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炊飯器
2016/4/25 20:28

【レビュー】銀シャリ最高! パナソニック「Wおどり炊き」のごはんがウマすぎて体重が増えた

「ごはん」が毎日の食卓にあがる家庭も多いためか、この数年は10万円を超える高級炊飯器が人気です。炊飯器は毎年進化していますが、いま注目しているのが、パナソニックが6月1日に発売する「Wおどり炊き SR-SPX106」(以下、SR-SPX106)。この製品は、釜内の圧力をコントロールすることで、かまどで炊いたごはんよりもおいしいごはんを炊けるというのです。

 

米をおどらせて炊きムラを防ぎスチームで旨みをコート

SR-SPX106は、大火力と加圧・減圧により、米を釜内でおどらせる炊飯器。今回は水が少ないときの減圧が可能になり、従来よりも長い時間釜内で米をおどらせるため、米粒の表面を崩さず、ふんわりハリのあるごはんに炊き上げます。また、220℃という高温スチームを噴射することで、米の芯まで熱を浸透させ、さらに旨みをコーティング。そして、ご飯がおいしく炊けるだけでなく、浸水時間を入れて46分で赤飯やおこわが炊けるといった機能も搭載しています。

 

機能面の進化ポイントはこちらの記事(お米が”踊って”激ウマ! パナソニックのIHジャー炊飯器「Wおどり炊き」の進化ポイント)に譲り、ここでは実際どれだけお米がおいしくなるのか、そしてどれだけ使いやすいかなどを、実際に使って試してみました。

 

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↑本体は赤と黒の独特なカラーリング

 

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↑フタを開けた様子。釜の底面には、発熱力を高めるディンプル(くぼみ)が見えます

 

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↑内釜は「ダイヤモンド竈釜」を採用。内面のトップコートを従来の2倍の厚さとして耐久性を高めており、保証期間はなんと5年。内釜重量は約820gで、高級炊飯器としては比較的軽い部類です

 

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↑内釜をセットする本体のフチは凹凸が少ない鏡面デザイン。乾いた米などのゴミが付着しやすい部分なので、掃除がしやすい形状なのがうれしいです

 

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↑付属品のしゃもじとしゃもじホルダー(写真上)。ホルダーはハンドルの根元に引っかけて使用できる(写真下)。左右どちらにも装着できるのが便利です

 

機能は多いが液晶画面が見やすく操作性は上々

炊飯器でいちばん利用するのは、やはり白米。そこで、今回は白米が一番おいしく炊けるという「銀シャリ」コースを試しました。炊き加減は「ふつう」で炊飯。ちなみに、炊き加減は「ふつう」のほか、「しゃっきり」「やわらか」などの10種類が用意されています。このほか、合計41種類の「銘柄炊き分け」メニューも搭載。機能はいろいろありますが、液晶画面が大きいうえ、操作時はバックライトが光って見やすいため、操作性は悪くありません。

 

ただし、Wおどり炊きシリーズで忘れてはいけないのが「水容器」のセットです。SR-SPX106が炊飯中に高温スチームを噴射することは前述しましたが、炊飯前にスチーム用の水を専用の水容器に入れてセットする必要があるのです。このスチームのおかげで中まで柔らかいのに、ハリとツヤがあるごはんが炊けるのですが、毎日炊飯をしていると水を入れ忘れるという失敗もあったので、注意が必要です。

 

準備ができたら、あとは「炊飯」ボタンを押してスタートするだけ。銀シャリ(ふつう)では、約48分で炊飯が完了します。炊飯終了すると、アラーム音とともに「ごはんをほぐしてください」というメッセージと、炊飯によってかかった電気代を表示してくれます。
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↑専用の水容器(上)に水を入れ、向かって右上にセット(下)。それ以外は、普通の炊飯器と同じ手順で炊飯可能です

 

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↑お米の炊き方はなんと10種類!  液晶画面が大きく、バックライトもあって見やすいので、操作性は上々です

 

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↑炊飯終了後には、炊飯にかかった電気代が表示されます。ちなみに、保温終了後にも電気代を表示します

 

2万円クラスのジャーと比べたが比較にならない!

今回は比較のために、2万円クラスのIH炊飯ジャーでも同時に炊飯してみましたが、炊きあがり後にフタを開けただけで、違いがひとめでわかりました。SR-SPX106は、ごはんの炊きあがり面の表面にポツポツとカニ穴があり、ふっくらとしています。また、同じお米、同じ洗米をしたにもかかわらず、2万円台の炊飯器は、フタを開けた瞬間、ヌカ臭さ(古くなったごはんをかいだときのようなニオイ)を感じました。しかし、SR-SPX106は鼻をつくヌカ臭さはまったくなく、食欲をそそる甘い香りが。

 

実際に食べてみると、味や食感もかなり違います。2万円台の炊飯器で炊いたごはんは、口に入れた瞬間、まずヌカの香りを感じ、噛むと外は柔らかいものの、中心には少々弾力のある食感を感じました。

 

一方、SR-SPX106は口に入れた瞬間、香りより先にごはんが一粒ずつ「ほどける」感覚が味わえます。食感は、表面は滑らかでハリがあるのですが、中まで驚くほど均一に柔らか。そして、一番の特徴が、噛めば噛むほど甘くなること! 実は、最初にごはんを口に入れた瞬間は、ヌカ臭さがないためか少々物足りなく感じました。しかし、一度ごはんを噛みはじめると、とにかく甘みや旨みがつぎつぎと表れてくるのです! これが本当にやめられない、止まらない味わいで、なんとお茶碗一杯のごはんを、おかずなしで食べきってしまったほどでした。

 

ごはんが口のなかでほどけるという点で、筆者がピンときたのがおにぎりです。実は、おいしいおにぎりの特徴は、空気を含んで握られていること。早速、SR-SPX106で炊いたごはんでおにぎりを作ってみると、口の中でホロリとバラけて、ふんわりとした食感を楽しめました。

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↑SR-SPX106(左)と2万円台の炊飯器(右)の炊きあがりを比較。SR-SPX106のほうがカニ穴が多く、空気を含む量が多いようです。色は2万円のほうが色は白いのですが、ツヤはSR-SPX106のほうがあり、みずみずしく見えます

 

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↑ごはんを茶碗に取り分けてみると、SR-SPX106(左)は簡単にほぐれるのに対し、2万円の炊飯器(右)のごはんはダマになっている部分がありました

 

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一見同じような見た目のおにぎりですが、SR-SPX106(左)のごはんで作ったおにぎりは、手で持っても崩れないのに、口に入れるとホロホロと崩れる柔らかい食感でした。一方、2万円台の炊飯器のおにぎり(右)は固くてべショっとした食感に

 

 

6時間後でもおいしいスチーム保温の優秀さに驚いた!

白米がおいしいのは想定内だったのですが、もうひとつ気に入ったのが長時間保温してもおいしいこと。夜に炊いたごはんを朝まで保温する家庭も多いと思うのですが、通常、長時間保温するとごはんが黄色っぽく変色し、ヌカ臭さが強くなることが多いはず。また、ごはんの表面が乾燥してツヤもなくなります。

 

一方、SR-SPX106は保温中にスチームをすることで、ごはんのパサつきや匂いを抑える「スチーム保温」機能を搭載。実際に6時間保温してみたところ、ヌカの匂いは少しするものの、色やツヤはほぼ炊きあがり時と同じでした。普段は「保温すると臭くなるから」と、食後すぐにご飯を冷凍していた我が家ですが、SR-SPX106なら冷凍する手間も省けそうです。

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↑保温前は二万円台の炊飯器(右)のごはんが白かったのですが、6時間の保温後は黄ばみが出たため、SR-SPX106(左)のほうが白く見えます。また、二万円台の炊飯器(右)は保温時に乾燥したのかツヤが少なかったのですが、SR-SPX106は6時間たってもツヤツヤでした

 

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↑使用後は、内釜、内ブタ、水容器、蒸気ふた(2パーツ)の5パーツを洗います。圧力タイプの炊飯器としては、片付けはラクだと感じました

 

SR-SPX106の実売予想価格11万6640円。正直、簡単に購入を考えるお値段ではありません。しかし、我が家のように毎日ごはんを食べる家庭にとって、ごはんのおいしさは生活レベルを左右する重要なもの。しかも、白いごはんがおいしいと、味付けの濃いおかずが必要なくなるので、健康になった気さえしてきます。唯一気になるのが、ごはんがおいしすぎて少々体重が増えたことです……。

 

【SPEC】

炊飯容量:0.5~5.5合

食感炊き分け:10種類

銘柄炊き分け:41種類

消費電力:1210W

サイズ/質量:W266×H 233×D 338㎜/6.9㎏

 

【URL】

パナソニック http://panasonic.jp/

Wおどり炊き SR-SPX106  http://panasonic.jp/suihan/spx6/