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2017/11/10 20:00

これは新たな撮影体験だ! GoPro最新モデル「HERO6 Black」を使ってわかった驚愕の進化

今秋のGoPro新モデル「HERO6 Black」は、より高度な処理を実現する「G1チップ」を搭載して登場した。一見、前モデル「HERO5 Black」との違いはほとんどないように見えるが、中身はまったくの別物。前モデルの2倍を謳うパフォーマンスとシリーズ最高画質を実現しており、その実力の高さは予想をはるかに超えるものだったのだ。

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↑4K/60pや、1080p/240fpsといった高品質な撮影が可能なアクションカメラ「GoPro HERO6 Black」。参考価格は5万9000円

 

4K/60pや1080p・240fpsなどワンランク上の撮影能力を獲得

HERO6 Blackにおける注目ポイントの筆頭が、撮影能力を一段と高めたことだ。HERO5 Blackでは4K/30pだった動画撮影を本機は4K/60pへと進化させ、より滑らかな4K動画を撮影できるようになっている。実際に撮影した動画をPCと組み合わせた4Kモニターで再生してみると、細部まで相当に鮮明に映し出されており、それは4K映像の素晴らしさを改めて実感できるものだった。また、スローモーション効果が出るハイスピード撮影は「1080p・240fps」「1080p・120fps」から選択可能だ。

 

ただし、こうした4K/60pや1080p・240fpsなどはデータサイズがかなり大きくなる点、採用される動画ファイル形式「HEVC/H.265」の再生には、互換性のある対応デバイス(iPhoneであれば7以降のモデル)が必要な点には注意だ。

 

また、暗所での撮影特性も一気に向上。前モデルのHERO5 Blackではノイズが画面全体を覆ってしまうような夜景撮影でも、本機ではそのノイズを大幅に低減。夜景を夜景らしく撮影できるようになったのは、GoProにとってかなり大きなトピックとなるに違いない。

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↑ほぼ月明かりのみの夜景、といった光量の少ないシーンでも、問題なく撮影可能だ

 

見比べると一目瞭然! 強力な手ブレ補正がさらに進化

手ブレ補正能力の大幅な進化も見逃せない。その効果は軽く走りながら撮影してもしっかりとブレを補正するほど絶大だ。手ブレ補正をオン/オフで撮影した次の動画を見比べてもらえば、その違いは一目瞭然だろう。

【手ブレ補正機能オフ】

【手ブレ補正機能オン】

映像の周辺部は5%ほどケラれるが、それを知ったうえでなお積極的に使いたくなるほど十分な効果が得られると言っていい。ただし、4K60pなど一部の撮影モードでは手ブレ補正が効かない点には要注意。また、GoProでは手ブレ補正機能を「安定化機能」と表示している点にも留意したい。

 

手軽に作成できるハイライト動画も楽しい

GoProだけに、特殊撮影機能も充実している。ぜひ報告しておきたいのが、撮影した映像を自動でGoProアプリに転送してハイライト動画を作る「QuikStories」が進化したことだ。発表によれば、G1チップの搭載により視覚情報処理能力と機械学習能力が進化し、動画作成時にもより的確に最高の瞬間を選び出せるようになったという。試しにiPhoneに保存した映像を使って「Quik」で編集を試みたが、その扱いやすさには誰もが驚くはず。使いたい映像をタップして選ぶだけで簡単に動画編集ができ、テーマや音楽、テロップなども指先の操作で自在に入れ替えられる。使うほどにどんどん楽しくなってくるはずだ。

 

好評だったタッチパネル&音声操作を踏襲

外観はほとんど前モデルと違いを感じない。操作系もHERO5 Blackで採用されたタッチパネル方式を踏襲し、画角を変えるデジタルズームも指先での操作が可能だ。デジタルズームであるため画質劣化は否めないが、映像に変化を持たせられるという意味では価値ある装備となるだろう。

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↑デジタルズームもタッチパネルで感覚的に操作できる

 

音声での操作にも対応し、「GoPro」に続けて具体的なコマンドを入れることで、たとえば「GoPro、ビデオ撮影を開始」とか、「GoPro 、電源OFF」と発することでコマンドを実行できる。認識率も高く、手を放せないときなどの操作に使うとかなり便利そうだ。

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↑何か行動しながら撮影することの多いアクションカメラにおいて、ボイスコントロールは画期的だ

 

本体のタフネス性能もHERO5 BLACKから踏襲されたもの。防水機能も備え、ハウジングなしで水深10mまで対応できる。一方で、バッテリー容量は1220mAhとあまり大きくはないままで、動画を撮影しているとアッという間に残量が減ってくる。予備バッテリーは必須だろう。本体に備えた端子はUSB Type-CポートとmicroHDMI出力の2つで、USB Type-Cケーブルは標準添付されている。

 

豊富なアクセサリーで撮影領域が広がる

HERO6 Blackの発売に合わせ、新たなオプションも追加された。

 

「Shorty」(参考価格/4860円)は三脚としても使えるミニ延長ポールで、ポケットにも収まるコンパクトさがポイント。最大22.7cmまで伸ばすことができ、自撮りやハイアングル撮影にも効果的だ。「The Handler」(参考価格/3780円)は、水に浮くハンドグリップの最新版で、新たにクイックリリースマウントを採用した。汎用性の高いバイトマウントに簡単装着を可能にしたフロート「Bite Mount + Floaty」(参考価格/3780円)も発売された。

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↑三脚付きミニ延長ポール「Shorty」。ポケットに収まる大きさで、ちょっとしたアクティビティのおともに最適だ。参考価格は4860円

 

こうした30種類以上のアクセサリーに対応する拡張性も、GoProの大きな魅力。工夫しだいでさまざまなシーンで活躍するだろう。今回大きく進化した「HERO6 Black」を手にすれば、いままでにない撮影体験が得られるに違いない。