう。このスタイルはその後に多く新造され各地で活躍するキハE130形に生かされている。

 

結局8両のみの導入となり長年、新潟駅を起点に磐越西線、米坂線、羽越本線などにキハ40系の後継車両として運用されてきた。2020年3月には新潟車両センターから郡山総合車両センターへ移動。ベース色もオレンジから黄緑に変更され、只見線の会津若松駅〜会津川口駅間を走り始めている。

 

【希少車に注目⑥】初の蓄電池駆動電車として烏山線を走る

◆JR東日本EV-E301系 計8両(小山車両センター)

↑非電化の烏山線を走る時にはパンタグラフを下げて蓄電池にためた電力で走る。電化区間ではパンタグラフを上げて走る(左下)

 

電化された区間では架線からパンタグラフで電気を取り込む。さらに非電化区間ではリチウムイオン電池に貯めた電力を利用して走る。EV-E301系は2014年に導入された日本初の営業用の、直流用一般形蓄電池駆動電車である。車両は2014年から2017年にかけて2両×4編成の計8両が造られている。

 

鉄道友の会からは2015年のローレル賞を受賞した。非電化路線用の今後の車両作りを具体化する電車として認められたわけである。車体の側面にはニックネーム「ACCUM(アキュム)」の文字が描かれている。

 

課題は現在の蓄電池の容量で走れる距離に限界があることだろう。烏山線が片道20.4kmの短い路線だから成り立つシステムでもある。終点の烏山駅には充電設備がありパンタグラフをあげて、電気の取り込みを行う。この充電にも時間を必要とする。ちなみに折り返す烏山駅の停車時間を見ると15分以上を要していた。

 

素晴らしいシステムではあるものの、まだ短い非電化路線でしか力を発揮できないシステムといえそうである。

 

【希少車に注目⑦】男鹿線を走る交流用の蓄電池駆動電車

◆JR東日本EV-E801系 計2両(秋田車両センター)

↑奥羽本線の電化区間を走るEV-E801系。非電化の男鹿線に入るとパンタグラフを降ろして、リチウムイオン電池に貯めた電力で走る

 

直流用のEV-E301系の交流区間用がEV-E801系だ。2017年3月に奥羽本線の秋田駅と男鹿線の男鹿駅間を走る列車用に2両が導入された。

 

すでに交流電化区間用には、2016年10月にJR九州のBEC819系電車が導入されていた。BEC819電車は筑豊本線(若松線)に導入され、後に香椎線(かしいせん)用にも増備されて活用されている。

 

EV-E801系はBEC819系をベースにした車両で、九州が電気の周波数が60Hzであるのに対して、東日本が50Hzと異なることに対応、また耐寒耐雪地向けの車両となった。ちなみに終点の男鹿駅には充電装置が設けられている。

 

愛称は烏山線のEV-E301系と同じく「ACCUM(アキュム)」。すでに3年に渡り営業運転を続け、実用化に目処がたったことから2020年度以降に増備される予定となっている。この増備で、男鹿線を走ってきた既存のキハ40系は、置き換えということになりそうだ。

 

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