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2023/11/11 21:00

2023年コスパ最強シャープでは? トンボ鉛筆「モノグラフファイン」の精緻に削り出されたペン先が生み出すお値段以上の使い心地

まだ1年の振り返りをするには少し早いが、2023年はシャープペンシルの当たり年だったということで間違いなさそうだ。1月にはぺんてるが、高コスパなオートマチックシャープ「オレンズAT」と合わせて新しい機能芯「Ain」を発売。三菱鉛筆からは超ハイスペックシャープ「クルトガダイブ」が継続品となり、加えてペン先ブレを抑制した「クルトガKSモデル」も登場……など、とにかくシャープペンシル周りのトピックが多かった。

 

5000円超えのクルトガダイブは脇に置くとしても、全体的には「高機能かつ低価格」がポイントになっていたようにも思える。つまり、2023年に発売されたシャープペンシルは、どれも総じてお買い得だったということ。

 

コスパ高すぎのハイクラス・シャープペンシル

そんな中でも、発売直後から「これ、2023年コスパ最強シャープでは!?」と話題になっているのが、10月末に発売されたトンボ鉛筆の「モノグラフ ファイン」だ。こちらは、2014年に発売された初代「モノグラフ」以降、常に高い人気を誇る “繰り出し消しゴム付きシャープ” シリーズの、ハイクラスモデルという位置づけ。

トンボ鉛筆
モノグラフ ファイン(芯径0.3mm/0.5mm)
各1100円(税別)
2色展開

 

軸全体の雰囲気がシンプルなだけに、まず目を引くのが先端コーン周りの緻密な形状だろう。こちらはまずΦ10mmのボディをΦ8.8mmに削っている。これを逆アール加工でΦ4.8mmに削り、さらにΦ3.4mmに削り段差をつけてから、再び逆アール加工でΦ1.6mmまで削って先端パイプにつなげる、という4段のテーパー加工になっている。この加工によってシルエットをスリムにし、ペン先周りの見通しを良くしよう、という狙いのようだ。

↑複雑に削られたペン先が特徴的だ

 

しかもこの複雑な先端コーンは、別パーツではなくフルメタルの前軸を削り出したもの。つまりグリップからペン先までが一体化しているので、ガタ付きやブレのようなものはほとんど伝わらない。また、前軸自体に重量があるため、重心が非常に低く、筆記時にどっしりとした安定感が得られるのも大きなポイントだ。おかげで筆記感はとても落ち着いたもので、シャッと走り書くときにも、筆圧をかけてグイグイ書くときにも、安定して応えてくれる。

↑金属製の前軸は、机に置くと「ゴトン」という音がするぐらいに重量感がある

 

↑筆記の安定感はさすがのひとこと。テーパー加工のおかげでペン先の見通しも良好だ

 

また、グリップも9.6mmとボディより一段削られており、指の収まりが良いように設計されている。

 

使用感への配慮は塗装にもある。前軸全体には「ソフトフィール塗料」と呼ばれる、耐加水分解に優れた特殊塗料を塗装。これにより、ほのかにしっとりとした手触りが与えられるだけでなく、長時間の使用でもベタつきが発生しないのだ。「手汗をかいても滑らない!」というほどガッチリとしたものではないが、それでもシンプルな外観を保ちつつグリップ感を高める工夫としては、なかなかに面白いアプローチだと思う。

↑一見するとツルツル滑りやすく見えるが、しっとり感のある特殊な塗料のおかげでグリップ性能は悪くない

 

オートロック機構付き消しゴムだから、力を入れてゴシゴシ消せる

「モノグラフ」シリーズと言えば、消しゴム機能も重要なポイント。当然ながら「モノグラフ ファイン」も、軸後端に回転繰り出し式のロングな消しゴムを搭載している。使う際は、ノックノブを時計回りにひねるようクリクリ回すと、中からΦ3.6mmの細い消しゴムがスーッと出てくる仕組みだ。

↑消しゴムは消字力優先でさほど固くないので、長く繰り出しすぎないことがコツ

 

ひとつ面白いのは、消しゴム使用時に自動でノックノブの押し込みを防ぐロック機構が備わっている点だ。軸を逆さま(ペン先を上)にすると、軸内部のスイッチが重力によって動き、ノックノブが軸に潜り込まないよう固定してくれる。同タイプの消しゴムユニットを持つエントリーモデル「モノグラフライト」では、消しゴムを少し強めにかけるとノックが押されて芯が勝手に出てしまう、なんてこともあったので、このロック機構はシンプルにありがたい。

↑軸を逆さまにすると自動的にノックノブがロック。これなら安心してゴシゴシと強めにこすることができる

 

消しゴムはやや硬めながら、さすがMONOブランドだけあって、消字力は間違いない。スリムさを活かして細かな部分修正も簡単にこなせる。ちなみに、消しゴム自体は消耗部品として別売り(モノグラフライト/ファイン用)されているので、気兼ねなくガンガン使えるのも嬉しい。

↑別売の専用消しゴムは3本入り100円(税別)

 

消しゴムの交換は、ノブを回して消しゴムをいっぱいまで出し切ったら指でつまんで取り出し、新しい消しゴムを装着するだけ。芯の入れ替えをする場合には、消しゴム内蔵のノックノブをそのまま引き抜くと、芯タンクへの穴がオープンになる。最初は少し迷うかもしれないが、一度やれば簡単に分かるはずだ。

↑消しゴムユニット(ノックノブ)をスポッと引き抜くと、芯の補充が可能に

 

そのほかにも、クリップが手に当たらない短くされたショートクリップなど、細部まで気の効いた作りは素晴らしい。

↑ショートクリップは、シャープペンシルを回しながら書く派に嬉しい仕様だ

 

なにより、金属前軸による剛性感の高さと落ち着いた書き味を体験したあとでは、「これで1100円ってさすがにコスパ良すぎじゃない?」という気持ちにもさせられる。要するに、ハイクラスモデルのシャープペンとして十分満足できるアイテムだということ。これを買って損した気分になる人がいるとは考えにくいので、見つけたらまず購入! で間違いないと思う。