日本経済新聞は7月12日、ニコンが一眼レフカメラの開発から撤退したと発表しました。一方で、ニコンはこの報道を「憶測にもとづくもので、当社が発表したものではない」とコメントしています。
ニコンは1959年に一眼レフカメラ「ニコンF」を発表し、フィルムカメラビジネスに参入しました。その後に一眼レフカメラがデジタルへと移行し、また本体内部にレフ板のない「ミラーレスカメラ」のラインナップが増えている現在も、ニコンは一眼レフカメラの販売を続けています。
今回の報道で気になるのは、ニコンが日本経済新聞の報道を完全に否定しているわけではない点です。ニコンは「デジタル一眼レフカメラの生産、販売、サポートは継続しており、ご愛用のお客様には引き続きご安心してご利用頂ければと思います」と伝えており、一眼レフカメラの開発が継続しているかどうかについては言及していません。
また日本経済新聞は、これまでも「あえて」業界筋の未発表情報を報じ、その後にメーカーが「当社が発表したものではない」と否定。しかしその後、メーカーから報道どおりの公式発表がなされることもありました。
現在デジタルカメラ業界はミラーレスカメラへの移行という大きな流れのなかにあり、そんな状況でニコンが一眼レフカメラの開発を中止したとしても、なんら不思議ではありません。一眼レフカメラに愛着がある方にはなんとも寂しさを感じさせる報道ですが、スマートフォンの急速な高画質化という時流の中で、カメラメーカーも必死に生き残り策を模索していることが予測されます。