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2020/2/19 18:30

ドローンで「アイスクリームをお届け」も割と現実的な段階に! 国内外でガンガン進む「ドローンの食品配送」実験

できたての料理が出前で届くのはもちろん、日本各地のお取り寄せグルメを宅急便で受け取るのは当たり前。でも、将来はドローンを使った料理や食材の配送がもっと一般的になっていくかもしれません。日本をはじめ、世界各地で行われているアイスクリームや料理、食材などのドローン配送実験の最新例をご紹介しましょう。

 

空飛ぶアイスクリーム

↑テラドローンヨーロッパメンバーとアイスクリームのドローン配送事業「Ice Cream Now」担当のユニリーバメンバー

 

最近では、空からアイスクリームが届くという、子どもたちが大喜びしそうなプロジェクトが始まっています。日本やアメリカ、ヨーロッパなど世界25か国で展開する、産業用ドローンの大手「テラドローン」は、アイスクリームをドローンで自動配送する実証実験を2019年11月にニューヨークで実施したと今年2月上旬に発表しました。これはユニリーバが行うアイスクリームのドローン配送事業「Ice Cream Now」の一環で行われたものです。

 

マルチコプタードローンに配送用ボックスを装着し、ユニリーバ傘下でアメリカで人気の「ベン&ジェリーズ」のアイスクリーム3つを格納。ユニリーバUSの施設内であらかじめ設定されていた飛行経路に沿って、これをドローンで自動配送することに成功しました。

↑ベン&ジェリーズのミニカップを格納した配送用ボックス

 

溶けやすいアイスクリームの配送は、真夏のような高温下での対応が気になるところですが、もしも「空飛ぶアイスクリーム」が実用化されれば、誕生日パーティやBBQのときにドローンでアイスクリームが届けられるなんてサプライズ計画もできるかもしれません。

 

空飛ぶタクシーの一方で……

レストランの料理を自宅など指定した場所まで配達してくれる「ウーバーイーツ(Uber Eats)」も、ドローンを使った配送サービスの展開に早くから着手しています。「空飛ぶタクシー」の開発を進め、ウーバーの航空部門として設立された「ウーバーエレベート(Uber Elevate)」と共同で、料理をドローンで配送するサービスを開発中。2019年にはサンディエゴで、マクドナルドの商品をドローンで配送する実験を行っています。ウーバーグループは、新しい交通手段として空飛ぶタクシーの開発に力を注いでいることが知られていますが、その技術を利用してウーバーイーツでもドローンを使った配送サービスが実現する可能性が高いのかもしれません。

 

楽天×西友のドローン食材配送

ドローンによる料理や食材の配送の試みは、日本でも始まっています。東京湾に浮かぶ無人島「猿島」を舞台に、楽天ドローンで西友の食材などを運ぶ実証実験が2019年夏に行われました。猿島は、横須賀の港から船で約10分で到着できる島で、BBQ施設があるなどレジャースポットとして人気の場所。この猿島まで、対岸の「西友 リヴィンよこすか店」からBBQ用の生鮮食品や飲み物、救急用品などをドローンで配送するという実験が行われました。船しかアクセス手段がないこのような場所でのドローン配送サービスは、実用化されれば大いに活用されることになりそうです。

従来の方法だけでは難しい遠方や離島への配送は、ドローンの活用が特に期待されている分野のひとつ。航空法や飛行ルールの問題もありますが、そんなニーズを満たそうと世界各国でドローンの食品配送実験は進められています。