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2018/6/29 19:41

控えめなカフェインで眠った身体を大きく活性化!! 「キックスタート」の開発背景に迫る

2018年4月10日、サントリーの自販機限定でマウンテンデューというアメリカのブランドが製造する「キックスタート」が日本限定版としてデビューを果たしました。働き盛りの日本人男性20代~40代に最適化され、カフェイン控えめで、ビタミンB群も充実したグレープ味の微炭酸です。本稿ではアメリカでのマウンテンデューの生い立ちまでさかのぼり、北米オリジナル版やレッドブルやモンスターと比較しつつ、キックスタートを掘り下げていきます。

 

朝からエナジードリンクを飲みたいアメリカ人のために

キックスタートは「始動」、「弾みをつける」、「活性化する」という意味を含み、頑張ろうとするときにピッタリなネーミングです。アメリカ生まれのエナジードリンクと聞くと、カフェインが多く危険なイメージを連想する人も少なくないようですが、本品は日本発売にあたり成分を調整し、1本350mlの中にカフェイン67mg、カロリー70kcalと控えめに開発されています(後述するように他社のエナジードリンクと比べても控えめ)。また、エナジードリンク独特の薬っぽさもなく、普通のジュース感覚で飲むことが可能。全国のサントリー自動販売機で購入できます。価格は170円から190円。

 

マウンテンデューの新たなラインアップとして登場したキックスタート。マウンテンデューの歴史は1940年代にアメリカのテネシー州ノックスビルから始まります。飲料 工場を経営していたバーニーとアリー・ハートマン兄弟がウイスキーに混ぜるためのレモン・ライム味ミキサーとして開発した飲み物だったのです。

 

その後1964年に、ペプシコが販売権を獲得して全米に販売網を拡大。日本では1981年に初登場し、98年に日本ペプシコーラが製造を始めた一方、マーケティングはサントリーの管轄になったという背景があります。だから、現在マウンテンデューのブランドであるキックスタートもサントリーから発売されているんですね。

 

ところで、米国でのキックスタートが開発されたいきさつは、実はエナジードリンクという位置づけではなかったことをご存知ですか? 米国ペプシ社が実施した消費者リサーチで、マウンテンデュー愛好者は朝に飲むコーヒー、紅茶、フルーツジュースなどにとって代わる、味がよくてフルーティ、かつ身体がシャキッとする飲み物を探しているという情報を得ました。その後さらなる調査によって、朝食時にソーダ系ドリンクを欲している人たちが意外にも多いという調査結果から同社はヒットの確信を深めます。

 

そして、ファーストフード・レストランの「タコベル」が2012年に独自に朝食メニューに導入していたオレンジジュースとマウンテンデューをミックスしたドリンクを元に開発を進め、2013年2月にキックスタートという商品名で米国市場に登場しました。

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