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2020/3/11 18:30

食のパーソナル化が世界で加速。グルメ界の最新キーワード「パーソナライズド・オーダリング」とは?

テクノロジーを使ってレストランを予約したり料理をオーダーしたりするのは、もはや日常となりました。最近では、個々の食生活に合わせてレストランや料理を見つけるための「パーソナライズド・オーダリング」アプリが開発されています。例えば、イタリアではアレルギーを持っている方やベジタリアン、ビーガンに対応しているレストランをアプリで検索することができるようになりました。本稿では、個々の食スタイルを尊重しながら顧客のニーズに応えるアプリについて説明します。

↑食事やレストランを選ぶのは、やっぱり難しい

 

私たちは現在、食生活においても技術革新の真っただなかにいるといっても過言ではありません。様々なアプリの開発により、お客さんはレストランの予約をスマートフォンから行うことが可能になり、レストランの経営者はスタッフのシフトをアプリで組むことができるようになりました。

 

しかし、アプリの活用はそこだけにとどまりません。レストランの利用者が、とことんレストランのサービスを活用できるように進歩しているのです。その1つが、いわゆる個々のニーズに合わせた食のサービス提供。パーソナライズされたオーダーがアプリによって可能になったのです。

 

そのなかでも代表的なアプリが「MyCIA」。食物アレルギーや食物不耐症の方にとってレストランを選ぶのは簡単ではないでしょう。しかし、そんな問題を解決したのがこのアプリなのです。

 

食物アレルギーや食物不耐症だけではなく、食べたときに不快感を覚える食材や嫌いなものなどをMyCIAにあらかじめ登録しておけば、レストランを検索する際にそれらをフィルタリングしてくれるのが大きな特徴。個々のアレルギーや食の好みを「Food Identity Card」として登録する仕組みになっているのです。

体質や好みに合わせてレストランやメニューを選択できるこのアプリは、現在のところミラノ、ベネツィア、フィレンツェ、ローマ、ナポリ、トリノなどの大都市で利用可能。食に関しては世界一という自負を持つ観光立国のイタリアだからこそ、多くのレストランがこのアプリの試みに賛同し協力しているのです。

 

MyCIAを開発したピエトロ・ルッフォーニは、開発の動機について「“食”という日常生活の最重要事項において忠実なコンシェルジュとなるアプリを開発したかった」と語っています。

 

ルッフォーニが考えたのは、アレルギーや嫌いな食べ物をフィルタリングしてくれるアプリという概念だけではありません。例えば、ベネツィアにいながらにして本格的なカルボナーラを食べるためにはどこに行けばいいのかと思ったら、その答えがMyCIAで見つかるようになっているのです。

 

ベジタリアンやビーガンなどに特化したアプリも

ベジタリアンやヴィーガン、グルテンフリーに特化したアプリとしては「HappyCow」があります。いまや世界中で使われつつあるこのアプリは、195か国から10万件以上の飲食店を検索できる機能を持っています。レストランだけではなく、ベジタリアンなどに向けたサービスがあるホテルやカフェも検索できることも人気の理由のひとつ。

 

また、メニューにリンクした情報を提供してくれるアプリも登場しており、「GoogleLens」を使うとスマホのカメラを向けた物に関する詳細を簡単に知ることができます。レストランのメニューにGoogleLensをかざせば、ユーザーが作成したレビューや写真が見られるのです。メニューを読んだだけでは理解できない料理でも、どのような実物が登場するのか一目瞭然のため、今後も世界中に広がっていくと思われます。

↑アプリをうまく使えば食事はもっと楽しくなる

 

多様化する外食業界に合わせ、ヨーロッパでは各都市においてお好みのレストランを見つけるアプリが以前から存在していました。郷土料理、ピザ、寿司、フュージョン、オーガニックなど様々な好みに合わせたレストランを探すアプリとしては「TheFork」が有名です。しかし、従来のアプリでは実際にそのレストランで提供される料理の詳細まで知ることはできませんでした。

 

そのため、個人の食スタイルや体質を尊重する必要性が顕在化し、MyCIAやHappyCowといったアプリが登場してきたのです。このようなアプリを活用すれば、私たちの食生活はもっと楽しくなりそうですね。